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骨を丈夫にするには成長期が超重要という話

放送大学の「疾病の成立と回復促進」の授業を聴いていたら、骨に関する興味深い話が聞こえてきたので、忘れないうちにメモ。


骨の丈夫さはマジで成長期にかかっている

骨粗しょう症という名前は一度は耳にしたことがあると思う。症状としては、後天的に骨量の減少が起こり、骨が脆弱化して、骨折しやすくなる状態のことを指す。

これを読んでいる方で、すでに骨粗しょう症に悩まれている方もいるかもしれない。実際に、私の周囲でも、医者から骨量の減少を指摘されて、改善を目指している方がいる。誰にとっても身近な病気の一つだと思う。

ただ、基本的にイメージされるのは「高齢者」がかかる病気であり、「そのリスクを指摘されてから頑張る」傾向があるように思う。私はそう思っていた。

見た目を左右する筋肉や脂肪、髪といった要素は若い時から気を遣う傾向があると思うが、なんといっても骨である。姿勢や立ち方といった意味で骨に注目する人はいても、骨量そのものに若い時から意識する人は少ないはず。

だがしかし。

骨量というものは成長期以降、減少し続けるものであるため、「骨粗しょう症を防ぐにはピーク時(30歳まで)にどれだけ骨量の最大値を上げられるか」が何よりもの予防になるのである。

(そういうことだったのか…)

骨量が減ってから頑張ってカルシウムやビタミンDを摂取しても効果は低いということが医療での現状認識とのことで、つまり高齢になって「骨粗しょう症ですね」の状態から頑張っても改善は難しいということになる(あくまでも相対的な話であり、一概に効果がないというわけではない)。

ようするに、食事改善や運動により骨量の減少は防げるが、増量が難しいという話のようだ。

高齢での骨折はリスクが高い

よく聞く話ではあるが、高齢者が転んで骨折して、寝たきりになり、認知症が進み、体力も落ち、QOLが下がり、そのまま亡くなるケースがある。このように、高齢での骨折は生活に著しい影響を与えるため、歳をとっても元気であるためには、骨が丈夫であることが大事になる。そして、その骨を丈夫にするには、実は成長期の過ごし方が重要だったのだ。

骨量を増やす方法

では、成長期の段階で骨量を増やすにはどうすればよいのか?効果的な方法は食事と運動になる。

食事改善
まず食事ではカルシウムの摂取が重要である。1日の推奨量は年代別でわかれるのだが、男性なら12~14歳が1000mg、18歳~29歳までが800mgになっており、女性は12~14歳が800mg、18歳~29歳までが650mgになっている。

カルシウムが豊富に含まれる食品には乳製品(牛乳200mlで220mg)、大豆製品(木綿豆腐3分の1で86mg)、他に魚介や野菜にも含まれている。

ポイントはそのカルシウムの吸収促進効果があるビタミンDを合わせて摂取することだ。ビタミンDはきのこ、魚などに含まれているので、例えば「きのこと豆腐の味噌汁」などは非常によい組み合わせになる。また、ビタミンDは日光にあたることでも生成されるため、意識的に日を浴びることも有効となる。

どの栄養にもいえることだが、一度に多量に摂取しても吸収ができないため、毎食バランスよく食べることが食事の基本だ。

運動
運動では骨に衝撃を与えることが骨密度を維持するためには必要となる。そのため、日常生活で最も手軽な方法として「ジャンプ」がある。ピョンピョン跳ねるジャンプは骨に大きな衝撃を与えるため、効果が高い。スポーツならバスケやバレーといったものはわかりやすく効果があり、おそらくダンスなども有効だと考えられる。

体重が重いなど、怪我のリスクがある場合はウォーキングなど低負荷のものからはじめるとよいだろう。

繰り返しになるが、このような方法を成長期の段階で取り組み、骨量の最大値を上げることが最優先である。そして、成長期以降も食事と運動を意識することにより、最大値の骨量の減少を防いでいくことが、骨粗しょう症には有効であり、それが自分が年を重ねた時のQOLに直結してくるのである。

ダイエットとの兼ね合い

そうはいっても、成長期は心が複雑になる時期でもある。
自分のボディイメージが気になる年ごろで、なおかつ、ダイエットの知識も大してないため、痩せるために簡単でわかりやすい「食事量を減らす」といった方法が採用されがちな年代だ。

その年代に対して「歳を取ったときに大変になるよ」などといっても無駄である。なぜなら「今が大事」だからである。

その上で、親視点からすれば、適切なボディイメージを持ってもらうことがベストだと思うが、どうしても難しい場合は適切なダイエット方法を一緒に考えたり、食品だけでなくサプリ(過剰摂取には注意)からの摂取も検討するとよいのではないかと思われる。

というわけで…

骨知識をアップデートすべく、記事を書いた。「骨は成長期が超重要」が一般的になることを願っている。

参考文献

カルシウムの摂取目安量とカルシウムを多く含む食品を紹介(森永製菓)
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=189&category=health

たくさん摂ると「大きくなる」不足すると「イライラする」って本当?カルシウムの役割と摂り方(HOUSE)
https://comeon-house.jp/fromhouse/147/

カルシウムの働きと1日の摂取量(健康長寿ネット)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-ca.html

運動で骨を強く! 子ども時代の「ジャンプ」有効 骨密度維持 高齢者も無理せず継続(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/148942

骨を丈夫にするには「ジャンプ」を毎日しましょう!(中日新聞)
https://plus.chunichi.co.jp/blog/yuasa/article/220/302/

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