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2024年のアメリカ旅行 〜ネットとアプリを使った今時の旅行の仕方〜

 初めてアメリカに行ったのは、35年くらい前でした。私はまだ大学院の学生で、当時の大学生の間ではやっていた、いわゆるバックパッカーをやっていました。その頃の海外旅行の情報源はバックパッカー御用達だった初期の「地球の歩き方」で、まだベンチャー企業だったH.I.S.で格安の航空券を手配してもらい、グレイハウンドバスの乗り放題パスを買って、トーマス・クックのトラベラーズチェックを持って旅に出かけていました。宿の予約はせずに現地に着いてから、宿に直接行って泊まれるかどうかを聞いて回っていました。(今の人にとっては、何それ?っていう話でしょうが、、、)

 それから、仕事や旅行で何回もアメリカに行きましたが、その度に何かしら新しいサービスやシステムが導入されており、新しい経験をしてきました。宿も飛行機もネットで予約できるようになり、セキュリティチェックは厳しくなり、毎回飛行機の中で書いていた紙製の米国出入国カード(I-94)はなくなり、代わりにESTAが導入されました。さらに、この10年くらいは、各種サービスのデジタル化やシェアリングエコノミーの発達にコロナ禍の影響も加わり、旅行の仕方も様変わりしてきたような気がします。35年前には考えられなかったようなことが出来るようになっています。

 今回、5年ぶりにアメリカの西海岸に行くことになり、せっかくなので出来るだけ今時の新しいサービスを使って旅行をしてみることにしました。

宿に泊まる

 ホテルの予約は、Booking.comExpediaなどの予約サイトで簡単にでき、以前から重宝していましたが、最近はこれに加えて民泊仲介サービスのAirbnbも人気です。アメリカの大都市部ではそこそこ安いホテルがあり、必ずしも民泊の方が安いわけではありませんが、宿の選択肢を増安ことができます。今回の旅行で3泊以上になる宿泊にはAirbnbを使ってみました。Airbnb使い方や使ってみた感想は別の記事に書きます。

アメリカ国内を移動する

 飛行機で移動する

 米国内の都市間の移動は、やはり飛行機ということになることが多くなります。飛行機の予約は、以前よりExpediaなどの予約サイトやSkyscannerなどの検索サイトなどを使ってやっていましたが、これは以前からあまり変わっていません。
 前と変わったのは、紙のチケットがあまり使われなくなり、あらかじめネットでオンラインチェックインをして、携帯電話でe-ticketを表示するやり方が主流になっていることです。今のところ、空港のカウンターやチェックイン機で紙のチケットも入手できますが、そのうち紙のチケットは廃止になるかもしれません。
 他に前と変わったこととして、米国内線では受託手荷物が有料化されており、かつこの料金が値上がりしていることが挙げられます。2024年3月時点では、受託荷物1個を預けると、どの航空会社でも少なくとも$35以上はかかるようです。
 アメリカン航空の情報
 デルタ航空の情報
 ユナイテッド航空の情報

 荷物を減らしなんとか機内持ち込みができるサイズにしたいところです。ちなみに、機内持ち込みができるサイズは航空会社によって定められていますが、この運用は相変わらずかなりアバウトです。例えばデルタ航空の場合、「手荷物の縦、横、高さの合計は114センチ以内かつ縦、横、高さそれぞれの長さが56×35×23センチを超えないもの」となっていますが、これより多少大きくても問題にはならないでしょう。どう見てももっと大きい荷物を持ち込んでいる人も結構います。席の上にある荷物入れに収まればOKという感じかと思います。

車を呼んで移動する

 車を使うのであれば、UberLyftなどのライドシェアを使うのが一番簡単です。

 タクシーは、空港やホテルなどでは拾えますが、そのほかの場所にはあまりいません。アプリで必要な場所に呼ぶことができるライドシェアの方が便利です。旅行前にアプリをダウンロードし、支払い方法等設定などを済ませ、いつでも使えるようにしておくことをお勧めします。
 アプリに、乗車場所(デフォルトは現在地になっている)と目的地を入力すると周りにいる車を検索し、何分後に配車可能かが表示され、目的地までの経路と料金が表示されます。配車をリクエストしてこれが受け付けられると、これから乗る車こちらに向かっている様子が車がリアルタイムで地図上に表示されます。車が到着すると荷物を積んで乗るだけ。目的地までの経路はアプリで表示されドライバーもそれに従って運転するので、昔のように行き先が正しく伝わっているかドキドキしたり、遠回りされて料金をボラれる心配をすることもありません。(昔は結構ピリピリしながらタクシーに乗ってました。)降りる時に一々料金を支払う時間をとらなくて済みますし、ストレスなくスムーズに移動ができます。

Uberのアプリの画面

 ところで、今回最初に訪れたロサンゼルス国際空港には、昔は各ターミナルの手荷物受け取りから出たところにそれぞれタクシー乗り場があったのですが、今はなくなっています。空港内の渋滞を緩和するためにタクシー、Uber、Lyftなどの乗り場は、2019年にできたLAX-it(LAXとExitがかかっていて、ラグジットと呼ぶ)という施設に集約されており、そこまでシャトルバスを使うかか徒歩で行く必要があります。

