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NY留学90’Sストーリーその7

寮の真向かいの部屋にジョナサンという男が住んでいました。彼はもうここの大学を卒業して、大学の何かの役員として残っているのでした。ある日出会って僕を彼の部屋に招き入れてくれました。ギターが置いてありました。僕はしばらくギターを握ってなかったので、うれしくて、しばらく弾かせてもらいました。彼も感心していました。「ところで、お前テレビいるか?」「いるいる!」彼はテレビをくれました。でもそのテレビが何と白黒!こんなものがまだ存在するのか!力道山の時代じゃあるまいし!「これ鉄のハンガーをアンテナ替わりにつければまだまだ見れるから。」という事でした。まあ授業が終わって食事を済ませたら本当に何もする事が無かったので重宝しました。アメリカの深夜番組をかなり見ました。HONEYMOONERという古いコメディーシリーズが再放送でやっていたので、それは毎晩見ました。これ結構面白いですよ。あまり裕福でないNYのバスの運転手の日常を描いています。

ジョナサンはその後も時々僕をドライブに連れて行ってくれました。彼のカーステレオからは決まってU2のアクトン・ベイビーのアルバムが流れていました。当時U2がアメリカで一番売れていたバンドという事は言うまでもありません。僕達の大学の周りはどちらかというと裕福な住宅街。昔、バットマンで使われた大きな屋敷もありました。(続く)

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