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サブカルインプレッション

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〈今後の投稿予定〉上馬さんこんにちは、山中恒よみものの魅力、電波少年の思い出、バカボン、ぼのぼの、私の面白遍歴ほか(変更有)
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#sink

いがらしみきお「Sink」を再読してみた③

いがらしみきお「Sink」を再読してみた③

※本稿は②に引き続き「Sink」のネタバレを含みます。あらかじめご了承の上お読みください。

 さて、「Sink」のあらすじに話を戻します。林は、山下に「物」としての家を手放すことを迫ります。以下はそのときの林と山下のやりとりです。

「今すぐ家を出るんだ それしか方法はないんだよ」
「全部捨てろって言うのか」
「捨てるしかないんだよ すでにこの家のありさまを見てみたまえ」(注…山下家は山下がハン

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いがらしみきお「Sink」を再読してみた②

いがらしみきお「Sink」を再読してみた②

※本稿は「Sink」のネタバレを含みます。あらかじめご了承の上お読みください。

「Sink」は、台所の流しがクローズアップされたコマから始まります。
本作の主な登場人物は山下家です。大学で教鞭をとる理知的な父、専業主婦の母、ガタイがでかく正義感の強い高校生の長男・駿。この一家は、閑静な住宅街に居をかまえ、一見すると何不自由のない裕福な暮らしを送っています。

ある日の晩のことです。一家は食卓を囲

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いがらしみきお「Sink」を再読してみた①

「ぼのぼの」20巻に、こんなエピソードがあります。リスのおじいさんが、さびしいときにさびしい笛の音を聞くと、なんだか心が慰められるという話です。
リスのおじいさんは、間違えて転んで腹が立ったときに、あえてもう一度自分で転ぶとゆかいな気持ちになれるというたとえで、そのことをぼのぼのやシマリスくんに説明しようとしますが、ふたりとも理解できませんでした。

「ぼのぼの」24巻では、アライグマくんがふとし

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