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ライドシェア解禁に関する私の考えをまとめてみました。

菅元総理の発言で、ライドシェア解禁を推進する…とのニュースを見ました。

https://sakisiru.jp/45539

以前からライドシェアの話は聞いていたので、これまでの私の考えをまとめてみようと思います。

タクシーとライドシェアでは、
移動を必要とする利用者が料金を払ってサービスを購入する…という点にいおては変わりません。
それぞれの⭕❌を簡素にまとめてみました。


🔵企業タクシー
国が制度を作り、会社にそれを実行させることで利用者の安全性を確保。


利用者:
ある程度の安全性が確保されている。事故の際の対応を会社組織で行う。
企業が車両を複数台所有していて数があるので、比較的電話で配車依頼や予約が取りやすい。
ある程度会社の看板で選ぶことができる。

ドライバー:
初めての仕事でも企業がある程度サポートしてくれる。自分で車両を所有運用管理せずに済む。
企業勤めで税金の管理は企業が行うので、手間が少ない。

企業:
創業者、経営者が家族だとメリットが大きい。


利用者:
規定の料金があり、運行状況によって価格が変動する。
地域の状況(車両やドライバーの不足、時間帯による配車依頼や予約の多さ)によって利用できない時がある。

ドライバー:
基本的に企業が決めたシフトに従う。売上を上げようとすると長時間労働になりがち。
売上を企業にある程度取られる(歩合制)。

企業:
地域によっては人員不足が著しく、確保が難しい。
営業車にかかる所有運用管理費用がかかる。毎年車検の緑ナンバー。


🔵個人タクシー
国の制度の則り、地域ごとに個人事業主が組合を作って運営。


利用者:
個人タクシー資格取得は狭き門。それをクリアしたドライバーなら信頼が置ける。
地元の道に詳しい可能性が比較的高い。

ドライバー:
企業が作るシフトに従う必要がないので、自分のペースで仕事ができる。
歩合として企業に支払う分がないので、企業タクシーと同じ売上だったとしても手取りは多い。
自分の腕一本でやっていく充実度がある。


利用者:
ドライバー単位で良し悪しの差が大きい。運行状況によって価格が変動する。
基本的に配車という仕組みがなく、配車予約依頼するならばドライバーと直接連絡が必要なので、
企業タクシー程安定的にそれを確保できない。

ドライバー:
個人タクシー資格取得は狭き門。地域によって台数に限りがあり、営業権を既存の個人タクシーから車両ごと購入する必要あり。
車両運用管理コストは自分で払わなければならない(営業者でも「回送」状態なら自家用車として利用可能)。
毎年車検の緑ナンバー。
高齢世代が現役引退してその数は減少傾向にあるので、頭数で分割して負担する組合運営費が増える傾向にある。
税金の管理も自分で行う(外注する人もいる。これはむしろ現在の複雑な税制に問題ありと思う。)。


🔵ライドシェア
コンピューター技術の発展やスマートフォンの普及による新しい形態。
自家用車を営業車とし、配車アプリ(利用者とドライバーのマッチングアプリ。ナビ込)で運営。
※こちらの事はあまり詳しくありません。


利用者:
アプリで気軽に配車依頼予約できる。地域のタクシー会社をいちいち選ぶ必要がない。
鉄道廃線など従来の交通網が使えなくなった場合、新たな選択肢として利用する価値がある。

ドライバー:
自家用車で運用できる。勤務時間も自由なので、自分のペースで仕事ができる。
言葉が通じない相手でも、行き先の確認や料金の支払いなど利用者との接点が少ない分、手間も少ない。
海外の情報では、企業タクシーより手取りが増えたとの情報あり。
企業タクシーと違って歩合制ではない。アプリ運営会社に手数料は払うが、歩合ほど多くない。


利用者:
どんなドライバーに当たるかよくわからない。海外では(少ないけど)ドライバーからの被害の報告あり。
地元ドライバーとの会話や観光案内となると難しいかもしれない(←まだよく分かっていない)。

ドライバー:
税金の管理を自分で行う必要がある。(これはむしろ現在の複雑な税制に問題ありと思う。)


ライドシェア導入に関して…ざっくりまとめるここんな感じです。以下、個人の感想です。

○利用者にとって、タクシーが不足している地域や、鉄道廃線など従来の交通網が使えなくなった場合、
新たな選択肢として利用する価値がある。

○ドライバーにとっては、仕事の選択肢が増え、既に自家用車を持っているなら隙間時間の仕事も可能。

○ライドシェア導入で困るのは、タクシー企業と業界、そこを票田とする政治家。

○ライドシェアが導入されても、すぐにタクシーがこの社会から消えてなくなるわけではない。

ライドシェア導入で、タクシーインフラが破壊される…という方もいらっしゃいますが…
「減税で税収減ったらあなたの家の前の道路が傷んでも補修されなくなる。救急消防も来なくなる」
という一部政治家の恫喝に似た構造が見えるように思います。
ライドシェアを利用者が使ってみて駄目だと思うなら、残っているタクシーを使えば良いと思います。
車自体の故障が以前と比べてとても少なくなった。自動車保険も加入している人が殆ど。
ライドシェアを可能とする環境は整っていると考えます。


現役の企業タクシードライバーな自分の身に引き当てて考えるなら…

○新たな収入源として選択肢が増える。

○例え企業タクシードライバーからライドシェアのドライバーに変わったとしても、
「勤続○年の、元タクシードライバー」を自らのブランディングとして使えるのではないか?

○(車種にもよるけれど)自家用車で仕事ができる。

…良い事ずくめではないかもしれないけど…ライドシェア解禁に反対はしません。
たとえ解禁されたとしても、それを市場がどう判断するのか…様子を見ながら今の仕事を続け、
どう考えてもライドシェアの方が自分にとって条件が合うなら、そのドライバーとなれば良いかなと。
これから私も年をとって、両親の面倒を見るようになった場合、
むしろライドシェアのほうが隙間時間で仕事が出来るので、都合が良い…となるかもしれません。
自家用車は変更したほうが良いかもしれませんけど…😅


もし注文をつけるとしたら…

○タクシードライバーの仕事をしていると気づくことの一つとして、利用者とドライバーの相性が悪すぎる時があります。
利用者から見たドライバーのランキング…だけでなく、ドライバーからみた利用者との相性も項目に入れて、
それまでのお互いの履歴から、マッチングアプリとしての機能を発揮して欲しい。

○これはタクシードライバーに限ったことではありませんが…税制をもっとシンプルにして欲しい。
先行き年をとって嘱託として今の企業で働き続けるなら、いずれ確定申告を自分で行う必要が出てきます。
マイナンバーカード作成した動機がここにあります。

…以上です。最後までお付き合い、ありがとうございました。

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