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4月4日

晴れだ。久しぶりのあたたかい日差しに心が踊った。犬を連れ、行ったことのなかった運動公園をゆっくり三周して、高く茂った菜の花やパタパタと舞うモンシロチョウを眺めた。

漫画「さよなら絶望先生」が期間限定で全話無料公開されていることを知ったので、午後はずっと絶望先生を読んでいた。数年前、主題歌が大槻ケンヂということもありアニメは全部履修したが、原作のラストが気になっていたので全話読んでみようと思う。各話タイトルが有名文学作品の題名のパロディでそれを見るだけでも楽しい。「恩着せの彼方に」「奥の抜け道」「君 知りたもうことなかれ」などである。

https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13933686331610373443

「絶望した!」が口癖で目を離すとすぐ自殺しようとする先生と、個性が強すぎる生徒たちの話で、今七十話まで読み進めた。液晶画面を見つめるのに辟易してきたところで、ふと積読になってしまっていた「現代思想・反出生主義を考える」を手に取った。絶望先生が反出生主義なのかは全話読了した訳ではないので断定できないが、人生の苦痛の部分を強く感じているという点で似通ったものを感じたのだ。

現代思想 2019年11月号 特集=反出生主義を考える ―「生まれてこない方が良かった」という思想― https://www.amazon.co.jp/dp/4791713885/ref=cm_sw_r_cp_api_i_7DiIEb4WGA03P

森岡正博と戸谷洋志の討議「生きることの意味を問う哲学」と木澤佐登志「生に抗って生きること」を読んだ。前者で出生主義を唱える一人としてハンナ・アーレントが挙げられていて、彼女のことはキリスト教学で少し勉強していたので目に留まり、同時に今までほとんど出生主義に関する書籍や主張を読んだことがないことに気づいた。こんなにわかりやすく対立する主義名が付けられているのに、気に留めることがなかったことに驚いた。確証バイアスにとらわれていた、今度関連書籍を探してみようと思う。

後者では国営放送であったという相模原障害者施設殺傷事件に関する特集番組を皮切りに、ある障害者支援団体の理事の発言から見られる「生産性のない人間には生きる価値がない」というメッセージ、ナチスの大量殺戮に影響を与えたと思われる「生きられるに値しない命」という概念に言及されている。上記二つの言葉は主に障害者に対するものだが、杉田水脈の「LGBTの人達は生産性がないから税金を投入するべきではない」という発言を思い出させる。私は当時大学二年生で、そのあらゆる人を追い詰める発言に酷く憤慨して、旅行で訪れていた東京で、たまたま開催されていた差別問題を扱うサークルの杉田水脈の発言を巡る勉強会に飛び込み参加したのを覚えている。健康上の問題で今は活動をしていないが、とても貴重で私の人生に大きく影響を及ぼす時間を過ごさせてもらった。素晴らしい人達と出会えたことが今も私を支えている。

なんだか無性にお酒を飲みたくなってしまっていけない。一昨年、買い物が面倒で夕飯はほとんどお酒だけで済ませていたのを思い出した。その名残りの大瓶に入ったお酒がまだ大量にあるので、いつかどうにかしなければと思いつつ、晩酌以外の消費の仕方が思いつかない。

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