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ただただ、夢の話を

夢の中で、歌を作っていた。

途中で猫の鳴き声でうっすら目を開け、腕を舐めてくるので頭を撫でてやりながらも、歌詞とメロディーがポンポンと浮かんで。

もしかしたら私のオリジナルじゃないかもしれない。どこかで聞いた曲だと困るから、歌詞を検索して、誰かの曲でないことを確認して。

それから、すぐにボイスメモに残さなくてはと思ったとき、猫を撫でていたはずの右手にはいつのまにかスマホをにぎりしめていた。

そうやって夢と現実を何度も行き来する中で、歌を作っていた。家にないはずのキーボードを弾きながら、何曲かスマホに録音して。

そんなことを繰り返して、ようやく目が覚めた。

もちろんスマホの中には録音の記録はなく、歌は一言も、ひとフレーズも覚えていない。すっかり夢の彼方に置いてきてしまったようだ。

どうにかこうにか、夢から持ち帰ることはできなかったのかと悔やんだところで、それを再現する術はない。

だって私にはピアノがない。人に聞かせる腕もない。…西田敏行かよ。

別に歌を作りたいと思ったことはない。昨夜、作曲についての話を聞いたから、そこにつられてしまったのだろう。

家にないはずのキーボードがあったのは、きっとずっと欲しいなと思っているからで、欲望が形になった典型的な夢の構図で。

そこまで分かっていても、今日仕事が休みなことをいいことに、また夢の世界に行って自分が作った歌を口ずさんでは、また猫に起こされて。

・・・

夢を思い返すと、いかに自分が単純かを思い知らされる。

もちろん、たまに突拍子もない内容の夢を見ることもあるが、大抵は現実世界の延長だったり、空想の再現だったり。

そして、突拍子もないと思っていることも、きっと知らず知らず私が見聞きしていることだったり考えていることなんだろう。

でもきっと夢ってそんなもの。
単純な私じゃなくても、誰もがそういう夢を見ているはず。

結局、夢というのは自分の思考を超えられない。

夢診断や脳のことは全くわからないけど、きっと自分の思考が素となっているはずで、どんなに考えていないと思うことだって無意識の中でちゃんと考えていることで。

きっと、人と話もせず、本も読まず、様々な経験を避けていった先には、思考の世界がどんどん狭くなって、夢がつまらなくなるのかな…と。

・・・

ちゃんと目を覚ましたとき、猫は私の左足を枕に寝ていた。じゃあさっき右手で撫でていたのはなんだったんだ…なんて、ついに夢と現実の境も分からなくなって。

そんなこんなで、今朝は頭が全く働きません。
以上、ただただ夢の話でした。

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