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2024年のアメリカ旅行 〜Turoを使って車を借りる〜

 アメリカには、現地の人が所有している車を借りることができるカーシェアサービスがあります。アメリカではコロナ禍の時にレンタカー業界各社は多くの保有自動車を売却しており、またコロナ後は半導体不足のため新車が手に入りづらくなってしまい、レンタカーの数は不足気味です。このためレンタル料金はコロナ前よりも高くなっており、割安なカーシェアを利用する人も増えています。
 Turoは2009年に設立された、アメリカのカーシェアリングプラットフォームの最大手で、アメリカの全州で利用可能なサービスです。多くの種類の車種から好きな車が選べる他、予約する車によっては、受け渡しの際に車のオーナー(ホスト)と会わずにアプリで車を解錠、施錠できる「Turo Go」という仕組みを使って車を受け渡しできたり、空港やホテルなど指定した場所に車を持ってきてくれるサービスが受あるなどのメリットがあります。

Turoの使い方

1. アカウントを作り必要な情報を設定する

 Turoのトップページに行ってアカウントを作ります。もしくはTuroのアプリをダウンロードしてアプリからアカウントを設定します。電話番号、メールアドレス、住所、顔写真、運転免許証に書かれている氏名と免許証番号、支払い方法などを設定します。
 通常はここまでの手順で車を予約できるようになりますが、設定した免許番号だけではTuro側が身元確認できなかった場合には、追加の写真のアップロードが求められます。(私がアカウントを作った時にも、追加の写真のアップロードは求められました。日本の免許証の番号だけではTuroのシステムでは身元確認ができないのかもしれません。)また、前述したTuro Goが使える車を予約する場合にも、追加の写真のアップロードが必要です。免許証の写真(裏と表)、免許証を顔の近くに掲げた自分の写真、パスポートの写真などをアップロードします。しばらくすると承認結果が通知されてきます。

2. 車の予約

 車の予約はTuroのトップページかアプリから行うことができます。車を借りるロケーションと借りる期間を入力すると、候補となる車のリストが表示されます。例えばサンフランシスコ国際空港で受け渡しがしたい場合は、ロケーションには、SFO - San Francisco International AIrport を設定します。

TuroのWebページより引用

フィルターを使って条件を設定して、候補を絞り込むこともできます。
普通の乗用車・SUV・ミニバンなどの車のタイプ、どの年式、必要な装備(4WD、スノータイヤ、カーナビ、Apple Carplayなど)、Turo Goを使ってアプリで解錠する機能があるかなどを設定します。

TuroのWebページより引用

候補としてリストアップされたものをクリックすると、その車の詳細説明画面が表示されます。

TuroのWebページより引用

車の説明、オプション、受け渡し方法に関する情報や、使用ルールなどの他、過去にこの車を使ったユーザによる評価やレビューの情報も表示されます。受け渡し場所は、 Pickup & return locationのところに表示されます。上の画面に例では、検索した時のロケーションをSFOにしていたので、受け渡し場所もSFOになっています。変更したい場合は、この画面から変更できます。
 この車を借りることに決めたらContinueのボタンをクリックし、料金の詳細を表示します。

TuroのWebページより引用

合計料金には、Turoの手数料であるTrip feeや、指定場所まで車を持ってきてもらうためのDelivery fee、保険料などが含まれます。
 保険は、Minimum, Standard, Premierのどれかを選びます。クレジットカードによる保険はTuroでは使えませんので、この保険のどれかに入っておくべきかと思います。これでOKならば、画面の一番下にある Book this trip のボタンをクリックし、ホストに予約のリクエストをします。予約が受け付けられると、その旨通知が来て、ホストからメッセージで受け渡し方法などの情報が通知されてきます。
 予約後は、アプリやTuroのWebページに、自分の予約情報が表示されるようになります。ここで、Add driversというボタンをクリックして、自分以外のドライバーを登録することもできます。ただし、登録できるのはTuroのアカウントを持ち、身元確認が取れているドライバのみです。

3. 車のピックアップ

 車のピックアップ方法は、ケースバイケースではありますが、大体2種類に分けられるようです。オーナーから手渡しで鍵を受け取る方法と、オーナーとは会わずに、Turo Goを使ってアプリからパーキングなどに停めてある車を解錠するやり方です。今回の旅行では、ロサンゼルスとサンフランシスコの空港で車を借りましたが、ロサンゼルスではオーナーからの手渡し、サンフランシスコではアプリで解錠の方式でしたので、それぞれのケースでどうだったかを書いてみます。

手渡し方式(@ロサンジェルス)
 ロサンジェルス国際空港は、渋滞対策のために空港施設内での車の受け渡しは空港ターミナルからは少し離れたBudget parkingという駐車場でのみに制限されています。この駐車場に行くにはシャトルバスに乗って行かなければならず、さらにゲストが駐車料金を支払う必要もあるので、実際は空港の外で受け渡しをするホストが多いようです。
 私は、空港の近くに拠点を持っているホストから車を借りることにしました。空港ターミナルから無料のシャトルバスに乗って、一旦メトロのAviation/LAX駅まで行き、迎えにきてくれたホストの車で拠点まで行きます。全部で30分くらいで、レンタカーの営業所にシャトルバスで行くのより少しかかるくらいの感じでした。
 ホストに運転免許証を確認してもらい、車の鍵を渡してもらいます。運転を始める前に、Turoのアプリでチェックインを行います。予約した時間が近くなるとTuroのアプリの画面にCheck Inボタンが表示されるのでこれをクリックして指示に従ってチェックイン操作をします。具体的には、車の外観を各方向から撮った写真をアップロード、次に車内の写真をアップロードします。チェックインが完了したら、あとは運転するだけです。

