整形外科×AI 何をするかの選び方 3つの基準(2/3)

こんにちはKazuです

整形外科×AIについて、新テーマを決める必要があり考えを整理しています

自分は3つの軸をもとに何をすべきか考えています。

その3つの軸は①レベル②臨床的意義③実現可能性です

前回はレベルについてお話しました。

本日は②臨床的意義についてお話します

臨床的意義とは?

まず臨床的意義という言葉について定義しておきます

自分なりの解釈では患者さん、もしくは医療者側にメリットがあることと定義しています。

何かを研究するということは詰まるところ現場で患者さん、医療者が困っていること、できたらいいなという事を実現しようという営みだと思います。

この困っていることや、できたらいいなと思う事を実現させることが臨床的意義だと考えています。

AI研究で果たされる臨床的意義とは?

ではAI研究で果たされる臨床的意義には具体的にはどのようなものがあるでしょうか?

個人的には大部分の臨床的意義(AIにさせたいこと)は以下のようなカテゴリに落とし込めるのではないかと考えています

  • 医療者側がしなければならない煩雑な処理を代替(レントゲンのパラメーター測定など)

  • 人力では困難な膨大な処理解析を行い新しい知見(何万枚ものレントゲンパラメーターを読影、膝HKAを解析しHKAと股関節OAとの相関をみる)

  • スクリーニング(骨折の有無の判定など)

  • 疾患のgrade分類、治療法の提言(大腿骨頚部骨折gradingなど)

  • 予後予測(ある骨腫瘍の5年生存率を予測 頚髄症のMRIから予後予測 適切な時期の手術の提言)

  • 新しい予後予測因子、バイオマーカーの提言(レントゲン画像からある疾患Aらしさを表す新しい数値を生成、予後予測因子として再現性客観性をもってどこでも使える指標に)

  • 必要なモダリティのランクダウン、新しいモダリティの作成(MRI、CTでないと分からない事をレントゲンでわかるようにする 組織診しないと分からない腫瘍の良悪性の鑑別をMRIで行う)

新規参入者が狙うべき臨床的意義は?

私のような後発組が狙うべき臨床的意義は予後予測、新しい予後予測因子の提唱、必要モダリティのランクダウン、新しいモダリティの作成だと考えます。

前半部の機械的作業の代替や、骨折の有無など素直なテーマは誰もが取り組みやすく、狩り尽くされている印象です。

ここで新規性を出すのはハードルが高くなります。
具体的にはAIの学習で新規性を出すこと(理学部寄りの理論的研究になる)、圧倒的にn数を増やすこと、AIのインプットとアウトプットに一工夫加えること(インプットをレントゲンとCTにしたりなど)が挙げられます。

なのでここで勝負するよりは予後予測や必要モダリティのランクダウン、新しいモダリティ作成のフィールドで勝負したほうがいいかと思います。

このフィールドは難易度が高い分、ライバルも少ない印象です。
ベストなのは理学部分野で普通にできていることを(水彩画をゴッホ風にGANというものを使って画風変更)整形外科であったらいいなと思うものに適用することです(CT→MRIにモダリティ変更など)

まとめ

新規参入者が狙うべきはAIに予後予測、新しい予後予測因子の提唱、必要モダリティのランクダウン、新しいモダリティの作成をさせること

そのためには日頃からなにか応用できないか、困っていることは無いか、あったらいいなと思うものをストックしておくことだと思います。

常日頃からすべての事を自分事として対応することでアイディアの芽がつかめるのではないかと思います(自戒を込めて)




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