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2024介護保険等の制度改正と、この業界に関する最近の雑感(という割に長文(笑))「在宅に何をもたらすのか」

改正について思うこと

★まずは、今回の改正について、やはり気になること
それは、つまり、訪問介護界隈の、知識人、業界のトップ、職業団体とうとうで予見できる人はいなかったのか?いなかったとしたらなぜなのか?
あがると期待しすぎてはいなかったのか?そんなことかもしれない

★改正は、一定のルール下で行われていること

それが、本当なのかということは、個人的には検証できていないが、改正の流れや傾向を見ていると、ここはぶれなかったという可能性が高い。その中で、どう見たらいいのかということは考えておくべきことがあると思う。
目の前の組織が、本当に儲かっていないのか?そして給与として還元されないのはなぜなのか?還元されるにはどうすればいいのか?どうすればよかったのか。
★改正は試験と同じ。

改正は、現場が何を努力するのかということを試されていると思う。訪問介護は、訪問介護としてやるべきこと、やれることがあるだろう。

今抱える課題

①組織の規模や動きの見直し
いくつものバラバラの事務所があるのであれば、事務所機能の集約化は重要な要素となりえるでしょう。それがむずかしければ、組織の中での役割分担(あえて分散)の促進は重要かもしれないと思う。
②収益の基礎となるもの見直し
改正は職場にとって、試される力量=試験 という発想をもてるかどうか。おおむね、「はー」とか「やってられねー」って。だけどねえ。働く方のモチベーション・働く方のガッツの醸成をうまくここに結び付けることができるかということが重要
・資格や能力の計画的なアップ。
・介護の質
・リーダーの質
・組織の評価

などなど、今務めている訪問介護事業所の課題は冷静に見つめ直すことが必要。

③息が詰まっているのは私だけ?あなただけ?

そして、息詰まっているのであれば、そこに風穴を開けるきっかけをつくることが重要かと思います
②をもとに話をすすめるとすれば
・改正で「新規創設」された加算が取得できるようにする
・既存の加算をどうすればつぎのレベルの加算になれるか、その加算取得のためのステップアップ
・上記の為のトレーニングや資格取得、採用、そして、人事(適材適所化)
・手元にある各種結果(売り上げ・人数(職員からお客様まで)の見直しと課題の洗い出し
・指導力は「社」でも「者」でもなく、「チーム」でできるように。

避けて通れない「人」(人材なのか人財なのか)問題

●介護職としての振り返り
自分の介護職人生の中で
・最初に勤めた病院(介護福祉士が珍しかった時代です)
・次に老健(介護保険スタート直前頃の新規施設)
・オープンしたけどシロウト同然の空中分解寸前の特養の主任。
何れも事業所や職場としては、スタートダッシュ時期からようやく安定するかしないかの体験ばかり。その当時は、今の介護職人生の中で、心の支えとなる沢山の先輩たちに導かれているように、その背中を追ってというか、たまたま見つけた介護教員。
ま、そんなこんなあって
・今の職場でサービス提供責任者→管理者→ケアマネ→主任ケアマネへ
前置きが長くなりましたが、立ち上げ期、混乱期を見てきて、なかなか自身の関りの中で安定期の関りをしてこなかったなあという「思い」がある。最初は「反省」かなとも思ったが、ちょっと違う。

=介護の労働ってなんだろう=

介護は、その幅が広い。介護福祉士ができたころまでの諸先輩たちは、まずは「だれでもできる神話」からの脱却と、医療や看護のはざまでの「介護の専門性」の確立に注力されていたと思う。今も、「誰でもできる」という発想は、少なからず世間を闊歩しているのではないかと思う。その温床となっているのは、
・入りやすく・辞めやすい業界
・そこそこで何とかなる業界

その一方で
いわゆるサラリーマンで介護をやるにしても、一つ一つの組織が小さいし、成熟していないので、
・非常勤か常勤かしか区別がなく、力量が評価されにくい
・常勤→管理者というぐらいしかステップアップ材料がない

その結果、新しい資格を取得して転職というようなことが日常化
という業界になっていたと思う。
しかし・・・
★処遇改善加算という賃金の魔法★
以前、
賃金面での優としての「介護支援専門員」があった。
今は
非常勤ヘルパー→常勤ヘルパーもしくはサービス提供責任者→管理者→ケアマネ資格もある管理者
というような給与アップができるようになった。
その結果、ケアマネになったら給与が下がるというような現実も発生している。
しかーしだ。

介護支援専門員という資格を武器に

まわりで、しっかりした職場、しっかりした組織を作り出している「介護現場」はそのステップアップした「介護」の専門家が、組織の目標、組織の理想の具体化、そして介護の理想の現実に邁進している。そういうリーダーが長期にかかわっている現場は、現場の成熟度が上がり、その結果安心して任せられる現場になってきている

