生きることと死ぬこと~最期まで生きている証を~
生きることと死ぬこと
このテーマに関係ない人はいない。
みんな一度は生きるとは?死ぬとは?と考えたことがあるはずだ。
このテーマに答えはないと思う。
みんなそれぞれ「こうかな・・・」とほんの少し言える程度なのではないかと思う。
死生観について
死生観はいろんな個人因子、環境因子で変化していく。
お年寄りからよく聞くのが「早くお迎えがこないかな~」だ。10代でこのセリフを発した人を僕は見たことがない。
それどころか10代で生きるとは?死ぬとは?と考える人も少ないのではないかと思う。
ところが20代後半~40代くらいになると途端に考え出す。人生の醍醐味である仕事や家庭においてある程度の土台ができたからなのかもしれない。
死生観は育った環境によっても大きく異なる。むしろこちらの影響は強い。
日本は延命治療重視の国だ。とにかく身体の一部が何らかの形で動いていれば良い。
例えば、意識が戻る見込みのない人に対しても鼻から管を通したり、お腹(胃ろう)から栄養を与えることで命を繋ぐこともある。
本人の確認がなくても、家族の同意があれば延命治療が施される。よって日本は長寿大国となっている。ただし、健康寿命との差は10年ほどある。
つまり、平均すると10年間は寝たきりになっていることを表している。
一方の米国や北欧では、本人の同意がなければ延命治療は受けられない。
想像ではあるが、寝たきり状態で生かし続けることに意味を感じないのだろう。
国によって死生観の違いをかなり感じるところである。
死生観の違いについて、もっと極端なことを言おう。
僕たちは人を殺さないことが正義だと思っている。これは日本にいる限り99.999%くらいは同意が得られるだろう。
ところが、どこかの国では人を殺せば「神」だと崇められる。
僕たちは幸せになるために生きている。
幸せであり続けるために生きている。
みんな違った人生経験をしてきて、みんなバラバラの死生観をもっている。
みんなが幸せに生きていくためには、死生観をある程度一致させることはとても大きな意味があると僕は考えている。
みんないつかは死ぬ!じゃあ何のための生きるのか?
普通に考えると、みんないつかは死ぬ。
早かれ遅かれか。
みんないずれ死ぬのに、一体何のために生きているのか?
こういった疑問が浮かぶ。
自殺する若者はほんとに多い。
彼らは、おそらく生きる意味を失ったのではないかと思う。
彼らは、生きる意味はないと悟ったのだ。
みんないつかは死ぬ。
早かれ遅かれだ。
確かにその通りなのだ。
しかし、前提から考え直さないといけない。
「生きる意味なんてない」という前提のもと、生きる意味を見つけていくことが生きるということなのではないだろうか。
生きている限り、生きている意味を見つけないと人は死にたくなるのかもしれない。
そう思う。
僕は理学療法士なので、病院で最期のときを迎える人に接したこともあった。
理学療法士としては無力を痛感する。
リハビリをしても回復などしない。じゃあ関わる意味はないのか?諦めるのか?
生きる意味を見つけていくことが生きるということ
このように考えると、人が生きている限り、関わる意味を考え続けることがその人が生きていることを証明することになる。
最期でも、意味のあるリハビリを。
最期まで生きている証を見つけていきたい。
僕はそう思う。
声をかけるだけになるかもしれなくても・・・
3年半前に僕のおじいちゃんが亡くなった
今から3年半前に大好きだった僕のおじいちゃんが亡くなった。
肺がんだった。
最期の最期、家族みんなに囲まれながら、おじいちゃんは「今日はパーティか?俺このままピューっと逝けるなー」と言った。
たった一言
おじいちゃんが亡くなったときは悲しくて悲しくて、僕はただただ泣くまくるしかなかった。
3日くらいは何度も思い出しては泣くことを繰り返した。
日が経つにつれて、気持ちがだんだん落ち着いてくる。
悲しいのは悲しい。
叶うならまたおじいちゃんと話がしたい。
そんな気持ちを抱えながらも、変わらない日々を過ごすことができている。
主治医も看護師も、皆さんほんとに良くしてくださった。
そういえば、おじいちゃんが息を引き取ったすぐ後に、主治医が「おじいちゃんはみんなから好かれて幸せですね」と言った。
この一言でどこか救われた気持ちなったことを思い出した。
おじいちゃんは亡くなったけど、幸せだったんだ。そう思えた。
僕だけじゃない。家族みんながそう思えたかもしれない。
あの時のたった一言があったから、僕たちは前向きに生きていけるんだな。
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今回、僕の所属するコミュニティ「The Arth」から、「生きることと死ぬこと」をテーマに総勢14名のセラピストがそれぞれの思いをコンテンツにしています。
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