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世界から見た日本の現在


現在の為替事情

現在の為替事情では、日本人にとって海外旅行はかつてほど手頃な費用では済まなくなっています。

円安の影響で、特に東南アジアや中南米諸国での旅費が高くなっています。一方で、ロシアや中国などの一部の国では依然として円高が維持されており、比較的安価な旅行が可能です。



各国それぞれの立場

しかしこの状況は、各国の立場からすれば必ずしも望ましいものではありません。

旅行業界にとっての最大の収入源は外国人観光客ですから、為替が自国通貨高くなれば価格競争力が失われ、観光収入が落ち込む恐れがあります。


タイやフィリピンなどの東南アジア諸国はこの点で打撃を受けています。

過去10年間で為替が3倍近く円安に振れたことで、日本人観光客の減少が避けられない状況にあります。

一時は爆買いで一部を補えましたが、長期的には収支改善は望めません。こうした国々では円安解消を願う声が高まっています。



一方の円高ロシアでは、国内的には物価高で国民の購買力が低下する恐れがありますが、外国人観光客の獲得という点では有利に働きます。

しかし一部産業では為替の問題はなく、むしろエネルギー価格の下落や西側諸国の経済制裁によって深刻な影響を受けています。

観光産業優遇にも限界があり、円高一辺倒にはなれません。


同様の事情は中国にも当てはまります。
一般国民は輸入品価格の高止まりから生活が圧迫されかねず、政府は為替操作で人民元高を抑えています。しかし一方で、外国人観光客の受け入れ環境は悪化せずに済んでいます。

全体としては内外の事情を勘案し、微妙な通貨価値の調整を迫られています。

このように為替事情は一国の観光業にも大きな影響を及ぼします。
各国とも景気対策や経済事情を踏まえ、観光業界への配慮を交えつつ、適正な通貨価値の維持を求められています。

単なる外貨獲得だけでなく、国内経済への影響度合いも考慮に入れる必要があるのです。

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