うつ病の僕たちが幸せになるポイントは、ストレスの無い生活環境を作ること!


結論からいうと、
「うつ病の僕たちは、自分に適した環境に身を置くことで、大きな幸福を手に入れることができる遺伝子を持っている。だから、ストレスの無い生活環境を作ることに注目することが大切」
という話です。


橘玲さんの『幸福の資本論』に、「うつ病は日本の風土病なのか」、という章があります。日本人の幸福度は遺伝子レベルで欧米人と生得的に違う、という話です。


うつ病の原因のひとつに、セロトニンの分泌不足があります。
セロトニンは、幸せホルモンと言われ、脳内で精神を安定させる役割のある物質です。

資料はこちらからダウンロード↓


脳内で生成されたセロトニンは、バランスを取るためにニューロンという部分から取り込まれて分解されます。

うつ病患者は、脳内物質のバランスが崩れてセロトニンが不足している、考えられています。

そこで、セロトニンがニューロンに取り込まれないよう蓋をして、脳内のセロトニン濃度があげる、というのが抗うつ薬として世界でもっとも使われている、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)です。

さて、日本人はうつ病になりやすい性格「メランコリー親和型」を持っている、と言われてきました。メランコリック気質とは、真面目、几帳面、責任感が強い、周囲の目を気にする、人間関係のトラブルを嫌うといった性質で、典型的な日本人の気質です。

なぜ、日本人の性格が、メランコリー親和型なのか?という疑問に対する回答が、日本人は遺伝的に脳内のセロトニンが少ないからだ、とうのが現代の脳科学からの回答です。


セロトニンを運搬する遺伝子(セロトニントランスポーター)には、S型とL型があります。

S型 セロトニン運搬能力が低い
L型 セロトニン運搬能力が高い

この遺伝子の組み合わせで
SS型
SL型
LL型
の3つの遺伝子の型が決まります。


ポジティブな画像とネガティブな画像を同時に見せたときの反応では、
L型    ポジティブな画像に目が行く
S型、SL型 ネガティブな画像に目が行く

ということで、LL型は、何事にも前向きな、ポジティブな性格で、SS型やSL型は、物事の暗い側面に目が行きやすい、びくびくして不安に怯えるネガティブな性格であることを示しています。

LL型はアフリカ人に最も多く、ついで白人、アジア系と少なくなります。
日本人は、S型保有率が欧米人に比べ5割高く、97%がSS型もしくはSL型、LL型は3%と世界で最も少ない比率だそうです。


ただし、遺伝子の型だけではうつ病にはなりません。うつ病になる原因は、「経験したストレス」にあります。
過去に大きなストレスを4つ以上経験した場合、S型、SL型では43%がうつ病になるのに対して、LL型はその半分程度となっています。

L型遺伝子が先にあり(=アフリカに多い)その後S型が誕生した(欧米→アジアとS型が増える)と考えられています。

そうすると、ヒトは進化の過程において、うつ病になりやすいように進化したのか?という疑問が生じます。

実は、楽観的傾向はSS型が最も高く、LL型は低いということが実験でわかりました。

この原因を調べてみたところ、SS型は、恐怖を感じさせるネガティブな画像を素早く探し当てるが、ポジティブな画像を素早く探し当てることもできる。つまり、良い環境、悪い環境どちらにも敏感に反応しやすいという気質があることがわかりました。

この気質は、悪いことが起きた時は不利に働きますが、良いことが起きたときには非常に大きな利益をもたらすことができます。

ストレスに強く、楽観的な性格に見えたLL型は鈍感なだけだった、ということです。

うつ病気質の人は、虐待を受けたり周りから支援を受けられなかった時は深刻な負の影響を受けるますが、素晴らしい環境に恵まれればそこから大きな利益を引き出すことができるので。

常に他者の目を気にしなければ生きていけない日本人
でも、自分に適した環境に身を置くことで、大きな幸福を手に入れることができます。
わかりやすくいうなら、ストレスの無い環境を設計できれば、私達は楽天的と言われるラテン系やアフリカ系のひとたちより、さらに楽天的になれる、ということです。

そのためには、日本人の遺伝的特徴を前提として自分の人生を設計しなくてはなりません。橘さんは、「人間関係を選択できるフリーエージェント戦略が重要になります」と言っています。

そうは言っても、ストレスの無い生活環境なんて作れない、というかもしれません。


でも、自分の命がかかっていると思えば、自分の一生がかかっていると思えばどうでしょうか?


人間関係もお金も変なプライドも、命より大切なものはありません。
変なプライドっていうのは他人の目を気にして、今の会社にいなくちゃいけない、とかそういうことです。


うつ病は、命に関わる病気だから、ストレスの無い生活環境をつくれるようう一緒に考えてみませんか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?