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アジア寺修行の記憶②ワットパースワンナラタラム

ワットパースワンナラタラム

カンチャナブリーからバスで1時間程。山の中にある巨大な修行寺です。

アーチャンチャー老師の直弟子の日本人僧侶カベサコ師が住職を務められていた巨大な山寺。

私が滞在した頃は日本人僧侶が数名居ました。これまで日本人僧侶にタイで会ったことが無かったのでとても良い体験になりました。

朝の托鉢時、山から歩いて降りる際に毎日の瞑想の様子や仏教のお話しなどを日本人僧からしてしてもらいました。サマディーに入ることについての話やタイ仏教についてやカルマの話、またタイの社会問題やお寺に来る人達のことなど。この日本人僧はとてもきさくで自分の失敗談や体験談なども忌憚なく話してくれ近い先輩のような存在でした。


仏教修業にはそのステージステージで見事に場所や人や環境が提供されると経験上確信しています。その時の自分に合った環境が。そういった意味でこのお寺に出会い惹かれ通い続けたのはやはりその時の私に一番合った場所だったと今振り返ると感じます。日本人僧が居なくなりここ数年はほとんどいっていませんがまた行ってみたいです。人里から離れた本当の山奥に入ると本当の自然を感じられる稀有な場所だと思います。自然ってこういうことなんだと肌で感じることが出来きました。

日本人僧は仏教の修行の入り口に少し入った私を優しく導いてくれました。     毎日の朝のお話は当時の私にはどれも金言でした。
彼とこのお寺に出会って仏教修行をますます進めようという気になりました

肝心の修行内容ですが アーチャンチャー系のお寺で主に集中系の瞑想がメインとなります。朝3時起床、托鉢、朝食(食事は一日1食)、掃除。夕方の読経以外は個人修行時間です。自主修行ですので各自修行します。

座って目を閉じて呼吸に意識を集中する瞑想とゆっくりとスローモーションで歩く歩行瞑想を毎日朝から1時間程おきに寝る前まで自分以外誰もいない場所で繰り返し繰り返し続けます。

個人的にはこのお寺のような山奥の静かな環境で修業してみるのはとても有益なことだと思います。
なぜなら朝から晩まで大自然の中かつ安全な静寂の中に居るので五感が向かう対象が日常生活に比べ少なく五感が散らない状態を保て気付きやすいからです。身体のちょっとした動き、細かい呼吸、心からちょこっとでてきたもの。それが表に出て感情やアクションに変わる瞬間。そして心の癖など。瞑想に慣れていない間はなかなか日常生活では気付かないこと。瞑想に慣れてくると街中でも騒音の中でも気が付いている状態になります、それはまるで静かな優しい自分がすべてを見守っているような状態。これが身に着くにはやはり呼吸一つ一つや身体や心になにが起こっているのかを集中し細かく知っていくことが大切だと思います。そいいったことを自然と身につけれられる環境が森林系の修行寺にはあると思います。そして同じ志を持った優しい仲間が居るのも心強いですね。

このお寺は山深くほんと広くてそして今は人がほとんどいないので人とあまり交わらないで山深い大自然のなかで自分と向き合い瞑想がしたい人には良い場所です。

逆にアドバイスをもらい指導者とマンツーマンで修業をしたい方や、人と交流したいという方には不向きだと思います。
英語や日本語での瞑想のアドバイスなどは今は受けることが出来ないがある程度自分で瞑想修行をしてみたいという人にはとても良い場所だと思います。


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