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Dead Head #25_122

 少年に追いつくべくもなく、自転車をゆっくり押し上げるしかない。坂の上、少年が地べたに腰を下ろしている。どこか呆然とした様子だ。
「ここ、どこ?」
「県境だろう」周りを見渡す。電柱の住所表示から推測する。
「けんざかい?」少年は俺の顔を見上げる。どこか気を許したような表情。
「知らない土地さ。まるっきり」
「ふ〜ん」  
 どこか、この少年のことが気になってくる。公園では、ただキレたガキでしかなかったのに。公園を離れ、何かの呪縛から解き放たれたのか?
「名は?」そんな感情を悟られないように言う。大人げないとは思うが。
「ヒロシ」少年は素直に答える。
「モテそうな名だな」少し無理して返す。
「おじさんは?」