リノベーションの前と後とで
記憶の記録も兼ねて、マンションひと部屋フルリノベーション前後の比較を、ここに記すことにする。
間取り
リフォーム前は、ダイニング・キッチン・洋室・和室と、壁芯40㎡ちょいのところへ詰め詰めの間取りだった。ぼくたち二人で暮らすにも、なんだか手狭な感じがしたものだ。
リフォームでは、間仕切りをぜんぶ取り払って、どかんとワンルーム的な、ひろびろ空間を作ってもらった。妻が趣味のように模様替えをするので、それに対応できる空間を設けたかったのだ。(間仕切りを取り払えそうかどうかは、その物件の構造によるらしい。ぼくたちは契約前に、リノベーション専門の不動産屋さんに一緒に見てもらっていた。)
玄関口
玄関口すぐから折れ曲がって奥に続いていたのを、どストレートに変えてもらった。
いまから考えると、この先に何か広がってるのかな?と感じさせる折れ曲がりも、それはそれで悪くないようにも思えるけど、施工前はどうしてもこの玄関口には狭さを感じていたのだった。
居室
間取りはダイニング・キッチン・和室・洋室を抜いてひろびろ、床には廊下から続くミモザ(アカシア)の無垢材、天井と壁は躯体現しで白塗り、一面だけアクセントで空色にしてもらった。
フローリングを張る方向をどうするかまで、決めないといけなかった。考えてみれば当たり前なのだけど、おうちをひとつ作るというのは決め事がたくさん有るのだ。
キッチン
リフォーム前の写真、前の住人が居るときはもっとこざっぱりとして見えたのだけど、空にしてみるとうら寂しい風情があった。三十年以上経つのだから仕方がない。
リフォームのときは、初期提案だった業者さんオリジナルは現物を見られなくて、何度か打ち合わせを重ねたけどイメージが湧かず(妻が)もんもんとして決めかねていたので、TOTOとLIXILとショウ・ルームへ行って現物を見て、見積を取って比べて、期限ぎりぎりまで悩んでしまった。妻のこだわりポイントが強い部分だったから、業者に遠慮せず、早めに他メーカーも当たってみたらよかったと反省している。
洗面
元はユニットバスと一緒にされていて、独立した洗面台がなかった。リフォームでは図面を何枚も引き直してもらって、どうにかスペースを確保してもらった。
洗面台なんてこれまでの生涯通してまるで気にせず生きてきたけど、ショウルームに行ったら洗面台も水栓も多種多様なものがあった。フィリップ・スタルク、というひとのデザインのものを選んだのは、業者さんの初期提案にあったからだった。
一枚鏡のキャビネットは見栄えは素敵だけど、中のものをちょっと取り出そうとするときは大げさで不便でもある。デザインと機能性とは、なかなか両立できない。
バスルーム
バスルームの広さは、間取り上は変わってないのだけど、洗面を別出しにできたので、広くなったように感じる。
今回、最終的には、バスルームはTOTO・システムキッチンはLIXIL、という手配に落ち着いた。TOTOには、先にバスルームの見積を取って、あとでキッチンの見積も取って、という流れに(意図的ではなく偶然)なってしまったのだけど、あとで取ったキッチンの見積で思った以上に割引がされていて驚いた。あるいは、先にバスルームをTOTOに決めてたから、キッチンを余分に割引してくれたのかもしれない。たまたまかもしれない。リフォーム業者さんが間に入っての手配なので、業者さんの差配や付き合いでも変わるのかもしれない。よくわからない。
クローゼット
元は和室に押し入れしかなかったのだけど、リフォームでは設計者の提案に乗って、WIC(ウォーク・イン・クローゼット)を作ってもらった。住み始めてあらためて気付いたけれど、スペースが限られているからこそ、使わないものを生活空間にはみ出させないためのWICの重要性がかえって増すように思える。作ってよかったWIC。
あと、珪藻土よりも高性能に保湿吸湿脱臭してくれるというLIXILのエコカラットを、WICの壁に腰高に張り付けてもらった。おかげさまか快適空間になっているように感じたので、いまはWICの奥にぼくの机を入れて、書斎兼クローゼットみたいにして使っている。
まとめとして
今回ぼくたちは、マンションのフル・リノベーション提案のうち、ある程度セットメニューから選べるようなコースを選んでいた。振り返って考えてみると、それですらずいぶんと決めたり悩んだりが大変だったので、セットメニューじゃないリノベーションは、建築業界のひとでもない限り、さぞかし大変だろう、と思う。
以上。