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【短編選集 ‡3】電脳病毒 #71_262
「客戸の遙控《リモートコントロール》をする軟件《ソフトウエア》さ。劉さんに暗号で残したあの大学、ベータテストに使っていた」
「何千万台も電脳がある。この国や亜州だけでも。電脳病毒を蔓延させ、そんなものを運用する系統《システム》なんてものは存在しない」
「あるのさ、でかい系統《システム》が」
「どこに?」
「U自治区」
「あんな不毛な場所に?そんな大規模な系統《システム》、運用コストはどうする?」
「大口の出資者を募った」
「出資者?」
「政府から弾圧を受けている、あの気功集団。例の超凡的魅力《カリスマ》が、いよいよ政治に乗り出す」
「あの邪教《カルト》か?この国を気功で治めようって?魔法の国じゃあるまいし」
「この国だけでも億単位のメンバーを揃えたらしい」