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感謝や好意を伝える手段

最近、手紙を書くことが多い。

この1ヶ月くらいは誕生日やイベント・その他いろんなことが重なり、手紙をもらうことと書くことが特に多かった。

ただ、どちらかというと手紙は書き慣れている方だと思っている。むしろ得意だと思っていた。

それは、学生時代から「お礼状」や「お礼状の返事」を書くことが多かったから。

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私は、小さい頃から書道を習っていて、字を書くのも大好きだ。おかげさまで、自分の書いた字を褒めてもらえることも多かった。

だから、まだ実家に暮らしているうちから、父親に届くお中元やお歳暮などのお礼状を母と一緒に代筆していたこともある。

仕事を始めてからも、代筆業は続いた。同僚や先輩・上司・違う課やグループからお願いされることもあった。

だから、なんとなくどうやって書けばいいかは分かる。ああいう類の手紙というのは、大凡のテンプレートみたいなものがあって、合間合間に「ならでは」の内容を加えたり添えたりしながら書けばいい。

そうやって、得意になっていたのだが…

先日書いたお礼状に返事が来た。内容を見て、返事を書きたいと思ったのだけど、どうやって書けばいいのか分からなかった。

そこで気づいたけれど、形式的にやりとりをする手紙というのは一往復で完結することが多い。

だから、「お礼状」や「お礼状の返事」というテンプレートが、手紙の書き方が載っている本やインターネット上でも溢れているけれど、「お礼状の返事の返事」なんていうテンプレートは見たことがない。

そこではじめて、手紙の難しさや本領を試されるのは、2往復目以降だということに気がついた。

もちろん正解なんかないし、心を込めて書けば…と思うかもしれないが、そんな簡単じゃない。

それは1通目を何かに頼って丸写ししたような人にはなおさら、手紙に込める心の入れ方はさっぱりわからないのではないかと思う。

そして、1通目と2通目に現れる差で人間性が見えたりもする。

例えば2通目がとても拙いものだとしても、その心が届けばポジティブに捉えてくれる人もいるかもしれない。

だが、「あー、1通目は何かを写して書いたのね」と思われるかもしれない。また、その差があまりにも大きすぎたら不信感に繋がるかもしれない。

だからこそ、2通目というのは本来の人間性を見定められるものじゃないかと感じ、少し躊躇してしまった。

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ただ、不安を乗り越えてでも手紙を書きたい相手がいる。

きっと、「書かなくていい」2通目を書くことで、伝わるものもあるんじゃないかと思うから。

手紙は字の上手さとか、文章のテクニックとか、難しい言葉を披露する場ではない。

感謝や好意を伝える。
それが手紙の役割だから。

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。