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図解で見る子どもの虐待

ご覧いただきありがとうございます。竹位和也です。

3歳男児が親に殴られ意識不明になり病院に連れて行ったのをきっかけに、病院でアザがあるのが見つかり、虐待のおそれがあるとし通報されたというニュースが出ていました。

それ以前にも、虐待により子どもが死亡したというニュースもありました。

これ以外にも児童虐待に関するニュースは様々出ていますが、なぜこれほど多く発生しているのか考察していきたいと思います。


1.児童虐待の実態

厚生労働省によると、2018年度の児童虐待相談件数は16万件近くにも及び、直近のデータと併せてみても減少している様子は見られないことが分かります。

なお、日本の法律における「児童」の定義が異なるので要注意です。児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)では18歳未満の者を指します。

また、虐待は貧困と強い関連があると考えられています。こちらの記事のとおり、虐待が起こった家庭の約半分が経済的な問題を抱えている状況にあるとのことです。

貧困が中心ですが、当事者への取材に基づいて制作された本も出ていますので、関心のある方は手に取っていただけたらと思います。

2.日本の取り組み

日本には児童福祉について定められた「児童福祉法」が存在し、児童相談所の設置などの根拠法となっています。

これまではあまり機能していなかったようですが、世の中の機運の高まりを受け、超党派による立法により2000年に児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)が成立したという経緯があります。この辺りはオレンジリボン運動のwebサイトに詳しく述べられています。

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)は法に基づく強い介入を行えるようにするなど、子どもの人権を意識したものとなっています。

しかしながら、先ほど述べた通り児童虐待相談件数が減っていないことをみると、これらの取り組みだけは十分に児童虐待問題に対応できていないこと推察されます。

3.図解して説明:児童虐待が減らない理由

では、なぜ児童虐待が減らないのかを図解で説明してみます(図解そのものの説明はこちらをご覧ください)。

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上図は、子どもとその親を2重の円で表現し、社会の仕組みを大きく「行政(青色)」「地域(黄色)」「民間(緑色)」で表して親子を包んだ図となっています。

上図を見ながら、以下内容をご覧いただけると分かりやすいかと思います。

・虐待親に対する恐怖心や介入により、子どもが周囲に虐待の実態を伝えることができていない
・子どももまた社会の仕組みを頼ることができるが、そのような選択肢があることを知らない
・虐待のおそれがあることを給食費の未納やアザなどで周囲はようやく気付きうるが、虐待親とのトラブルをきらい通報しないことがある
・通報を受け家庭に介入や支援が試みられても、虐待親による抵抗を受け子どもの救済が進まないことがある

これらのことから、親ブロックにより自動虐待の実態が隠されることと、子どもによる世の中の仕組みへのアクセスに乏しいことの2つを指摘することができると思います。

親は自らが子どもに対して虐待していることが周囲に知られると、自らが不利益を被ると考えるので、その実態を隠そうとする動機が働いてしまいます。また、法律に基づいた様々な社会の仕組みがあるにもかかわらず、それを利用してよいということを子どもが知らないことで虐待が減らないという状況も推察されます。

4.私たちにできることは?

児童虐待についてざっくりとみていきましたが、では私たちには何ができるでしょうか?

児童虐待に関する取り組みをしているNPO等に寄付をしたりボランティアに参加したり、あるいはそういったおそれのある子どもを見かけたら「どうしたの?」「心配だよ?」と声をかけてあげることは、可能であれば是非にと思います。

また、児童虐待は身近に起こりうることだということを身近な人と話し合っていくことにも意義があると思います。この手の話はともすればひそひそと陰で話されがちではありますが、そうではなくて、大人が表立って児童虐待について語り合うことで、その様子から子どもも学び、子どもの目線からも他の子どもの異変に気付き、それが救いの機会に繋がることもあるのではないかと思います。

記事はこれで以上となります。ご覧いただきありがとうございました。

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