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一日の始まり

前任校のおたよりに綴った、朝のできごとです。私は、登校の見守りをしていました。

「先生、あと一人いるよ。」
と、その子は私に声をかけて昇降口の方へ向かいました。

ある朝のことです。

体育館近くの入り口に立っていると、あとどれくらいの班や子どもがいるのか、プールが陰になっているのでよくわからないのです。

学校に着く時間帯は、だいたい決まっているので、「この班が来たらおしまいだな。」と推測はしますが、定かではありません。

「最後の子が通り過ぎるまで、待っているんだよ。」
と伝えたことはないのですが…。
その一言、すごくあたたかい気持ちになりました。

私の考えていることを察してくれたのです。
何気ない一言だったかもしれませんが、相手を想うその気持ちに、ほっこりとしました。

そんなことばを、届けられる人でいたいですね。

素敵な一日の始まりになりました。

【2023年7月4日 初出】

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