「夢」「力」を創造する

介護の夢を創造できる導きを
この業界で働いている中で、確実に古だぬきになってはいるが、「夢を創造できる導き」ができるかということが、初期から思っている自身の目標ではある。過去も、今も、そして将来も、いい感じになってきたなと感じ始めたら、腕や足を根こそぎ持っていかれる。それを阻止できていないのも今の自分だと思う。
長年そういう状況を体験していると、少なからず兆候はあるわけで、でもそれが、腕や足を根こそぎ持っていくような事態をまさか引き起こすとはという甘ちゃんな自分もいる

足元の安定、そして成長には

①働く場の安定って何なんだろう
安定期って何なんだろうということを考えたときに、
今の職場で、「訪問介護の事業所」を立ち上げた先輩がいた。
その方は、立ち上げ・運営・閉店という流れを華麗にやって見せた。閉店の理由も、黒字が出ている間に占めるのが社長の責任と言い切った。素敵。
最近では、2人目のケアマネ独立者が出た。一人は元同僚。もう一人は、主任同期。ケアマネの独立。それは「ケアマネの夢」なのかもしれないが
なかなか厳しそうである
②安定しているとはどういうこと?
例えば、いろいろ課題はあるけど、
・大きな問題を起こさず営業継続中状態になった、施設や事業所
・退職者・入職者のバランスと、それなりに収益が確保できている施設や事業所
・地域から、あそこに頼もう、あそこに入所させようの安心や信頼のある施設や職場
・人が育つ、巣立つ、そしていざという時の母港的な施設や、事業所

ということなのかもしれないと、振り返る中で思う。
なかなかそのすべてを手に入れることは一筋縄にはいかないけど、介護の現場って、そういう現場を作って維持していくことが現場リーダーの本当の役割なのではないかなと思う

いくつかの「退職」経験と、「辞めます」言われた経験をもとに

★そうなる前に何とかならないのか・・・

・実は「辞めます」というと、沢山のことに「気が付くきっかけ」を作り出す。なぜかなーって思うことを考えてみると「辞めますと言った自分と、その職場でまだ働いている自分」がいるからかもしれない。
・自分が退職に至った時も、退職したいと言われた時も、「退職」という悪魔の媚薬みたいなものをつかむ前に、捕まる前に誰かに相談すればよかったのにと思うことが沢山あるが、そうなるときには、相談先にも迷惑をかけたくないバイアスが必ず悪魔のようにもたげてくるということ。
・いくつかの退職をすると、「退職」は、精神安定剤、麻薬みたいに幅を利かせてくる。相談先になる人に迷惑をかけたくないという強いバイアスの中で、退職しかなかったんだという呪文を唱えている自分がいることになんど気づく。

★何がいやなのか

何がいやになるのかという面で見ると、
「介護現場」であることは「ほぼ100%」ない。
「介護をしている人」はもちろんいろんな人生の中で「介護」をしているわけで、それをわざわざ職業にするほどの人。
現場は好きだけど、管理がねえ・・・
とか
組織がねえなのである。

退職したいと言い出して、その話を聞く方も、これでは引き止められるわけないなと思うことをついつい口走ってしまっている(割と最近気が付かされた(笑))※お互いに個人では何とかならないんだもの
それでは、思いとどまらせることなんてできないんだなって。次はこうならないように努力しよって思って努力するわけですけど、日々に忙殺される毎日の中で、一度も止めることができずに、次・次・次と特に、頑張っている人、次のステップに登れそうな人が確実に突然やめていく。

活用できていない組織の仕組み

会社の仕組みの中には人事考課測定なんて仕組みがあったり、いろいろな相談機関があったりするが、それが介護の忙殺される現場でどれだけ効果をもたらしているのかというと「ない」とは言わないけど、「ある」とは言えないのが、経験値でいえる範囲。

振り上げたこぶしを、どこかに下ろそうよ

「辞める」と言って、その言ってきた人に話を聞くと、沢山の良い気づきがある。
しかし「その辞めるという媚薬から解き放そう」という努力をし、そこから次の目標の明確化ができる人がいて、その話を聞いたことで、次に進める人がまずは、「辞めるということを言ってはみましたが、辞めるのをやめます」から始める新しい世界が見えるときが来るのではないでしょうか。

またの機会に向けて

何が言いたいのと思われることを、思いのままにまとまらず書きましたが、やはり、今回の改正は、在宅介護にとっては激震は間違いない。しかし、激震は、自身も、周りも、大きな振り返りのチャンスだと思う。
介護を取り巻く喜びも、悲しみも、うれしいことも、そしてそれに携わる者たちの苦しみをしっかりと受け止め取り除くことができるような力?愛?、専門職として切磋琢磨し、切磋琢磨している仲間が近くに確実にいるということ、何かあった時にピーンときて、そのピーンと来たものを逃さない、そんなものをもつ専門職にまずは今一度なることを目指したいと思う。そして、それを感じることができるような集団が形成できるような努力をしたいと思う。

まもなく今年も、スターウォーズの日。
介護のフォースを感じる者たちへ、今覚醒の時。


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