出水市米ノ津東地区コミュニティ協議会×NPO法人頴娃おこそ会 加藤潤さん|2回目
2022年12月16日に出水市 米ノ津東地区コミュニティ協議会にて、NPO法人頴娃おこそ会の加藤 潤さんによる空き家活用に関する事例共有と、アドバイスによる支援が行われました。
こちらは、鹿児島県の令和4年度 地域資源活用・協働促進事業「地域連携アドバイザーの派遣」を活用して行われた企画です。
(1回目の様子はこちらから▼)
▽前回(1回目のアドバイザー派遣)のふりかえり
前回は、再生可能性のある空き家の現地調査を行いました。
アドバイザーの加藤さんとともに回った5つの空き家の中で、再生可能性が最も高かったのは、5軒目の物件です。
室内には家財道具が残されているものの、庭の草刈りや空気の入れ替えなどの管理はされている状態。
前回の調査でも、外観の大きな傷みは確認されなかったため、室内のリノベーションのみで使い始めることができそうという見解でした。
▽加藤さんによるアドバイスと問いかけ
今回は、リノベーションを始める前の情報収集や計画の立て方。
空き家再生を進めるにあたってのノウハウなどについて、加藤さんからアドバイスをもらう時間となりました。
加藤さんからの最初の問いかけは、
「何のために空き家を再生するのか?」という視点。
空き家再生はあくまで手段であって、目的そのものではないこと。
再生した物件を使ってくれる人を探す上でも、ビジョンを明確にすることの重要性について話されました。
コミュニティ協議会としては、住宅として使ってもらうことを希望しているものの、これまでの活動から移住者を呼び込む難しさも感じています。
そういった地域側の課題に対して、加藤さんからは、
「移住者が地域を選ぶポイントは、住居だけとは限らない」
「地域としても誰でも良いわけではなくて、ある程度こんな人が来てくれたら良いな、という思いがあるはず」といったアドバイスが送られました。
地域が主体となって行う空き家再生は、不動産屋や行政の手が届きにくい部分を担っていることもあり、移住者からすると心強い場面が多々あると思います。
とはいえ、他地域からの引越しは不安や心配がつきまとうもの。住んでみてはじめて見える地域の顔もある中で、どれだけ移住者に寄り添えるか。
移住者を迎える際の、地域の度量のようなものを考えさせられる時間となりました。
▽関係者による意見交換とアイデアの共有
話し合いの中で、他地域から出水市に移住した女性からは、
「米ノ津の場合は、静かに穏やかに住みたい人の方が合うかもしれない。そこに地域協力の意思のある若者を希望すると、ミスマッチにつながってしまうかも」という意見。
また、別の移住者の方からは
「今の表現方法は、外から見ると『地域の役員になってほしい』と言われているような重たさがあるかもしれない」
「あなたのやりたいことを応援する土壌がありますよ、という部分をアピールした方が良いような気がする」といった意見がありました。
具体的には、「年に数回ある地域イベントに参加してくれたら、自治会費を少し安くする」といった提案があげられました。
地元出身の女性からは、
「米ノ津は熊本と面していて、鹿児島県の入口でもある。神社があって守られている感じがあるし、お店の選択肢も多くて利便性も高い」といった素直な思いが語られました。
ゲストハウス運営に興味があるものの、「実現に向けて実際に動き出した時に、地域からの期待が大きすぎるとプレッシャーになってしまうかも」といった心情の共有もありました。
▽空き家再生を進めるにあたっての具体的な方法
会の後半では、加藤さんから空き家再生を進めていくための具体的な方法について共有されました。
コミュニティ大工として、数十軒の空き家再生を手掛けている加藤さん。
資料には、リノベーションを行う前の解体作業の様子や、DIYワークショップの映像など、様々な地域の事例が残されていました。
動画を見終わった後の「楽しそうですね」という、地域の方の言葉がとても印象的でした。
その他、大家さんとの交渉方法や、契約書類のひな形、空き家再生に関わってもらうサポーターとの関係性づくりなど、様々な視点から情報が共有されました。
▽次回の計画について
そうして、次回のアドバイザー派遣では、改修予定の物件をさらに詳しく調査することに。
パッと見るだけではわからない床下や天井裏の様子を確認しながら、空き家を調査する時の視点やポイントについて学んでいきます。
米ノ津東地区コミュニティ協議会へのアドバイザー派遣は、次回で最終回となります。
こちらのnoteでも引き続きレポートしていきますので、地域づくりに興味のある方や地域おこし協力隊の方など、ぜひご覧ください。
▽関連リンク
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