アプリで解錠方式(@サンフランシスコ)
 サンフランシスコ国際空港では、Turo Goを装備した車を借りました。ホストから、車は空港内の駐車場に停めてある旨連絡がきて、無料のエアトレインに乗って駐車場まで行きます。ホストには事前に免許証を掲げた自分の写真を送ってあり、駐車場に着いたら借りる車と自分を写した写真をホストに送付します。これにより、ホストは車をピックアップした人と、予約をした人が同一人物であることを確認します。予約した時間が近くなるとTuroのアプリの画面に現れるCheck InボタンをクリックしUnlockの操作をすると、リモートから車のキーが解錠されます。
物理的な車の鍵は、車の中のコンパートメントボックスの中などに置かれていますので、チェックイン後はこの鍵を使います。Turo Go車向けのチェックインでは、写真のアップロードの他に、運転前の距離計の走行距離、燃料計のレベルを入力する操作が加わります。

4. 車の返却

 ホストから事前に指定された場所に返却をします。大抵の場合、車を受け取ったのと同じ場所になるかと思います。借りた時と同じ状態にして返すのが基本的ですので、車が汚れてしまったら洗車をしガソリンも借りた時と同じレベルまで給油して返却します。洗車をしたりガソリンを入れたりすることを考え、時間に余裕を持って返却に向かうのが良いかと思います。
 車を駐車したあとは、アプリに表示されているCheck Outのボタンをクリックし、指示に従って、距離計、燃料計の値の入力や車外、車内の写真のアップロードなどをします。Turo Go車の場合は鍵を車内に戻しアプリからドアのロックをし、返却を完了します。

5. 借りた車の評価・レビューを書く

最後に、借りた車の評価とレビューをアプリから行って、終了です。

使ってみて

以下は、実際に使ってみた感想です。

レンタカーよりも安め

 今回借りた車は、2024年製、2023年製と新しく条件の良い車でしたが、レンタカーの比較サイトに出てくる同クラス車の最安値よりも安い値段で借りることができました。アメリカのレンタカーの価格がコロナ前よりも値上がりし、高止まりしていることもあり、現時点ではかなり安めに車を借りることができる印象です。

選択の自由度が高い

 レンタカーで車を予約する場合は、コンパクトクラス、スタンダードクラスなど車のクラスを指定し、実際にどの車種が借りられるかは当日にならないとわからないのが普通です。Turoの場合は最初からどのような車が借りれるのかがわかります。
 また、必要な機能・装備があるものを簡単に選べます。今回の旅行は3月で、ヨセミテ国立公園に車で行ったのですが、3月はまだ雪が降る可能性があったので、4WDでスノータイヤの車を選びました。車を検索する時にこの条件を設定することで、簡単に目的の車を見つけることができました。あと、モバイルフォンのGoogle Mapなどをカーナビとして使うのであれば、Apple CarPlayやGoogle CarPlayを装備している車を選ぶとモバイルフォンの地図画面をディスプレイに表示してくれたりして便利です。

洗車について

 レンタカーに比べて少し面倒なのが洗車です。Turoで車を借りる場合、返す時には、借りる前と同等以上の状態にする必要があります。必ずしも洗車が必要なわけではありませんが、明らかに汚れてしまった場合には、自分で洗車して借りる前の状態にする必要があります。アメリカの洗車事情は、以下のページなどに詳しく書かれていますので参考にしてみてください。

 洗車場は意外と楽しいので、洗車も旅行の一部として楽しんでしまうのが良いかも。ちなみに、サンフランシスコで借りた車のホストは、洗車のサブスクリプションサービスに入っており、私はこれを使って無料で洗車をしました。洗車場に行って洗車機のレーンに並ぶとナンバープレートを自動認識してくれて洗車をしてくれました。

空港での車のピックアップについて

 Turoを使うにあたってネットで色々調べていると、「空港の施設まで車を持ってきてもらえるので、営業所までシャトルバスで移動して手続しないといけないレンタカーよりも時間の節約になる」というような記述が多くみられました。
 以前はそうだったのかもしれませんが、現在では、空港によっては規制があり、必ずしもそうはならないようです。前述したように、ロサンジェルス国際空港の一部の駐車場を除いて施設内での受け渡しは禁止されていますし、今年の2月からはダラスフォートワース空港でも車の受け渡しが禁止されました。

 Turoと各空港の管理者との間では、いくつか裁判なども行われているようで、今後もこのような規制状況は変化していくのではないかと思います。

Turoはおすすめか?

 レンタカーよりも安めに車を借りれますし、今回の旅行では満足のいくものでした。現時点では、かなりおすすめです。ただ、今後、レンタカーの料金も下がっていくかもしれませんし、空港のTuroに対する規制がどういう方向にいくのかも不透明です。1年後どうなっているかは何とも言えません。


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