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忘備録(106)『アリラン物語』第1話

◆この記事の内容:

なぜか「韓国アカスリ店」を手伝うことになった実話を書いています。

(注意)内容は18歳以上向けです。


前回の記事『【私の仕事】 忘備録(105)メンズエステの中国人ママさんとGOTOトラベル 』から久しぶりの投稿です。

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マイナスのときはマイナスを掛ける

どうせコロナ不況なんだから逆のことをやってみた結果、予想通り仕事が忙しくなった。ほんと不思議。それと、同じように考える人が自分に集まってきて、異業種の方々とのネットワークも広がった。

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このネットワークは自分と同じ考え方の人たち。コロナで大変なことになっているこの時期を狙って、飲食店を新規にオープンする人もいる。コロナに負けるどころか、「転んでもタダでは起きない」タイプばかり。

とにかく人と逆のことをする人たちばかり。一般の人からみれは無謀な人たちです。

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そんな中でも、無謀すぎる人の話をします。

「アリラン物語」

僕はひょんなことから韓国アカスリ店「アリラン」を無償で手伝うことになった。

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コロナ大流行の時期、この手のアカスリ店、中国エステはどんどんつぶれています。それなのに、僕の友達で、今、お金をつぎ込んで新しく店をオープンする韓国系中国人のママさんがいます。

「アリラン物語」第一話の始まりです。


「突然のライン」


僕の仕事のやり取りはラインかWechat。一日に何十件のメールが届く。その中で、ずいぶん久しぶりの人からラインでメッセージが来た。

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ん!誰だったかな?と思ったら、なんと、あの中国メンズエステ「S」店のママさんではないか!

詳しくは下記の記事「忘備録(93)」をご参照ください。

必ずトラブルを起こすママ

このママはトラブルメーカーだ。

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このママは、僕に日本橋の韓国アカスリの店長Kちゃんを紹介してくれた。その後、このママは自分の店を売却してので暇になり、Kちゃんの店に手伝いにきた。なんかそれが原因で僕とKちゃんとなんかうまくいかなくなった。

別にKちゃんと付き合っていたわけではないけど、変な感じになって、ケンカして別れてしまった。

詳しくは下記の記事「忘備録(90)」をご参照ください。

もう思い出したくもなかった。この頃は、世の中でコロナがどんどんひどくなって、自分の仕事も減っていた。その分、時間ができたので、台湾人のママさんと旅行したりして遊んでいた。

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しかしまあ、S店のママ、よく僕にラインなんかしてきたな!という感じ。もう半年以上、音沙汰なかった。正直なところ、このママさんのことを忘れかけていた。だから、この【忘備録】をnoteに書くことにした。

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韓国アカスリ店「サラン」

1日置いた。すぐ返事を返さなかったのは、このママさんとは切ってもいいかなあと思ったから。2日目に、こちらからラインを打った。

「ひさしぶり、店、なんていう名前?」

「今、アロー(パチンコ店の名前)、負けた」

相変わらず、ママは言葉のピンポンができない人。

「店の名前なに?」

「さらん」*ママはカタカナも苦手。

「サラン?布施の?」

「かった。」

??? 店を「買った」ってことかな。。。とにかく想像力をフルパワーにする。

「今、店長なの?」

「そう」

「いくらで買った?」

「〇〇〇まん」

*僕の記事はすべてノンフィクションですがこの金額だけは伏せておきます。3桁です。

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「高いね」

「今から、きて」

夜12時過ぎだったけど、自転車で行った。「サラン」がどんな感じか確かめたかった。

「サラン」には入ったことがなかった。怪しかったし、本当にアカスリなのか分からなかったから。僕が学生の頃からあったのではないか。

友達が近くで飲食店をやっていたので「サラン」の場所は分かっていた。

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相変わらず元気なママさん

「やあ、久しぶり!」

うあっ。ママさんが出てきた。ほんとにやってるようだ。

「店、古くて汚いやろ。毎日、綺麗にしてるんや。」

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確かに綺麗ではない。そして店内のライトが暗い。

「お客さんはどう?、コロナであかんのと違う?」

「まだ、わかんない。この店、買ってから10日しただけ。」

「ふ~ん」

「あんた、ビール飲む? 部屋で待ってて」

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3畳ほどの部屋は、大きいタンス、テレビ、小物類がたくさん置かれている。一人がなんとか座れるスペースだけだ。

