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赤チン世代。

「アカチン?なんですか、それ?」

飲み会の場で孤立した。周りを見れば30代が中心。昭和の代表?として参加した場での昔話。子どもの頃、ケガをすると「赤チン塗ってたよな」が通じなかった。そこで、記憶を遡って知ってることを話す。「もともとヨーチンという消毒液があったんだけど、これを傷口に塗られると、ひぃーっというぐらいしみるんだ。で、消毒もできて、しみないのが赤チン。傷口に塗るんだけど、もう真っ赤かで、小さな傷でも広く塗るもんだから、どんな大ケガなんだと思ってしまう…」

周りがキョトンとしてる。

そうか…赤チン…知らない世代がいっぱいなんだ。

小学生、グランドでこけて、膝小僧をすりむく。保健室に行く。保健の先生がピンセットに挟んだ綿に赤チンを染み込ませる。傷口に赤い綿が近づいてくる。

ペタ ペタ ペタ…

傷口に触れられる怖さ。

ひぃーー

膝小僧に日の丸だ。誰が見てもケガしたんだとわかる印。保健室から教室に帰っていく。目立つ赤色。大丈夫かと友だちが心配してくれる。

『ボクはケガをした。だけど、泣かないし、わめかない。これぐらいどっーてことない』と笑顔で答える。

赤チンは勲章だったんだ。

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