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〈読書〉ほんとうの私を求めて

遠藤周作は、私が子どもの頃には、既に大御所の作家で、その著作は自分には敷居が高いと感じていました。

教科書や模擬試験や入試問題で、遠藤周作の文章には出会っているかもしれませんが、私にとっては、距離を感じる作家の一人でした。

また、キリスト教に詳しくないので、遠藤周作の小説を読んでも、理解ができないような気もしていて、自分から進んで遠藤周作の作品を読んだ記憶はありません。

しかし、先日書店で、遠藤周作のエッセイ集『ほんとうの私を求めて』をみかけて、エッセイなら私にも理解できるかもしれないと思い、購入して読むことにしました。

・ほんとうの私を求めて  著者:遠藤周作

遠藤周作は私よりかなり上の世代なのに、現代にも通じる内容のエッセイを書いています。

男女の考え方の違いとか、人は色々な顔を持っているとか、抑圧されている感情にははけ口が必要だとか、考えさせられることがたくさん書かれています。

人生の選択権は自分自身にあると思いますが、人生の歩き方に戸惑う時は、人生の先輩である年長者の話を聞きたいと思う時があります。

ほんとうの私をもとめて』は、その様な気持ちに応えてくれる内容でした。

また、本の後半では、交流のあった作家たちや遠藤周作の家族が登場します。
有名な作家たちも、家族たちも、このエッセイでは、ことごとく、けなされています。
しかし、その文章には、身近な人への愛情が感じられます。
さまざまな人と親しく交流する著者の人柄が偲ばれます。


著者が、温かく語りかけてくるようなエッセイ集です。
難解な言葉が苦手な方にも読みやすい文章ですよ。



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

私K.Kからのごあいさつです↓↓↓





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