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AI研究の意義、新規性、面白さを規定する3つの要因

こんにちはKazuです

整形外科×AIの研究を今後も続けていくことになり、新テーマが何となく決まりました。

新テーマ決めにあたりAI研究を俯瞰する必要があり、たくさんサーベイしていました。

この過程の中でこの3つに切り分けて考えればAI研究の意義、新規性、面白さが規定されるというものがまとまったのでご紹介致します。

その3つは①Inputは何か?②用いているAIは何か?③Outputは何か?です

3要素を図示すると以下のようになります

Input、AI、ouputの3要素

順に説明していきます。

①Inputは何か?

これは何をAIに入力するかになります。

例えば医療系AI論文においてよくある入力は検査コストの低い順に以下のようになります

写真、動画
医師の取る身体所見
採血データ
レントゲン
CT、MRI

ここで新規性、面白さを出すなら
圧倒的n数
希少疾患
入力を組み合わせる(マルチモーダル)
レントゲンやCTでないと分からないことを写真や動画で判断
といった感じです

②用いているAIは何か?

これはどんなAIモデルを使用しているかになります。
臨床系雑誌では広く頒布されているモデルをただそのまま使用しただけのことが多いです。

ここで新規性面白さを出すことを対象としているのは理学、情報系の雑誌、カンファレンスになります

これらの雑誌、学会ではただそのまま既存のモデルを突っ込んだだけでは話になりません。

ここで新規性、意義を出すには
新しい学習理論、概念を盛り込んだり、
医師の工夫(レントゲンを読影する際に左右比較をするなど)を盛り込んだモデルを再現して分類精度を向上

といった感じになります

③Outputは何か?

これはAIに何をさせるか?になります。

我々医師がAIにさせたい事柄として大きく以下の7つに分かれます。
(かなり個人的意見です)

①分類:骨折の有無、grade判断など
②回帰:細かい数値を予測(胸部レントゲンから骨密度を予測など)
③自動パラメーター測定:(股関節レントゲンからCE角を自動測定など)
④病変検出:骨折の有無に加えて骨折している箇所がどこか検出させるなど
⑤Outcome予測:THA術後1年での患者満足度予測、脱臼予測など
⑥画像生成:レントゲンからCTの作成など
⑦新しい検査モダリティの提案:スマホの写真で病気鑑別など(今はない新しい検査を提唱)

上記のうち①~④は素直な題材なのでかなり飽和してきている印象です。

ここで新規性、意義を出すには⑤~⑦に狙いを定めることです。

⑥でInstant Nerfとかでレントゲンから3次元構築ができないかと思っていますが難しそうですね。

ここでいいアイディアを生み出す(何をさせるか)ことが重要だと考えています。

何をさせるかが決まれば自ずと入力も決まり、使いたいAIも決まります。

まとめ

Input、AI、Outputの切り口で見てみると、今数多出ているAI系の論文はそのほとんどが手を変え品を変えて似たようなことしかしていないと分かるかと思います。

やはりOutputで何をさせたいかのアイディア勝負で、盲点的発想で、データ数が少なくても、既存のモデルでインパクトのある研究ができるのが最も強いと思います。

そのような発想が得られるよう日常診療での疑問、困った事(必要は発明の母)を大事にしていきたいと思います。

目を通して頂いてありがとうございました。



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