ママが入ってきた。

「狭いやろ。全部捨てようと思ってんねん」

「ほんまや、このタンス邪魔やな。」

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「あっ、このタンスは捨てられない。この店の前のママさんのものや。今度、鶏肉や」

「鶏肉」?
相変わらず、ママは日本語が下手。「取りに来るんや」と言いたい。

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ママは長年、耳コピのように「音」で日本語を習得してきた。英会話を学ぶ日本人が見習うべき点かもしれない。日本語の文字はほとんど読めない。


サラン ➡ アリラン ママさん独自の理論

「なあ、あんた。前、S店の広告動画、つくってくれたやろ。あれ、消して、新しくこの店の動画、つくって欲しいねん。」

たぶん、そんなことだろうと思ってたので、「いいよ。つくってあげるけど、、店の名前はどするの? サランのまま?」

「違う。名前も店の色も、メニューも全部変えたいねん。名前はアリランがいい。」

「アリランか。。店の外にサランってなってる大きな看板、どうすんの?」

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「変える。でも今、無理。10万円以上かかる。そんなお金ない。」

「10万ではできへんやろ。40万円以上するで。」

「10万でできるって看板屋の友達が、そう言ったよ。」

「ほんまかいな!」

「だって、サランからアリランに変えるのは、”アリ”だけや。サをアリにするだけや!」

「ええ!?」

「ねぇ。ホームページも作って。お金払うから。なんぼでしてくれる?」

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「お金なんていいよ。その代わり、別の店で広告動画とかホームページ作って欲しい人を紹介してよ。」

「いいよ」

と言って、即、その場でスマホからエステ店をやっているママさんの連絡先を、ラインで僕のスマホに送ってくれた。

こういうときのママさんの対応は早い。

「ありがと。この方とさっそく連絡とってみるよ。韓国人?」

「そう。天満やで。知ってる?」
(大阪の天満橋商店街付近のこと)

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「店の場所、たぶん分かる。ありがと。」

「じゃ。あたしの店のホームページ作ってね。」

「従業員は何人いるの?」

「いるよ。中国人の女。一人だけ。」

「若い?綺麗な子?」

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「あんた、なんかおかしくない? ここはアカスリ専門店や。女の子が若いとか綺麗とか関係ない。アカスリが上手やったらいいんや。」

まったく、その通りである。アカスリ店でアカスリが下手やったら話にならん。

「あんた、今度、あたしがアカスリやってあげる。」

「できるの?」

「当たり前や。」

できるとは思えない。そんな経験ないはず。いや、どこかで修行したのか?

アカスリ+泡洗体+オイルマッサージのスペシャルコース

僕はアカスリが大好き。コロナが流行する前は、2ヶ月に1回くらいは、家から近いスーパー銭湯に行って、そこでアカスリをやってもらっていた。

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90分で12000円。結構料金は高い。もっと安かったら、毎月行きたい。

「じゃ、広告作るから、今度、アカスリやってもらう。最近、アカスリ、全然やってないから、すごい垢が出るで。」

飲んだビールの酔いもさめた午前3時頃、自転車で自宅まで帰った。

変なこと約束してしまったなあとも思ったが。。。
アカスリ+泡洗体+オイルマッサージのスペシャルコース(120分)。普通でいえば20000円くらい。
これをやってくれるのか。。

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コロナが人の気持ちを変える?

タダでアカスリをやってもらえるんなら、まあいいかなというのが本音。

以前、このママとは2度と関わらないと心に誓ったが。不思議なものでコロナ感染拡大の状況が人の気持ちを変えるのか?

「前に世話になったし、仕方ない。また、ちょっと関わってみるか。。。」と思うようになった。

コロナ変異種

今回は「アリラン物語」の第一話です。

次回、第二話へつづく。。。



*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。

◆ご注意:他の記事はnoteのシステムによって18歳以上向けに分類されています。この記事も18歳以上向けです。