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禅語の前後

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禅の言葉をテーマに何か書いてみよう、という試み。
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#達磨

禅語の前後:一華開五葉(いちげ ごように ひらく)

禅語の前後:一華開五葉(いちげ ごように ひらく)

 花びらの数が5枚の花は、統計的に多いのだという。
 なぜ5枚なのか、世の中にはいろんな説があるようだ。黄金比。フィボナッチ数列。凹型の空間を効率よく埋める比率。全方位から虫を集めるために最適な形状。
 僕たち人間の指も5本だ。日曜日の朝にテレビでやってる、なんとか戦隊なにレンジャーとかも、たいてい5人組のようだ。何かしら5という数字には、自然と使われる丁度よさがあるのだろう。

 禅宗の初代達磨

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禅語の前後:廓然無聖(かくねん むしょう)

禅語の前後:廓然無聖(かくねん むしょう)

 だいたい900年前、中国は宋の時代に書かれた禅のテキスト、100のテーマについて書かれた「碧巖録」の、最初の1つめのテーマに選ばれているのが、この言葉。
 「廓」は本来、城や都をぐるっと囲う土壁を意味する漢字で、転じて「広い」「大きい」「空しい」といった意味を持つ。

 今から1500年くらい前、禅宗の開祖である達磨が西の天竺から中国を訪れたころ、南朝の武帝は自身も仏教の学者であり、あつく仏教を

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