読書感想文「サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」正垣 泰彦 (著)
優秀すぎるマーチャンダイザーである。
チェーンストアを展開する強い気概を持つ経営者だ。経営を、夢やロマンと数字で語れる人なので強い。経営についての考えを突き詰める人は当然、数字でものを考えるが、結果としてユニクロやニトリのようにSPAの業態に向かうのが面白い。
苦境や失敗から学んだ人であるが、経験だけが糧になったわけではない。本を読み、人に教えを乞い、他店や街の人の流れから学んだのだ。
旧著にして名著でありスタンダードと言っていい本だ。しばらくの間、経営を目指す人、経営者にとって必携の本だと思う。腕のいい職人信仰が強い本邦においては、巧みな技によっていいものを作りさえすれば、勝手に評価される、いや、いつかきちんと評価してもらえるはずだ、という願いがある。しかし、最初から職人ではなく、経営者である正垣は従業員にまともな給料を払い続けられる組織を作るのが目標だった。決して有利とは言えない「立地」でも成功する「商品」とは何か、そのためにどんな「設備」で適正な「作業」をどう構築していくか?
お客様本位であり、「お値打ち」とは何か?である。
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