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こんにちは。英会話スクール「ミライズ英会話」を日本と台湾で、語学学校「ミライズ留学」をフィリピンセブ島で展開しているミライズ株式会社のカズと申します。初のNote投稿なのでやさしい気持ちでご覧いただければ。


コロナがあったからこそ踏み切れたビジネスモデルの変革をドキュメンタリー調で振り返ってみました。

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「今のビジネスモデルでは生き残れない。」

去年の4月。
緊急事態宣言が発令される中、通学型の英会話スクールの新規お客様の足がぱったり止まった時のことだった。終日に渡る緊急会議の終わりで、この結論に辿り着いた時なぜか安堵している自分がいた。

Better, but not the best.

2016年に日本に英会話スクールを渋谷に開講してから、多くの生徒に利用してもらい、去年のコロナ前には9店舗を展開するまでになった。

その原動力となったのは英会話講師のクオリティ。どの英会話スクールよりも、手間と時間とコストを掛けて育て上げ、フィリピンから日本に連れてくる独自の仕組みは、多くの生徒の英語力の貢献してきた自信があった。

しかし、その自信が慢心になっていたのかもしれない。


「あれ、おかしいな…」

お客様や店舗が拡大すればするほどスタッフの雑務が急激に増え、その対応に終われる日々。本来目指していた姿から遠ざかっていく現実に悪戦苦闘する自分。

売上は順調に増え利益は伸びていくけど、何か微妙に歯車が噛み合っていなかった。

原因はうっすらと分かっていた。

生徒の英語力をあげていく仕組みは用意していたが、多くの生徒を対応するオペレーションの仕組みが弱かった。

これに気づきながらも、会社を成長させたい気持ちが先走ってしまい、十分な仕組み化の議論を行わないまま拡大。その結果、スタッフ達の毎日は非効率な雑務に忙殺され、本来やらなければならない業務を置き去りにしてしまっていた。

次第にバケツに空いた穴が大きくなっていったが、それを補っていく以上に増える新規生徒により、事態は常に過小評価されてきた。

オペレーションは回り続ける。まるで停止スイッチが壊れた洗濯機のようにガタガタと音を立てながら。それを無理にでも止めてオーバーホールする勇気と、変えられる自信がなかったのかもしれない。

無理に変えなくても生徒は増える。表面上はきれいな上昇曲線を描きながら。

そこにコロナがやってきた。

What the Corona Brought

飲食業や宿泊業、旅行業ばかりが注目されるが、通学型を主とする英会話スクールの業界も、そのほとんどが大打撃を受け、回復スピードも遅い。

幸いにして、直撃は避けられたが、これまでは新規生徒が麻薬のように患部の痛みを和らいでくれていた状況だったから、その効き目が切れた時の痛みは小さくなかった。

この時点ではコロナが短期的なものか長期的に続くものなのかは誰にもわからなかったが、その状況において2つの選択肢に迫られることに。

選択肢①:
(表面上の事業はうまくいっていたので)今のまま嵐が過ぎ去るのを待つ
選択肢②:
今のモデルを捨ててWITHコロナを見据えた事業にモデルチェンジする

変えずに待つのか、変えるのか。

で、冒頭の会議。
結果的に②を選択したけど、これはとても難しい判断だった。不確定な状況の中で、これまでの歴史や積み上げを否定する意思決定ほど苦渋のものはない。

だけども、この意思決定に「ホッとした」と表現したのは、いつか変えなければならないと思っていた未来が、変えなければ生き残れない現実に変わったからだと思う。

このタイミングで変わらなければ、未来はない。
変わることに全身全霊で取り組もうと役員全員で決意した。

皮肉にも、ぼくたちはコロナに苦しめられながら、一方で進むべき道を後押ししてもらったのかもしれない。

Update everything.

