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子どもたちの自由を取り戻す3つのカギ

私が取り組むSTEM教育の醍醐味は、「つくることで学ぶ」です。

単に理数やITを学ぶだけでなく、個性に合わせた自由を大事にしています。

6月からようやく教室再開できそうだな、子どもたちが自由に創作できる場を取り戻せそうだな、とワクワクしています。

テクノロジーを活用したアート教室

たとえば歯車の原理を利用して、「遊園地にあるような乗り物をつくろう!」という取り組みをします。つくる乗り物は自由です。

1コマは1時間のうち最初の10分で基本原理を学び、次の40分でその原理をもとに制作します。そして最後の10分で実際に試して動かしてみます。

どんなテーマのときにも、この「知る」「つくる」「試す」をおこなって、最後にひとつの形に仕上げます。その形は自由なのです。

いうなれば『テクノロジーを活用したアート教室』です。

自由が苦手な子どもたち

しかし、「自由」と言われると困ってしまう子がたくさんいます。

最初は何をつくったらいいかわからず手が止まり、スタッフに質問したりします。

「何をつくったらいい?」と。

幼稚園や保育園ではどんなものをつくっても「いいねー!」「おもしろいものつくったねー!」と受け入れてもらえるのが、

小学校にあがっていくと、大人が期待するものをつくる、言うことがいいね!となっていきます。

これを繰り返していくと、自分の考えを持つよりも大人が期待しているものはなにかな?という発想になります。

大人になるにつれて常に「正解」を探してしまうのは思い当たる人が多いのではないでしょうか? 大人は真っ白な紙へのお絵描きが苦手。自分が喜ぶことを自分で気づくのが苦手になっていくのです。

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『どんなものをつくってもいいんだよ』

ステモンの講師たちは、
「どんなものをつくってもいいんだよ」と繰り返し伝えていきます。

たとえば、小学2年生の男の子で塾にも行っている「勉強ができる子」がいます。

その子もステモンに来た当初は何をつくったらいいかわからない子でした。

どうしていいかわからず、ほかの子たちをキョロキョロ見ています。

こうした子にくり返し、
「どんなものをつくってもいいんだよ」と言い続け、
つくったものを「いいね」「なるほどそういうものつくったのね」「おもしろね」と受け入れ続けます。

半年も通えば、自分がつくりたいものに自分で気づけるようになり、自由につくるようになっていきます。

「自由」を楽しむ感覚を取り戻せるのです。

自由を取り戻す3つのカギ

自由とは自分の考えを持つことです。他者の評価基準などを気にせずに、自分はこうしたい、という意志をもつことです。

大事なのは、いつも近くにいる大人(ステモン講師)が

1、「どんなものをつくってもいいんだよ」と声をかけ続けること、
2、優劣をつける評価を強調しないこと
3、「自由につくっていいんだ」という居場所=コミュニティをつくること

この3つが、子どもたちの自由を取り戻すカギです。

このような環境づくりを2013年10月以降にやってきました。

いまは中断していますけど、6月から教室スタートします。

もう少しで自由な居場所を再開できるなーと楽しみにしています。



ありがとうございます!