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整形外科×AI 何をするかの選び方 3つの基準(3/3)

こんにちはKazuです

整形外科×AIについて、新テーマを決める必要があり考えを整理しています

自分は3つの軸をもとに何をすべきか考えています。

その3つの軸は①レベル②臨床的意義③実現可能性です

前回は②臨床的意義についてお話しました。

本日は③実現可能性についてお話します

①まずやりたいことを決める

まずやりたいことを明確にしていきます

今まで考えてきた①AIにさせたい物事のレベル②臨床的意義の大きいことの2点から何となくこんなことが実現できたらという考えができてくると思います

例えば

①のAIにさせたいレベルに関してはレベル5 (人智を超えたもの)
②の臨床的意義に関しては必要モダリティのランクダウンを選択したとします

ここで具体的に日常診療でこんな事に困っている、こんなものがあればいいなというものを想起してみます(このアイディア作りが最も難しく、そして楽しい作業)(日常の疑念やふとしたアイディアが活きる瞬間でもあります)

例えばMRIでないと分からない不顕性骨折をAIを用いてレントゲンで診断できるようにしたい!がテーマとして選択されたとします

②どんなデータが必要か定まる

上記でテーマが決まればAIに入力する内容が自ずと決まってきます。

例えば上記の研究テーマであれば例えばこの5年間で転倒、股関節痛で受信、搬送された方の股関節正面レントゲンが必要になります(オプションとして側面像を入れたり、患者背景 年齢 身体所見など)

そしてそれに対して以下のようにラベルを付けていきます
レントゲンでわかる骨折あり…ラベル①
レントゲンで分からないがMRIで骨折あり…ラベル②
レントゲンでもMRIでも骨折なし…ラベル③

素直には上記の3クラス分類をしていく形になると思います。

③先行研究を調べる

ざっとgoogleで不顕性骨折 MRI AIなどで検索して2022年以降など区切って調べてみます

それで似たようなものがあれば、N数を確認したり、AIのモデルは何を使用しているかなどチェックします 

大体臨床系雑誌のモデルはそのまま既存のモデルを使用しただけなので、似たようなことがやられていたら、N数を増やす、モデルの新規性を出すなどの対抗策が必要です


④データ収集の労力を概算してみる

先行研究や、今までの経験をもとに具体的に必要なデータ数を見込んでみます
そしてデータ収集にどの程度の労力が必要か考えてみます

この辺は仮説で適当に考えてみます

自分の病院や関連病院の御協力を仰いで具体的にデータを集めることを想像してみます。

ラベル1はありふれているので集めやすそう
ラベル2と3はMRIまで撮るものはかなり限られそう 
大腿骨近位部骨折疑いで搬送されてMRIまで撮るのは5%くらい?
1ヶ月に10例程度大腿骨近位部骨折の手術をする施設なら1ヶ月に1症例あるかないか
そのうち②、③だと③はほぼなさそう?
そうなると数を集めるのは厳しそう?
できれば①②③ともバランスよく集めたい

労力に関しては施設側が協力的かどうかでもかなり変わってくると思います。

自施設が協力的でレントゲンのDICOMデータをIDを教えればCD等に焼いてくれるような状況ならばDICOMデータを手に入れる労力はかなり減ります。

自分自身でデータを引き出さないといけなくなると相当に大変です。

個人的な経験ですが個人レベルでデータを引き出して集めていくのはせいぜい数百例が限界です。

数百例でも数ヶ月は要する印象です

そして最低限必要なデータ数は最も知りたいことだと思いますが、正直言ってやってみないと分からないのが現状です。

ただし各クラス100例程度はあれば嬉しいかと思います。

周囲の関連病院にも協力を仰げるような権力者がバックアップして貰えれば関連病院のデータも収集できるかもしれないなど考えていきます

総合的にデータが各クラス100例程度集めるのに1ヶ月くらいかかりそうなど目処を付けていきます

先行研究で10000例とかあれば、まず個人レベルでは太刀打ちできません。
モデルで新規性を出したり、インプットの仕方を工夫したり(身体所見を盛り込むなど)工夫が必要です。
10000例とかの膨大なデータ構築には国家レベルの武力が必要になります。

⑤着手するか決める

④までの工程を行うと実現不可能だと思うことになると思います。

大体はそんなものです。

データセット構築が最も大変で難しい難所です。

またデータセットを構築できても不顕性骨折の覚知のような難しいタスクはできない可能性が高いです。

前述の通り国家レベルの武力を用いて号令を出して日本中からデータを集めて実装すればそのようなものもできるかもしれないなという感じです。

基本的には人間に難しいことはAIにも難しいです。

例えば数十例ずつ数日で集めて、トイデータを構築して試運転で何らかモデルを動かしてやってみるのはアリです

それで行けそうなら本格着手して、上司も巻き込んで関連病院の応援を頼んだりしやすくなります。

本気で思い浮かんだアイディアが捨てきれないならば、個人レベルでデータを集めていくのは限界があるのでトイデータでプロトタイプを作って、行けそうと思わせて周囲の協力を仰ぐのがいいかと思います。

それかきっぱり諦めて、別のアイディアを考えるのがいいかもしれません。

この時に重要なのは、医学ではまだ開拓されてないけど、情報系では簡単にされているような物事を導入できれば新規性があり勝ちやすいということです。

そこで大事なのはやはり日常から何かできないかとアイディアの種を持っておいて、幅広く情報収集してアナロジーの視点でうまく組み合わせられないかと考えておくことです。

まとめ

何をしたいか決める
関連研究を調査し必要なデータ数、労力に思いを馳せる
あまりにきつそうであればやめる
やってみたくなったら数十例くらいの小さいデータセットを作ってプロトタイプを実装してみる 


以上です
目を通して頂いてありがとうございます。





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