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作家として、読者として、小説と向き合ってみる

お疲れさまです、風嵐むげんです。

今回は最近悩んでいたことにようやく決着がつけられたので、頭の中を整理するために記事を書いていこうと思います。

というのも、最近……と言うより前から、作家として色々な人に言われていたことがあります。それは、「読者のことを考えて書くように」ということです。

私はどうも、技術よりもメンタル的なところに課題が多いらしいのです。最近特に言われていたことが、

「小説は読者を助けるためにあるもの。作者として、読者に何を伝えたいのかを明確にするように」

みたいな。こう書くと難しく感じますが、多分基本的なことだと思います。

でもねー、これが私にとっては難しすぎるのです。なぜなら、前にも書いたように私は基本的に人間嫌いなのです!

人間嫌いが、なんで嫌いな人間を助けるための小説なんて書くというのか! じゃあそもそもなんで小説なんて書いているのか! もう書くのやめるかってところまで悩みました。

でも、どうしても書くことはやめられないので……一旦作者ではなく、読者として考えてみることにしました。

①読者としての私が選ぶ本

私は人並み程度にしか読書をしていませんが、小説はもちろん自己啓発本やエッセイ、BL、男性向けラノベなどわりと何でも読みます。そして何でも楽しめます。何でもインプットしちゃいます。

ただ、その中でも特に、見かけたらついつい買ってしまう本があります。それは、何かしらの問題のせいで、生きることに難儀している人のエッセイです。

特に、noteでも活躍している望月もちぎさんや、永田カビさんのエッセイは何度も読み返しています。

このお二方に共通するのは、人間関係でツラい状況に置かれた過去がありながら、他人を避けるのではなく、なんとかして交流していこうとしていることです。

②目の前の一冊に何を求めているのか

自分で言うのもどうかと思いますが、私はわりとクズです。芸能人の結婚ニュースよりもスキャンダルの方が好きです。他人の不幸は蜜の味、オシャンに言うとシャーデンフロイデというやつです。

……でも不思議なことに、ただの不幸話というのは受け付けないんですよね。本業の方で私は現在、医療事務員として生活保護受給者の患者さんの情報管理を担当しているのですが、もうね……エグい。

難病、事故、家庭内暴力、失踪、犯罪などなど。どんな小説よりもしんどい出来事に遭っている人が山程居ます。でも、あの人たちのことを私は面白ーいとは思わない。むしろ宝くじでも当たって再起して欲しいし、なんとか立ち直って生活保護から外れた人を見るとホッとします。

考えるに、私が求めているのは純度百パーセントの不幸話ではなく、最後には必ず立ち直るお話なんです!

考えてみると、最近ハマっている『魔王2099』や『ただ制服を着てるだけ』もそういうお話なんですよね。逆にざまあ系みたいな不幸が不幸を呼ぶようなお話や、転生チート系やハーレム系みたいな最初からわりと安定した立場で進むお話も面白くはありますが、個人的にはそこまでハマらなかったですね。あ、でもこのすばは大好きですw

③改めて、作者として考えよう

さて、作者モードに戻りましょう。作家の中には、どんなジャンルのお話でも書ける器用な方も多いのですが、私はそうじゃない。とても不器用な人間です。

ざまあ系、転生チート系、ハーレム系で救われる人も居るのでしょう。しかし、私にはどう救われるのかを想像することも難しい。ならば、自分でもわかる範囲に絞って勝負するしかない。

以前、書籍化した時の記事で私は「簡単に死にたいと言う人に、死というものがどういうものかを見せたかった」と書きました。これはこれで読者のことを考えてはいましたが、助けるというところまでは踏み込まなかった。

アンソロジーの共通テーマ的に、ああいうラストになりましたが、あれは偶然の産物だったわけで。ということは、そういうわけで(?)

うん、なんとなくですがわかった気がします。助ける、というと大袈裟だし、私の中の人間嫌いがおえってなるので、首括ってる人の縄を切るのではなく、足元に踏み台をそっと忍ばせるくらいの意識でやっていこうと思います。多分、私の作風ならばそれくらいの方が生きる気がします。

以上! ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました! よければコメント、匿名でのマシュマロ等々頂ければ嬉しいです。