いつまでも噛み続けていたい
職場でガムをもらった。
ランチの後にひとつどうかと聞かれてもらったのだが、ガムを食べるのなんてとても久しぶりのような気がした。
フルーツフレーバーの入ったミント系の粒ガムだった。
もらっておいてこんなことを言うのはなんだが、ミント系よりフルーツ系、粒ガムより板ガムの方が好きだ。
昔から1番好きなのはブルーベリーの板ガム。
続いて梅、スウィーティーの順に好みである。スウィーティーに関してはもう売られているのを何年も見ていない。
そして、可愛こぶる気はサラサラないのだが、私は強めのミント味が苦手で、最近ではミントタブレットを持ち歩く人も多いが、あの手の類は口にしない。
だって辛いから…。
ただ、もらったガムはフルーツの味もほんのりとある甘めのミント味だったのでありがたく頂戴した。
15:00ごろ、再びガムをもらった同僚にあって驚かれた。
まだガム噛んでるんですか?と。
・・・
以前、ガムは唾液を出す効果もあるので、2.30分噛み続けると良いという話を聞いたことはあるが、私はかれこれ2時間はガムを噛み続けていたことに気付いた。
もう味のなくなったガムを噛み続けてるんですか?と不思議がられたが、よく考えると私は比較的ガムを長く噛んでいる方なのかと思った。
それは、唾液を出すためではなく、ガムを出すタイミングは味の有無ではないからだ。
むしろ味が感じられなくなっても噛み続けていると、少しだけ味が残っていたりする。
それに、完全に味がなくなってからも味の記憶は残っているので、別に噛んでいることが苦痛になることもない。
そうやって噛み続けて味わいつつ、次に何かを口に入れる時とか会議があるとか、出すべき時に出す感覚なのである。
・・・
私にとって、楽しい思い出というのも、ガムと同じなのかもしれないと思ったら。
私は非常に忘れっぽい。
だから、どんなに忘れたくないと思っていても、楽しい思い出すら細かい記憶が遥か彼方に消えてしまうこともある。
だから、何度も何度も思い出して、思い出せるうちに思い出しておいて、「あー、楽しかったな」と思い出に浸る。
記憶というのは、何度覚えたかではなく、何度思い出したかにかかっていると思う。
だから、なるべくたくさん思い出せるように楽しい記憶を絞り切る。あの時楽しかったなと思い出した時では概ね忘れてしまっているので、思い出さなくても大丈夫なように楽しかったと思い続ける。
楽しい思い出を思い出すのに、飽きるということもない。
また新しいガムを噛むまで、新しい思い出ができるまで、噛みしめていたいと思うのです。
今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。