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3月31日

胸筋と足の筋肉痛で眠気が酷い。超回復理論も定説となってきているし今日は筋トレをお休みすることにした。週三回は最低でも筋トレの日を作りたいと思っているので、明日までに痛みが引いているといいのだが。
午前中は結局少し遠くの大きなスーパーまで足を運んだ。やはり目移りし、安売りしてたアジの開きや鯖など買う予定のなかったものまで買ってしまった。昨日の犬の散歩の帰り道、どこかの家から焼き魚の匂いが漂っていてちょうど魚が恋しくなっていたのだ。一旦家に帰って昼食用に鶏胸肉としめじのアルミホイル焼きを仕込み、犬の散歩に出かけた。ここ最近はずっと天気が優れず、せっかくの新緑や色とりどりの花々が陰り不満だったが、道草の中にぽつんと輝くてんとう虫を見つけて一気に世界に色がついた気がした。

昼食を済ませたあと長い昼寝をし、久しぶりにTEDtalksのアプリを開いた。今日観たのはMichelle Kuo「読書が持つ癒しの力」、Lori Gottlieb「自分の物語を変えることで人生は変わる」、Joshua Prager「100年の人生を1年ずつ綴る-偉大な作家の叡智から」、Ann Morgan「世界中の国の本を1冊ずつ読んでいく私の1年」の四本だ。

Michelle Kuo: 読書が持つ癒しの力 https://www.ted.com/talks/michelle_kuo_the_healing_power_of_reading

「読書が持つ癒しの力」は、読書療法(Bibliotherapy)に興味があり、最近日本読書療法学会が監修している「読む薬」も読んだところだったのでタイトルに惹かれて視聴した。この話に出てくる青年の例は、読書による癒しというより、言葉を知り表現を知ることで自分の感情を捉えて表すことができるようになる部分の功績が大きく、読書療法とは少し違ったが、読書を重ねることで彼から言葉が溢れ出てくるようになる所はとても興味深かった。

言葉といえば、今まで持っていた文字を記すこと、そして記された本に対する考えが覆され嬉しい驚きを得た本がある。印欧語比較文法・対照言語学を専門として博士論文を執筆している作家、高田大介の著作「図書館の魔女」である。鍛治の里に生まれ育った少年・キリヒトが王宮の命により、史上最古の図書館に暮らし「高い塔の魔女」と恐れられるマツリカに使えることになる、という物語だ。古今東西の書物を繙き数多の言語を操って多大なる発言力を持つマツリカは、自分の声を持たないというところがこの話のきもだ。私は本は言葉を留まらせることが出来るものだと思っていた。だが作中で、「文字はすでに言葉ではなく、いまだ言葉ではない」「書かれた瞬間に、それは言葉だった。読まれようその時に、それは言葉であるだろう。(中略)言葉自体は目に見えない、言葉自体は耳には聞こえない。」というように表されている部分がある。マツリカが手話で話し、キリヒトが声で応える形で繰り広げられている会話の中で、キリヒトはその意味を実感していく。この作品ではマツリカらの国と周辺国との関係、それらの国の内政が作者の驚く程の知識量で詳細に語られる。言葉の持つ力の大きさを存分に味わえる本だ。戦術に関する知識や農耕に関する知識も豊富に使用されていて、読んでいて非常に楽しい。知識欲の強い人や、桜庭一樹の「GOSICK」、アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」、上橋菜穂子の「守り人シリーズ」が好きな人も気にいると思う。最新作を執筆中とのことなので、出版が待ち遠しい。

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4062933659/ref=cm_sw_r_cp_api_i_tDZGEb6BXW4VB

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