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#4 春を迎えられなかった恋

「始めまして、加藤といいます。2学期の途中からですが、よろしくお願いします」

当たり障りない挨拶で、目立たないよう努めた。 

目の前には30台近くのパソコンが並び、1人一台ずつ自分の席が用意されていた。3/2以上は女子だ。同じクラスの子もいたが喋ったことはない。当然僕の好きな…中条さんもいた。

目があってちょっと嬉しかった。中条さんも笑顔だった。


3年生の先輩が面倒を見てくれた。皆明るくて1年〜3年まで仲の良い部活だった。顧問の先生は女性の先生で面白い先生。見た目は地味な感じなのに、喋ると明るくよく先輩達のボケに付き合っていた。

夏と冬になると大会とかがあるらしく、モチベーションは高いし毎日練習用の打ち込みをやる

「家の事情で、あんまり出られませんがよろしくお願いします」そんなやつでも3年生の先輩達は明るく迎えてくれた。中条さんも「頑張ろうね」と気さくに話しかけてくれた。

(入部して良かった)

やる事はタイピングの練習だった。キーボードをまずブラインドタッチできるようになる必要がある。キーボードなんて全く触ったことがなかったから、まずはどこに、どの平仮名があるか覚える所から始まった。今では珍しいが、当時は先生の意向で「平仮名打ちの方がローマ字打ちより早い」ということで平仮名の配置、ローマ字の配置どちらも覚えていくよう言われた。

意外と難しいな…

週に2、3回だとなかなか覚えられないもんで1年の時は全然早くならなかった。人差し指だけで1年の間は打っていた。向いてないな。


冬になり、もうそろそろ3年生も卒業に近づいて来る頃

2年生の新しい部長、副部長が発表になった。




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