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ENG02 主語を意識する

英語を学ぶ時、あるいは使う時、どうしても母国語である日本語に頼ってしまうことがないだろうか? 文章を読むときに、一文一文和訳しながら理解しようとしたり、話すことや書くことをまず日本語で組み立てて、それから英語に訳そうとしたり。でも、英語と日本語では文の構造が違うし、単語が1対1で対応するわけでもないし、それに言い回しも違うので、このやり方だと、どうしても苦労してしまう。

とは言え、日本語を介在させずに英語を使うのは、理想的だけど相当難易度が高い。取り組みやすい英語上達の最初の一歩としては、まずは主語を意識することなんじゃないかと思う。英語はいくつかの例外を除けば主語と動詞が文の中に必ず含まれるのに対して、日本語では主語を明示しないことが多い。僕が英語を教えるんだったら、その違いを理解させることから始めたい。

例えば、「これ、コピーしてくれる?」という頼み事、オフィスでありそうな会話だけど、主語は何だろう。「これ」が何かの書類を指していて、それが主語かな。いいえ。主語がないことに気づかれただろうか。こういう例はいっぱいある。「来週の月曜、小テストやるから、ちゃんと勉強するんだぞ」という先生の言葉。主語は何だろう。カフェやレストランでの「ご注文はお決まりですか」という定型の問いかけ。主語が省略されいるけれど、日本語として成り立つ。

「これ、コピーしてくれる」を英語で言おうとすると、まずは主語を補って文を英語風にしないといけない。そうすると、「あなたは、この書類をコピーしてくれますか。」が一般的だろうか。場合によっては「私は、あなたがこの書類をコピーしてくれたら、助かるんだけど」ということかもしれない。少なくとも2通りの主語が考えられる。
"Can you make a copy of this document?"
"I'm helped if you photocopy this document."

日本語だと、文脈から分かる時は主語は省略される。多分それで、普段は主語を意識しないことが多いんじゃないかな。英語だとそうはいかない。まずは主語を決めて、次に動詞を選ばないと文の骨格が出来ないから。

僕が30数年前に使った中学の英語の教科書は、"I am …" "This is a pen." "This is an apple."で始まっていた。今どきの教科書は違うかもしれないけれど。僕だったら、次の文の主語はどれでしょう、とか、次の日本文に主語を補って書き換えましょう、から始めるかも。ちょっと変か。

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