乾燥を200円で得る贅沢
お布団が干したくて仕方がない。
記録的な長さとなるであろう今年の梅雨は、もう一つの季節なのではないかと思えるほど長い。
四季ではなく五季だ。
(黒い虫を想像させてしまったら申し訳ない)
そんなこんなで、最後にお布団を干せたのはいつだっただろう。たまに晴れた日があってもとても時間が少なく、2.3時間でまた雨が降るような日で、休日は嘘かと思うくらい毎週雨が降っている。
「妖怪 休日布団干し」の異名を持ってもいいと思っているくらい、休日は短時間でも布団を干す私としては、ただでさえ梅雨時期のジメジメを吸収した布団で寝るのも辛いのに、布団を干したい欲に苛まれて非常に苦しい日々を過ごしている。
・・・
せめてタオルケットとシーツだけでもなんとかならないか…と思い、家で洗濯だけしてコインランドリーの乾燥機で乾かすことにした。
200円で乾燥を買ったのだ。
コインランドリーには布団ごと洗えるような大きな洗濯機がある。だから布団ごと持っていけば丸ごと洗えなくもないが、雨が降る日に布団を持って歩けず、結局布団を濡らして帰ってくることが目に見えているので、タオルケットとシーツだけで我慢。
それだけでも十分で、洗濯機から取り出した時の香りで最高に気分が良くなった。
自分の好きな洗剤の香りと、乾燥機から取り出した時のなんとも言えないホカホカの香りが混ざって、つい取り出したばかりのシーツとタオルケットを抱きかかえて顔を埋め、深呼吸をしてしまった。
それだけでなく、普通の天日干しよりふわふわに仕上がる肌触りも、控えめに言って最高だ。
・・・
貧乏性なのだろうか。
私はこの200円は贅沢な使い道だと思うけど、たった200円じゃないかという人もいるかもしれない。
ただクオリティ話は違えど、晴れていれば乾燥はタダで買えるものだし、好きな洗剤と太陽の香りももちろん大好きだ。
だから1〜2日で失われてしまう、ふわふわな手触りと乾燥機独特の香りのために、シーツとタオルケット・ついでにタオルも抱きかかえて、雨の降るなか傘をさして10分以上かけてコインランドリーに行き、帰りは少し軽くなっているとはいえ行きよりも膨らんだバッグをまた抱えて買える。濡れないように慎重に。
それで200円は、やはり贅沢だと思ってしまう。
そしてたった200円でも贅沢だと思えること、その感情そのものこそが贅沢のような気もしている。
あなたなら、200円でどんな贅沢を味わいますか?
今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。