全般性不安障害 セカンドオピニオンという名の転院と微かな光
前回の記事では大学院の指導教員の先生に病気をカミングアウトして、人生の指針となる3つの誓いを立てたことを書きました。
ちなみにその先生には卒業後10年以上経った今でも感謝していますし、頭が上がりません。
おそらく近年中に一緒に大きな学会の運営をします。僕は今はその専門からは離れてしまったのですが、せっせと人足として働きます。
話は戻って、大学院時代の話。
病気と不安で折れそうになる心折り合いをつけて始まった大学院での生活。
正直、大学院は厳しいところでした。
毎日のように授業で発表があり、その発表に向けて一日中朝から晩まで図書館と研究室に篭り、PCに向かって文字を打ち続け発表資料を作っていました。
それでも発表になると「○○って言ってたけど先行研究の△△は読んだのかな?」・・・読んでません。
「□□と言ってましたが◎◎ということは考えられませんか」・・・それを言っちゃおしまいよ。僕の論が全部ひっくり返っちゃう。
10数ページ書いた論文が添削で3ページに・・・。ああ、そんなにデリートキー押さないで・・・。
一切妥協なく、ゴリゴリに指導してくださる教授達。愛の鞭とはまさに。
そんな生活を送る中で、症状は一向に良くなる気配は無く、一日中胃の不調に悩まされ、食事となると動悸と脂汗・・・。発表前には動悸と吐き気がおさまらず。
もらった薬も一向に効く気配なし。その時は冗談ではなく「抗不安薬」ってなんやねん。せめて不安にちょっとでいいから抗ってくれよと思っていました。
これじゃダメだと思い、その頃少し一般的になっていたセカンドオピニオンを受けてみることにしました。
ネットの沼にハマっていた僕はその頃診断されていた「パニック障害」「うつ状態」について調べまくっていました。*みなさん、今辛いならマジで病名で症状を検索するのはやめましょう。僕は感化されて悪化の一途でした。
セカンドオピニオンを考えたのは、調べれば調べるほど、当てはまる症状もあるけど・・・なんかちょっと違うな。と感じることも多くあったことと、やはり最初の受診で「治りません」と断言された事による不信感からでした。
そこで、近所の病院を探してみると、2駅隣に「心療内科」があることがわかりました。当時は精神科と心療内科の違いは分かりませんでしたが、その時通っていたのが精神科だったので、今度は違うところにしてみようくらいの気持ちでした。
前回の失敗から、ちゃんと先に予約して受診日を決めてから受診しました。確か予約が2週間ほど先だったと思います。その時になって、同じように精神疾患で苦しんでいる人が思っているよりも多いんだなと気づいたりしました。
セカンドオピニオンで訪れた病院では、最初に質問票みたいなものを渡され、チェックを記入してからの受診となりました。
診察室に入ると女性の医師が待っていました。
ここでもこれまでの症状の経過を話しました。2回目なのでスムーズです。
医「辛かったですね」
この言葉だけで泣きそうになりました。
医「おそらく全般性不安障害という病気だと思います。そこからうつ状態も併発しています」
その後、お医者さんが全般性不安障害の症状を解説してくれました。
それはまさに僕の症状にドンピシャの内容でした。
そしてこの時、初めて全般性不安障害という診断がつきました。
ここで僕はまたしても禁断のあの質問をしてしまいます。
僕「あの・・・治りますか?」
医「はい。大丈夫ですよ。治療を続ければ6ヶ月くらいでだいぶ良くなると思います。」
やっと、僕が聞きたかった言葉が聞けました。
そこで僕はこのお医者さんを信じてみようという気持ちになれたのでした。
この時処方されたのは
「トリプタノール」と「ソラナックス」
そして
「半夏厚朴湯」でした。
この「半夏厚朴湯」との出会いが、後の僕の治療を大きく左右するのですが、それはまた別のお話。
そこから、2週間に1回予約して受診、薬をもらうという生活が始まりました。
最初の1・2回の受診でトリプタノールは増量され、一定量に落ち着いた後は、毎回同じ量をもらうという形になりました。
何はともあれセカンドオピニオンを受けた帰り道「大丈夫ですよ」の言葉を聞けたことで少し心が軽くなり、発症から3ヶ月。久しぶりに胃の調子が少しだけ、ほんの少しだけ良くなったような気がしました。
それは、真っ暗闇の中に灯った豆電球のような救いの光でした。
ちなみに、「半夏厚朴湯」を飲んで2週間。本当に久しぶりに「空腹」を感じることができました。
その時は本当に飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています。
研究室でレポートを書いて昼食時、学食に向かう道中で3ヶ月ぶりに「今日は何を食べようかな?」と考えた自分にびっくりしました。
これまでなら「何なら(気持ち悪くならず)食べられるかな」ばかり考えていた僕にとって大きな一歩です。
その後も山あり谷ありを経験した僕ですが、今はどっこい幸せに生きてます。
だからあなたも
今辛くても大丈夫。必ず良くなる。
今日のところは、ここまで。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
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