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進め!BL道!#1 〜お前はお前の道をゆけ〜

某社に持ち込みをしたり、賞に応募してみたり、知人に読んでいただいたりとで、自分なりにいわゆるところの商業BLでやっていけるのか!?どうなんや!?という挑戦をここ一、二年くらいしていたので、その結果というか現時点で分かったことを書こうと思います。

あくまで自分にとって、という前置き付きなのでほとんどの方には当てはまらないと思いますが、まあ、備忘録的なアレなので…。


【前置き】

①数田朗のスペック

・公募歴
数えたくないくらい長い。
高校のときから挑戦していて現在3x歳(やばい)。
人生の半分以上余裕で小説を書いている。
・純文学系の賞に応募していた
・BL小説は初心者

②得意分野

・端正な小説を書くのが得意(だと思っている/自己評価)
逆に砕けた文体、破綻スレスレのものを書くのは苦手。
・心理描写を書くが好き(得意かはわからない)
追い詰められた人間の心理を描くとドーパミンが出る(やばい)。

【問題点】

①恋愛を添え物にしない

・人生とか生き方が主題になっており、恋愛模様がそのサブにしかなっていない。
・恋愛のドキドキをもっと主軸に据えるべき。

なるほどなあと思った指摘。
「恋愛を描く」ことと「恋愛を主軸にする」ことは違うのだと認識。
作品によってはできてはいると思いますが、基本書いてきたのが頭でっかちな小説ばかりなので、恋愛を書いているつもりでもついつい「俺の人生……」「生きるとは……」みたいな話になってしまう。それは読者は求めてないのですよと。なるほどなあ。

②キャラクター造形をもっとしっかりやる

・容姿の描写などが足りていない、キャラクターが浮かんでこない。
・キャラクターの書き分け、個性づけが足りない

これも共通して言われた問題点。以前のジャンルでもほとんど容姿の描写は(あえての部分もありますが)してこなかったので、キャラクター文芸としてBLを捉えればそれは確実にマイナス。メディアミックスを意識するくらいの気持ちが大事なのかもしれない!?

とにかくどの評価でもこの二つのことを言われました。あー致命的ですね。
これってなんていうか……「BL小説を書く」上ですごく基本的・当たり前なことでは!?!?
ぴぇ〜。
というわけでこのための解決案。

【解決策】

①とにかくもっとインプットをしなさい

インプット、大事。これも当たり前。
BL小説をもっと読みましょう。
・どのようにキャラクター描写をしているか(個性の出し方)
・主軸としての恋愛

ここを意識して読んでいく。
あとは生きている上での人間観察。頑張らねば……。

②構成・プロット時点での目的を考え直す

・「恋愛」を描くのだぞ、という意識で構成作りをする。
自分はどうしても「物語」重視というか、「こういう話が書きたい」が先に来てしまうので、それをもう少しぐぐっと方向性を整えて「主軸」に「二人の関係性」を据えたものを書くようにする。
実際にそれがうまくいったなと思ったものが結果を出している(R-18でもなかったのに)ので、そこをもっと意識する!

【その他の懸念】

①文章表現について

もう何年やってんだよ!と思うので、ここはそれなりにクリアしている(はず)と思いたいのですが、
・視点操作もっとできるように(特に三人称もうちょっと書く)
・視点人物の文体の書き分け練習(苦手分野/BLやるなら大事)
ここは頑張りたい