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意思決定してからのスピードは早かった。

やるべきタスクは山のようにあったけど、まず真っ先にやるべきは、全スタッフが生徒を向いて仕事ができる環境づくりから。

そこで最初に手をつけたのが、サービスのサブスクリプション化

これまで一括売り切りが中心だったために、購入時点に力点を置く構造から、購入後にしっかりと学習サポートして継続してもらうことに力点を置く構造を目指すためのサブスク化。

生徒はサービスが悪ければいつでも解約できるから安心だし、ミライズは長く続けていただく為にサポートを頑張る。ウィンウィンの関係。

入学金も廃止。
最低継続期間の縛りも廃止。
オンライン授業の受け放題も全てのプランにデフォルトで付けた。

英会話スクール業界の常識から言えば、クレイジーな判断だと思うけど、今後の世界はクレイジーなサービス以外は全て淘汰されるのではないかと真剣に思ってる

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これに合わせて、SaaS企業ばりのカスタマーサクセスチームも編成。入会からオンボーディングまでの期間を手厚くサポートしていくために社内の優秀な人材をこのチームに集結させた。

これらを実現するためのCRMやRPAなど、デジタルツールを全てのプロセスにおいて導入し、これまで煩雑化していた手作業の大半をデジタルベースで自動化。

その導入過程ではお世話になっているコンサルの方からも、

よく、この規模になるまで手作業で管理していましたね、逆にすごい。(笑)

と、最上級の皮肉もいただきました。あざす。

でもね、あまりデジタルが浸透していない業界でこれを実現するのは本当に大変。実に骨の折れる作業でした。

そのほかにも、学習管理アプリ「NoteE」も自社開発し、運用がスタート。
*こちらは長くなるので、別の記事で今度書こうと思います。

4月からスタートして実に半年がかり。
ようやくアップデート第一弾が完了して10月から新しい船出となりました。

Finally, the starting line.

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引き続きコロナの影響を強く受ける渦中にあるけど、オンラインを中心としたサービスへ大きく舵を切ったことが功を奏して、4月以降減少傾向が続いていた在籍生徒数も10月から増加に転じ、生徒の継続率も3%近く上昇するなど、良い傾向に。

何よりスタッフのモチベーションが変化していったのが嬉しかった。

もともと英語学習に対して強い思いがあるスタッフが多いので、これまで雑務に追われていた時間の多くが生徒のことを考える時間に変わったのがおおきかった。

そしてどんな時でも、必死で最高の授業を提供し続けてくれたスーパー講師陣にも頭が上がらない。緊急事態宣言下にあって校舎をクローズした際にも、生徒の解約がほとんど出なかったのは、「オンラインでもいいから、ミライズの先生から授業を受け続けたい!」と言っていただける熱狂的なファン(生徒)の支持があったからに他ならない。

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いまのところ、あの時の選択肢は間違っていなかったと言える。
ずっと嵐が過ぎ去るのを待っていたら、一体どうなっていたのだろう...

かなり遠回りしたけど、ぼくらが1ミリの違和感を抱くことなく、自信を持ってご案内できるサービスに少しずつなってきた。

さあ、2021年。
最悪を経験した会社は強い。
本番はこれからだ。

オーバーホールを終えた洗濯機が、たくさんの洗濯物を詰めて再び動き出した。
コロナ前と比べれば、まだ回転スピードは遅いけど今はこれでいい。今後ながーく稼働してもらうために、じっくりじっくり回転数を上げていく。

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というわけで

この記事をきれいに締めたかったけども、緊急事態宣言が再度発令されたので、まだストーリーには続編がありそうです。。

前回の緊急事態宣言時にはただ立ち尽くすしかなかったけど、今回は完全オンライン対応サービスを2つ(英語コーチングプラン/オンライン使い放題プラン)も準備しているので、ステイホーム需要にもしっかり対応してけそうです。
(昨日に1日の問い合わせ件数の最高記録を更新しました!)

もう横道に逸れることなく、最高の顧客体験を作っていくぼくたちの今後にどうぞご期待あれ!


最後まで読んでいただきありがとうございます


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