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おすすめ本 躁鬱大学

タイトル 躁鬱大学 
作者 坂口恭平

おすすめする人
・双極性障害で苦しんでいる本人
・双極性障害を知りたい人

おすすめポイント
①共感できる内容が多い
②自分はおかしくても良いと思える
③『神田橋語録』に出会える

①共感できる内容が多い

作者の坂口恭平さんは、躁鬱人(本の中で双極性障害を躁鬱人と書いています。なのでそれに合わせています)です。自身の体験を書かれているので、共感できる点がとても多いです。
本を読んでいくと、作者が度々読者(躁鬱人)の考えていることが分かるよ、とまるで預言者のように言っている部分があります。しかも、これが本当に当たっていて、占いとか、あるいは精神科医の言葉よりも聞いていて腑に落ちます。

とくに、作者が考えた『鬱の奥義』は、グッと本の内容に集中させられます。

鬱の奥義4
「あなたが嫌だと思っているあなたの状態は、あなたの性格ではない。全ての鬱状態の躁鬱人に共通の特徴である」

本書 p103

②自分はおかしくても良いと思える

躁鬱人は世間一般の人とは違います。
特に我慢したり、何かを最後までやり遂げるという常識が全く合わない。
例えば、会社に入ったら3年は必ず通えという言葉も、躁鬱人にとっては有害になります。そうやって何かに縛られるよりも、色々なことに手を伸ばして、飽きたらすぐ辞めて、ふらふら歩いているのが良いそうです。

私自身、とても中途半端で気分屋な性格なので、それをどうにか直そうとしています。
けれど何度やっても元通りになってしまい、「自分のバカ!」って自己嫌悪しています。ただ、そもそも直そうとしなくて良かったみたいです。それよりも、私の好きな散歩とか、ブログで文章を書くとか、そうやって楽しいと思えることをやるのが良いみたいですね。

「シャキッとした人、ちゃんとした人になるのは今日かぎりで綺麗さっぱり諦めましょうね。一流の中途半端な人、器用富豪を目指しましょう」

本書 p179

③『神田橋語録に出会える』

神田橋語録とは、精神科医の神田橋さんの口述であり、インターネットで調べればPDFで見ることができます。そこには、躁鬱人の特徴が書かれています。神田橋さん自身は病気ではないのですが、躁鬱のことものすごく分かっているな!と非常に驚きます。

「人の顔色を見て気を使うといった平和指向型なので、他者との敵対関係には長くは耐えられません」
「自分らしさや自分の長所が失われた時が要注意です」

まさに私のことだ!と思えた言葉です。
中でも一番グッときたのが次の言葉。

「『この道一筋』は身に合いません」

本書 複数ページ

本当に、これなんですよね。

②自分はおかしくても良いと思えるでも書きましたが、世間は続けることが大事という風潮で、続けることができないという躁鬱は、かなり逆風が強いです。「なんで自分はできないんだ」って何度も泣いてしまう自分がいます。でも、それは躁鬱人にとっての性格なのだから、仕方がないのですね。それよりも、あちこち手を伸ばしていく方が、よっぽど自分にとって嬉しいことなんですね。

以上、
①共感できる内容が多い
②自分はおかしくても良いと思える
③『神田橋語録』に出会える
この3ポイントで、おすすめを紹介させていただきました。

作者の坂口恭平さんは他にも本を出していたり、SNSを投稿していますので、それを読んでも面白いですよ!

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