車を借りて運転する

 アメリカには、現地の一般の人が所有している車を借りることができるカーシェアサービスがあり、このカーシェアの仲介を行うプラットフォームとしてTuroGetaroundなどがあります。
 アメリカではコロナ禍の時にレンタカー業界各社は多くの保有自動車を売却しており、またコロナ後は半導体不足のため新車が手に入りづらくなってしまい、レンタカーの数は不足気味です。このためレンタル料金はコロナ前よりも高くなっており、割安なカーシェアを利用する人も増えています。
 今回の旅行では、TuroとGetaroundのカーシェアサービスを使ってみました。Turoの使い方Getaround使い方などは別の記事に書きます。

 ところで、今回初めて知ったのですが、法的にはアメリカ(ジョージア州を除く)では日本の免許を携帯していれば、国際免許がなくても運転できるんだそうです。ただ、現実的には警察官などに停められたときに、日本語だと理解を得られない可能性もあるなどの理由で、日本国総領事館のサイトを見ると国際免許証の携帯が推奨されています。
    在サンフランシスコ日本国総領事舘の情報
    在ニューヨーク日本国総領事舘の情報

 一方、各レンタカー会社ではオンラインで運転免許証翻訳フォームを発行してくれるサービスを始めていて、このフォームを提示すれば国際運転免許証の携行は不要で車が借りれます。一例として、ハーツレンタカーの翻訳フォームのページを示しておきます。

公共交通機関を使う

 今回の旅行では使いませんでしたが、地下鉄やバスやライトレールなどを何回も使って移動するのであれば、交通カードを購入しこれにチャージをして使うのが良さそうです。ロサンゼルスはTAPカード、サンフランシスコはCLIPPERカードという具合に各都市ごとに交通カードがあります。ただ、日本の交通カードとは違い、その都市の公共交通にしか使えません。以前は違う都市に行くごとに、物理的にカードが増えていったりしていましたが、最近ではこのカードもアプリ化されており、物理的なカードなしでモバイルフォンをタップして利用できるようです。
 目的地に行くのに、どの駅からどの路線に乗れば良いのかは、お馴染みGoogle Mapの経路検索で調べるのが楽で良いでしょう。

食事をする

 これまた、今回の旅行では使いませんでしたが、ちゃんとしたレストランに予約して行くのであれば、OpentableYelpなどのレストラン予約アプリを使うのが楽かと思います。条件にあうレストランを検索し、さらに予約する機能が使えます。

コンサート、スポーツイベント、観劇に行く

 ロサンゼルスのClypt.com アリーナにNBAの試合を観に行きました。NBAの場合チームによって契約しているチケット会社があり、ロサンゼルス・レイカーズのチケットはTicketmasterで予約できます。
 昔はネットで予約し、当日窓口に行って紙のチケットを受け取り入場していましたが、今はネットで予約したらモバイルチケットが送られてきて、これを携帯で表示して入場するやり方が主流になっています。
Ticketmasterでの予約の仕方とモバイルチケットの使い方は別の記事に書きます。

アメリカでAmazonを使って買い物をする

 今回一緒に旅行した、大学生の息子がフィルムカメラを持ってきていたのですが、電池切れを起こし、さらにこれが割と特殊な電池なので街のカメラ屋さんでは売っておらず、さてどうしようということになりました。思いついたのがAmazonで買って配達してもらう方法でした。
 日本でのAmazonのアカウントはアメリカでは使えないので、amazon.comのトップページから入って、アメリカでのアカウントを新たに作ります。

 アカウントを作るときに、注意が必要なのは日本のアカウントと同じメールアドレスを設定すると、アカウントが重複しているというメッセージが出て失敗してしまうことです。別のメールアドレスを使う必要があります。アカウントができたら、商品の注文の仕方は日本と同じです。違いは、アメリカでは基本的に置き配での配達になるので、荷物をどこに置くか(玄関の前とか庭とか)を選択することくらい。注文の翌日、Airbnbで泊まっていた家のドアの前に無事に届けられていました。
 こういう場合以外にも、日本よりもアメリカで買った方が安いものも結構ありますので、Amazonで買って宿泊先に届けてもらうというのもアリかと思います。ホテルに宿泊している場合でも、配送先住所をホテルにすればホテルのフロントで受け取れるようです。

終わりに

 現在では、ネットやアプリを使うことよって便利に旅行ができるようになっています。しかしこれは、裏を返すと、ネットやモバイルフォンが使えなくなると非常にまずいことになるということでもあります。場合によっては旅行が続けられなくなることもあり得ます。モバイルフォンを失くしたり、盗まれたりしないよう細心の注意をするのはもちろんですし、充電切れも何としても防がなければなりませんね。
 また、旅行中ネットにアクセスする頻度はかなりありますので、海外でのモバイルフォンの使用料金があまり高くならないよう考えた方が良いでしょう。通信キャリアの海外ローミングを使うのか、海外用のSIMを購入して使うのか、あるいはwifiルーターをレンタルしてこれ経由でネットにアクセスかなどが考えられます。ご自分の旅行プランに合わせて研究してみるのが良いかと思います。


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