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8ヵ月間海外を旅して感じた”日本”のこと

 僕は2023年にアメリカのロングトレイルPCT、スペインのカミーノ巡礼フランス人の道を歩いた。観光や寄り道も含めて約8ヶ月もの間、日本から遥か遠い異国の地に身を置いていた。

今までの人生において、こんなにも長い間海外にいたことはなかった。
しかも、ただの旅行ではなく、田舎町を繋ぎながら、自然の中を自分の足で歩くスタイルの旅。

ワシントン州のGoatRocksあたりの風景
リサプライで立ち寄った"SierraCity"と言うには小さすぎる田舎町の唯一のホテル
ちなみに一泊70ドル

旅の中で色々と感じることはあったが、以外にも僕は自分の生まれ育った日本の成り立ちや文化、日本経済の仕組みや政治、そんなことを知りたいと思った。これは海外に長期滞在したことのある人あるあるなのだろうか?自分でも以外な所に興味が沸いたことに驚いた。

スウェーデンかノルウェーから来たおじいちゃんハイカー
でっかい椅子を持ってきていて自分のペースでゆっくり歩いていた。

そんなことを思うようになったのは、他のハイカーや、TrailAngelと話をしている時で「お前日本人か!」「日本大好きだぜ!」「日本の○○行ったことあるよ!」「日本の○○が大好きだ!」と日本を絶賛しながら話してくれる。

山火事でクローズしたOragonの一部を一緒にスキップしたメンバーと
その後のTimberline Logeで偶然再会した時の写真

こちらとしても話を広げたいので知っている色々な日本の地域の文化や食べ物について、そんなことを話そうとしようとしたけれど、うまく伝えられなかったり、話題が知らないことなどで意外と話が広がらなかったり、自分は思ってたよりも日本のこと話せないんだなと思った。(英語はペラペラではないので片言で必死に伝えた)

日本のおすすめのトレイルや日本食についてとか話してた気がする。
熊野古道とかお遍路をすすめておいた。すき焼きを教えると生卵につけて食べることに驚いてた。

異国の地で日本の話をすると、あたかも自分が日本人代表にでもなったかのような感覚になる。普通観光では訪れないような街や場所、日本人のほぼいない環境に長期間いたからこそ感じることができたのかもしれない。

初めての海外で長期滞在を経験し、その国側からの目線で日本を見た感覚が不思議なくらいに新鮮で、逆に自分の生まれ育った国に興味を持つようになった。

 また、この旅を通じて愛国心にも違いがあると感じた。PCTを歩いている時一般の利用者も使うようなキャンプ場を何度か利用したことがある。一般のお客さんで、何の記念日でもないのにアメリカ国旗を掲げている人をよく見かけた。キャンプ場で掲げるなど日本じゃありえないなと思ってしまった。

基本的にドでかキャンピングカーを
ピックアップトラックで引いてくるスタイル

田舎のじいちゃんちで、祝日に日本国旗が掲げられていたり、学校で上がっているのは見たことはあるが、街中で国旗を見ることはあまりないと思う。国旗を掲げることが全てではないが、アメリカで見たその光景は、僕からするととても愛国心の強い人がいる国なんだなと感じさせられた。

ただ、それも全員じゃないと思うし大きい街に出れば、ホームレスだらけだし、ひどい格差社会で改めて日本は恵まれてると感じた。

ニューヨークのとある公園でやっていたストリートライブ

正直なところ、旅する前までは自分に日本に対する愛国心的な感情はなかった。日本が特別好きだという感情も、日本が一番良いという感情もなかったし。むしろ、出国前の自分はSNSやネットに流れる情報にうんざりして、ネガティブな印象を強く持っていた。そんな自分の中の印象とは裏腹に、海外に行けば日本を称賛する意見のほうが多かった気がする。僕はどこかそのギャップに対してモヤモヤしたことを覚えている。

帰国してきてから、日本の歴史や、政治のこと、関連して民主主義や資本主義とかの少し小難しい本を読んだ。全てを正確に理解できたわけではないけれど、なんとなく、自分が生きている世界の仕組みがどうゆう状態なのか分かった気がする。

それが知れたことで、知らずになんとなく今を生きていた前よりかは、日々を少しだけ大切にできるようになったと思う。また、この気づきをこれからももっと深めたいと思うし、関連して色々なことに興味関心を持っていけたらと思う。










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