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【ネタバレ有】『三体』をIIIまで読んだ感想メモ

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劉慈欣『三体』『三体II 黒暗森林』『三体III 死神永生』のネタバレ含みます
ドラマ化したNetflix版『三体』およびテンセント版『三体』の話もあるかも<<<<<<<<
根幹に触れるネタバレはしないかも


 「中国の人が書いた小説が読みたいな」と思って、3年くらい前から、Kindleで購入していた『三体』を、今年になってシリーズの3までやっと読んだ。積んでおかないでちゃんと読もうと思ったのは、サブスクライブしているNetflixで『三体』がドラマ化されたからだ。どちらかというと、影像化されたものより先に原作を読んでおきたいタイプだし。

 これから感想などをメモしながら、自分の考えをまとめていこうと思うが、あらすじや登場人物紹介はしないので、各自読んでください。お願いします。

 通して読んだ感想、「とても面白かったし、規模がすごく大きい」。

 1は近現代の地球文明と三体文明の話、人類の悪い部分の話だとおもったのだが、2でコールドスリープが実装されたり、何世代も時間が過ぎたり、未来の技術が出てきたりし、よりSFになった。そして3では三体文明だけじゃなくて太陽系にまで話が波及していくので驚いた。

 1が一番話として好きなのは、テクノロジーが我々でも理解できそうな段階だったからと、地球文明の人間も必ずしも善ではなかったからだ。あと、小説内のVRゲーム『三体』の描写がとても面白かった。中国史をかじったことがある人であれば、周文王、墨子、始皇帝などの人名がでてくるだけできっと楽しめるはずだ。

 2になると、三体が本気をだしてくる。いや、まだ本気すらだしてなくて、ちょっと動いただけかもしれない。三体文明のテクノロジーのすごさに息をのむ。そして、攻撃などで地球人が大量に命を落とし始める。恐ろしい。地球も三体も仲良く暮らせばいいのに……。

 3は私にとってはちょっと難しい話だった。四次元が三次元になったり、三次元が二次元になったりするのだ。どういうこと? と思うけれど、ストーリーはやっぱりおもしろい。地球も三体も追い詰められていくのがハラハラした。3を読んだ人はきっと「ホーアルシンゲンモスケン」という単語が頭に残ると思う。私は頭に残った。

 『三体』シリーズ、宇宙の、すごいテクノロジーの、シンプルで超強力な兵器がでてくるので、予測が全然つかず、気づいたときには大量の犠牲者がでていて、おそろしかったが、そこが興味をそそられる。これだけ恐ろしい状態から、人類・地球・太陽系はどうなってしまうのかと思いながら読んだ。

 それにしても、三体に地球人が『三国志』とか読ませたら、「地球人はうそばかりつく」みたいな感想を持たれてしまったところが、私はとくに面白く思った。嘘をつかない種類の存在からしたら、「兵は詭道なり」とかもないのかもしれない。

 SF小説は好きなので、『三体』を3まで読めて良かった。
 Netflix版『三体』は、なぜか舞台や人物がイギリス化されていたりして、正直納得いかないのだが、影像から入りたい人、SFが得意でない人にはいいと思う。入りやすさがある話だった。
 テンセント版『三体』は、舞台も人物も中国なのだが、これはまだ途中までしか見られていないので、とやかくまだいえないが、好感を持ってみている。

 作者・劉慈欣の短編集『円』もおもしろかったし、『三体』は長いからと悩んでいる人がもしいたら、『円』をオススメしたい。

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