②長編を書け

BL賞の公募を始めてから理解したのですが、今まで応募していた純文学系の新人賞と違ってWEB応募が主軸だからか、色々と公募の性質にも違いがありました。
・基本的に長編賞
例外的に郵送の賞などは400字詰め100枚付近のものもありますが、基本的に8〜10万字(200枚〜400枚くらい?)がメインのボリュームゾーンになっているものが多いです。多分、単行本になったときを想定して募集してるんだろうと思います(短めのものを募集している賞でも、受賞になると単行本にできない中短編は弾かれる傾向にあるようです)。
純文学の新人賞は100枚〜200枚がほとんど(だと思っている)で、そこにチューニングして書いていたため、400枚とかのボリュームのものは書いたことがほぼありません(それこそ先日提出した某長編くらいです)。
そうすると長編向けの構成力をつけなきゃいけないので、これもやっぱり他のを改めて読んで、どういうふうにしているかの研究が必要……。
・作品の使い回し可能
ここは結構驚きだった部分。
基本的に純文学の賞は使い回し不可らしいのですが、BL賞はなんだかその辺が随分緩いようです。てっきりどこも無理なんだと思っていたので意外です。
講評をもらう場合は他の賞へ応募しちゃいけないとか、同人誌で売ってる間は無理とか、色々な規定があるのですが、この辺の制度はうまく使っていきたい。まあ、ダメなものはダメだとは思いますが。

まあいろいろくだくだ書きましたけど、わたしはもともと純文学を志向していた人間なので、
「うるせえ小説ってのはな!頭じゃなくて魂で書くんだよ!それがお前の文学や!」
「需要なんて知るか!俺が需要を作ってやんよ!シュッシュッ!!」
「俺が唯一無二!イェア!」
みたいな思想がどうにも強くて、多分これは一生抜けないと思うので、こことうまくお付き合いしつつ(折り合いをつけつつ)創作をしていかねば…と思っています。
(そもそも純文学も魂で書くものでもないだろというツッコミは……)

といろいろ考えたとはいえ、そもそも私に商業BL小説が向いている表現なのかはまた別問題です。
BLは同人誌などで(二次創作含め)かな〜り昔から読んでいますが、そこで書かれていた「特別な感情」「特別な関係」みたいなもの(=ブロマンス?)が自分の書きたい理想のBL像の一つで、商業的に求められている部分が強く思える「(ストレートな)恋愛中心の物語」とか「えっちな描写」とかが、自分にとって馴染めるものなのかなあという気持ちはあります。
ブロマンス的関係(いわゆる微BL)みたいなものの受け皿になってくれる商業賞が見当たらないなあと思っていて、そこがちょっと悩みですね。商業的な需要がないんだろうか……🤔とはいえBL漫画だと結構そういう表現見るんですけどね。わからんなあ。
商業BLをちゃんと読み込めば、その結論も自分なりには出せそうですが…。

というわけで、そろそろ応募したい賞の要綱とかも発表になるのかな?と思っています!
まずは色々と読みつつ頑張りますぞ。

【告知】

別に告知のために書いた記事ではないのですが、せっかくなので告知します!
そんな自分の、自分なりのBLを詰め込んだ同人誌の新刊が出ます
『まだ大人じゃない』、3月10日のJ.Garden55で初売りです。
収録作は3作。

・手品もしくは魔法
某賞の予選通過をした(記念すべき)作品。
肩を故障した野球部員が、奇術部員に一度限りのマジックを使ってもらい…。
という話です。自分なりの「特別な関係」をちゃんと書けた!と思った一作で、これで予選通過したのはすごく嬉しかったです。

・あなたがそばにいたら
クラスメートに叶わぬ恋心を抱く合唱部員の少年。ふとしたきっかけで彼と親しくなるが…?
思春期の恋心の尊大さを書いた一作。これが(俺の思う)ラブだ!

・離陸
運命共同体として世界と戦った存在を失った青年は、アルバイトとして無気力に生活していた。そんなある日、同じ名前を持つ大学生がバイト先に入ってきて…。
自分なりの表現と、BLらしさがうまく融合できていると思います。
この路線をもっと突き詰めた先に何かあるかもしれない…とも思うのですが。

3月10日もぜひよろしくお願いします(^0^)
この記事のシリーズもちょこちょこ続けていきたいですね。自分なりに掘り下げられたらと思います!

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