不思議な話12 「不思議な話11の続き」
不思議な話11の話しには、続きがあります。
搬送前に何度も、施設に戻ってきたいとおっしゃっていましたが、戻ることなく病院で永眠されました。
というところまでは、11でお伝えしました。
その後ですが、そのご利用者の居室は個室でした。
その方の退所後は、主にショートステイで利用していました。
まず、夜になると頻繁にショートステイのご利用者より「車椅子のおばあさんが、ずっと部屋にいるから、でていってもらって。黒い服の黒い帽子の小さいおばあさんやねん。」と、ナースコールがありました。
訪室してもいません。
「あんたがきたら、どっかいきはったわ。おおきに。」と、言われます。
この黒い服の黒い帽子の車椅子のおばあさんは、他の方も目撃されていました。
搬送されたご利用者が、そのまんまの方でした。
ご利用者のなかには、その方が帰ってきたと思っている人もおられました。
その部屋を利用した先述の方は、元気な認知症もない方だったんですが、利用を重ねるごとに認知症の周辺症状のようなものもでてきて、利用開始の頃とは随分面変わりしてしまいました。
その後も、その部屋に入所された女性は、急激に体調が悪くなり入院になっていました。
男性はすぐに特養などの他施設が決まり、退所されるなど老健とはいえ、かなり短期間で部屋をでていかれます。
まだ、ここに入所してるのかな?等と職員が話しをしているときに、施設のタオルの中から、そのご利用者のタオルが出てきました。
ご家族に連絡して返却しに伺う旨を伝え謝罪すると、ご寄付いただくことになるというやり取りがありました。
不思議なんですけど、その後は黒い服のおばあさんを見る人はなくなり、お部屋の方の体調が悪くなることもなくなりました。
偶然かも知れませんが、戻りたい思いと、私物が残っていたために、施設に止めてしまっていたのかも知れませんね。
自分の部屋が知らない人に使われて、誰も自分に気がついてくれないなんて、辛い思いをさせてしまったと思うと、怖いというよりは申し訳ない気持ちでいっぱいの出来事でした。
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