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4月7日

いつもの八百屋で、私の腕くらいの長さの立派な大根をGETした。大きなキャベツも買えたし、嬉しくて家に帰ってすぐサラダを作り始めた。自分一人の家で包丁を扱っていると、幸田文「台所のおと」の情景が浮かぶ。私はあの話に出てくる妻の奏でる包丁の音とはかけ離れた雑で無神経な音をたてるが、いつか力任せに大根を切っても台所を震わせず、上品で静かな音をたてたいものだと思う。
誰か他人のために包丁を扱っている時には、手嶌葵の「朝ごはんの歌」が頭に流れ、「コクリコ坂から」の朝のシーンが浮かぶ。この楽しげな歌のおかげか単に食べてくれる人がいるのが嬉しいのか、人の為にご飯を作っている時は心が踊る。欲を言えば、もっと広い台所ならいいのだが。

台所のおと (講談社文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4062630273/ref=cm_sw_r_cp_api_i_3seJEbCJAG2EN

https://youtu.be/GZWuVafxAUg

幸田文「台所のおと」は、池袋の梟書茶房で買った本だ。梟書茶房では本の題名や装丁は隠されて、通し番号と感想とオススメの理由のみが記載されている。普段だったら読まない作家・本に新しく出会えるので、とてもおすすめだ。ただ、どの番号の本を買ったか覚えておかないと重複して買う可能性があるのだけは注意は必要である。

今日はTEDtalksは臨床心理士Meg jayの「30歳は昔の20歳ではありません」を見た。普段はこういういわゆる自己啓発本のようなものは手に取らないが、知っている臨床心理士さんが勧めていたので気になった。

Meg Jay: 30歳は昔の20歳ではありません https://www.ted.com/talks/meg_jay_why_30_is_not_the_new_20

人生で重要な出来事の80%は35才までに起こる、そういった経験や出会いは20代に集中して起こっている、と主張している。だから20代はまだ人生のモラトリアムだと鷹揚に構えるのではなく、積極的に"アイデンティティ・キャピタル"を築くべきだ、と。"アイデンティティ・キャピタル"とは自己の価値を高める経験やスキルのことらしい。アイデンティティ・キャピタルは更なるアイデンティティ・キャピタルを呼び込むから、20代のうちにどんどん築いていくべきということだ。私は今21歳、まだ20代に差し掛かったばかりと言っていいだろう。コロナ騒動で外に活動をしに行くのは難しいが、このnoteだって続けられればアイデンティティ・キャピタルの1つになりうると思う(日記を続けている人は本当にすごい)。

自己と向き合うのは病気を通して嫌という程したし、コツも掴めてきた。自分の脆弱な部分と向き合うことをこの時期に済ませられて良かったとも思う。自己の価値を高める経験...何かを始める時、その全てに意味を持たせようとすることは、気付かないうちに自分を追い込むことになるので私はあまり好きではない。のんびりやっていこうと思う。

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