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全身麻酔を伴う「親知らず(水平埋伏歯+含歯性嚢胞)」の手術と入院〜コーチの視点を添えて〜

先日、親知らず(水平埋伏歯+含歯性嚢胞)の手術と入院をしてきました。同じような状況の方の参考になればな〜と思い、備忘録を書いていきたいと思います。

またコーチの視点でこのような口周りの手術をする際のリスクなんかも触れていければな~と思います。


深い歯周ポケットの存在

かかりつけの歯科医で、頑張ってもなかなか改善がされない深い歯周ポケットが奥歯にあり、その原因が親知らずにありそうだから抜いたほうがいいぞ!と指摘はされていました。
いや〜しかし、抜くのは怖そうだし、面倒だな〜なんてことを思っていて、後回しにしまくっていました。それでも信頼している歯科医が粘り強く薦めてくれた結果、意を決して抜くことにしました。

衝撃のレントゲン

両下が同じ状況です

レントゲンで確認すると左右ともに「下の歯なのに下に生えている」ことが発覚。まじか。お前、そんな感じで生えていたのか…。かかりつけの歯科では対処ができないため、東北大学病院で処置することになりました。

事前診察を重ねる

何度か外来での診療を重ねて、今後の打ち合わせをします。担当の先生からも「これはやりたくないねぇ」と言われる始末で、やっぱりやっかいな生え方らしい。
似たようなタイプでも、同じような手術になるとは限らないのですが、私の場合は、神経面に接触しており、水平よりさらに下、そして親知らずのサイズが大きく、合わせて、含歯性嚢胞も見られると。そのような条件が重なり、難易度が高くなったようです。
日帰りでもできないことはなく、その場合は1本ずつ。入院なら両方一気に抜けるものの、その場合は全身麻酔になると。私の場合はパソコン一台あれば仕事も成り立つため、入院を選択しました。手術の予定が立て込んでおり、手術日自体は半年後になりました。

快適入院生活

ご飯がおいしかった

さて、半年が経ち、人生はじめての入院です。病室は思った以上に快適。景色はよく、ご飯も普段の減量食より量も多く、思ったよりとても美味しい。大学病院は一つの街みたいなもので、コンビニをはじめ、お店も充実していて、なんでも売っています。wifiもあるし、十分すぎる環境です。
そして、今回は4人部屋にしてみたのですが、病院の方はもちろん、同室の方も親切な方で、これもとても助かりました。同じような境遇の仲間がいるということは、こういうシーンでも助かるものです。

思ったより多忙

長期入院ではないこともありますが、入院生活は意外とタスクが多く発生します。朝昼晩の検診、診療、担当医・麻酔医との手術の打ち合わせなど、1日を通して何かしらがある上に、夜は21時就寝、朝は6時起床と活動時間も短いです。
また、可能な限り動ける人は自己管理を推奨されており、患者側も病院側に対して協力する姿勢がよりよいサービスを受けられるコツなのだということも学びましたね。

入院生活で役立ったものベスト3

さて、ここで一旦耳寄り情報。入院で役立ったものベスト3を紹介します。

3位:耳栓・アイマスク
2位:パジャマ
1位:卓上時計

3位は説明不要ですかね〜。個室なら不要だと思いますが、同部屋なら必須だと思います。パジャマはレンタルできるのですが、いかにも入院ですって感じのデザインが私は気落ちする気がして、短期なら自前の方がいいんじゃないかなと思いました。
そして1位はダントツで、卓上時計です。デジタルの温度、湿度も表示するタイプを持参しましたが、これは持っていってよかったですね〜。腕時計ではなく、パッとみてわかるサイズの時計があると時間感覚が保てるので、入院の際には必須だと思います。それと、温度・湿度もわかると、「自分が寒いのか部屋が寒いのか」がわかるので、これもよかったですね〜。

噂の全身麻酔

自分で手術室に向かいます

事前に手術服に自分で着替えて、看護師さんの案内のもと、自分で歩いて手術室に行きます。手術室の前室で担当の方々と挨拶を交わすのですが、そこが明るい食品加工場のような雰囲気で、自分がこれから加工される気分になります。
中に入ると、思ったより広く(感覚的には5×8の40平米くらい?)、青を基調とした清潔な部屋で真ん中に手術台があります。不安も確かにあったのですが、好奇心が強くジロジロとみながら、言われるがままに寝っ転がり、緊張感を和らげるのと麻酔の効きを確認するためか、ずっとたわいもない話を周囲の方とします。

最後に、

「口のマスクのサイズ間違えたかな」

と麻酔担当が放った一言が最後で、次には「はい、終わりましたよ〜」と声をかけられ目覚めます。
これが全身麻酔ってやつか…。と、ぼんや〜りしながらも意識自体はあり、受け答えはできる感じ。特にせん妄などは見られなかったのですが、助手の先生(細身)に「ちゃんとご飯食べてます?」って言ってて、思ったこと言ってたなって後で思いましたね。ベッドに乗せられたまま、病室へ戻ります。

ソクラテスの登場

このあと2時間ほど、ベッドに横たわったままの状態を維持するのですが、この時間が短期的にはきつい印象があります。なんだか寒いし、麻酔が切れて痛いし、腫れも出てきて、体の変化に認識が追いつかない感じです。
痛みが増してきたのですが、この時に「日本一たのしい哲学ラジオ」のソクラテス回を思い出します。ソクラテスは最後の死の際に、自身の体に起こっていることを冷静に観察をしており、その真似をしてみることにしました。
この痛みはどこから来ているのだろうか…ここか?この痛みの奥には何があるのか?なんてことをやっていると、痛みをどんどん意識する羽目に陥り、もう無理だとなりました。ソクラテスの道は遠い…。

カオパンパンマン

BEFORE← →AFTER

翌朝、言われていた通り、顔が”可能な限り”パンパンに腫れます。もうパンパン過ぎてどこが腫れてるとかもよくわからないレベルで腫れました。痛みもそれなりにはありますが、ロキソプロフェンを飲めばほぼ解消されるため、ロキソプロのやばさも体感。炎症反応なのか、時折高熱が出たりもします。

素材のテクスチャー

左上は確か豚肉の味噌焼きです

術後から、刻み食に変わりました。もはや元が何かわからないほど細かく刻まれたり、もはやペースト状になったりしている食べ物です。主食はお粥で、見た目はそそられませんが、口の可動域が極端に狭い状態でも食べやすい加工になっており、その工夫に感心です。
それで一つわかったことは、咀嚼による素材のテクスチャー(質感)が味の表現に多大なる影響を与えているという点です。例えば、プリンなんかも食べれたんですが、ほぼ飲むに近い感じになり、そうなると普通に食べる時に比べて、味わいがだいぶ異なるんですよね。あまり美味しくない。これは面白い発見だと思いました。

無事に退院

晴れて退院

高熱が出て、退院予定が危ぶまれる瞬間もありましたが、状態が落ち着き無事に予定通り退院です。久々の外なんですが、久々感がなく、感覚としては「ドラゴンボールの精神と時の部屋」から出てきた感じです。確かにさっきまで入院時間が流れていたけれど、外界時間はほぼ時間が止まっていたような感覚で、この感覚も新鮮だと思いました。それだけ、病院という場は隔絶された世界観なのだな〜と思います。

その後の経過

「腫れは1週間くらいで元に戻るよ〜」と言われて、最初はこの腫れがこの短期間で元に戻るわけがないのでは…と思ってはいましたが、確かにひきました。人間の回復力に驚きですね。現在は術後から10日ほどですが、一見するとわからないくらいには回復しましたね。
経過自体は順調だと思うのですが、時折痛む時があり、特に寝る時にロキソプロが必要になるタイミングがあります。また、下唇のあたりに痺れが残っており、おそらくこれは当面残るものではないかと予測してます。

困ったこと

パンパンに腫れるため、食事や、会話がしにくいことは予測でき、その通りだったのですが、想定外だったことが一つあります。
私のようなタイプの親知らずを抜くと、抜いた場所に大きな穴が開きます。これは時間が経過すると、徐々に塞がっていくのですが、この大きな穴に食べたものがめちゃくちゃ溜まるんですよ。そして、食べかすが溜まると炎症が起こり、治りが遅くなる上に、私の場合は頭痛も発生します。そのため、この穴のケアが必要なんですね。
私の場合は先生からでかい注射のようなものを渡されて、うがい薬を注射を使って穴に噴出することで穴ケアを行っています。何か食べたあとはこれをやる必要があるので、特に外出時にこのケアが大変だったりします。これは想定外でしたね〜。

コーチとしてのリスク

さて、最後にコーチがこのような手術をする際のリスクを書いておきます。コーチに限らず、声を使う人は知っておいたほうがよいと思います。
全身麻酔は呼吸も止まるため(これびっくりだよね)、人工呼吸になります。その際のチューブや薬剤の影響で、術後「喉がかすれる」影響が出る可能性があります。大抵の場合は数日で回復しますが、場合によっては数ヶ月回復が遅れる場合があります。
私の場合は数日で回復し、1週間後には問題なくセッションができるまでに回復しましたが、同室の方でまさに長期間影響がでる可能性がある症状がでてしまい、仕事に影響が出ている様子でした。
このようなリスクもあるため、受けるタイミングに関してはよく考える必要性があるかなと思います。

というわけで、手術と入院の記録を書いてみました。
誰かの参考になれば幸いです。

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