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kaz流・フィルムカメラの選び方


 先日書いた記事が「今日の注目記事」に選んで頂いたようで、朝起きたら通知の量にちょっとビックリしていた。
 他の記事のざっと40倍くらい閲覧頂いている形となる。

 私の記事は基本的に思い付いたことを書き並べているだけなのだが、これだけ読んでもらえると中々嬉しいものがある。

 とどのつまり何が言いたいのかと言うと、他にも幾つか書いてるからついでに読んでってね。

 さて、今回のエントリでは、
「フィルムカメラやりたいな。でもどういうフィルムカメラ買えばいいのかな」
という方に私流のカメラの選び方を説明していこうと思う。

 ただし、私は「なんか夢に出たから」と理由でカメラを買うことがある人間なのでそこは覚悟して頂きたい。



なんか惹かれたものを選ぼう


 フィルムカメラを買うに当たって、最初に考えるのは自分の欲しい機能や十分な性能があるものを選んで……ということだろう。

 まずは、一旦それは捨ててしまってもよい。

 やれ最高速が、絞りが、レンズが、などという突き詰めるとキリのない話は極論を言えば使用者側で頑張ればなんとでもできる。

 別にシャッタースピードが最速1/100含む3種類で開放F7.7だろうが


 現在は流通量のほぼ絶えた16mmカメラだろうが


 私の知人には既にディスコンになっているフィルムフォーマットのカメラのカメラを使うため、中判カメラ用の120フィルムから暗室でフィルムを切り出して使っている人もいる。

 要するに、余程のことがない限り使用者がなんとかしようとすればなんとかなってしまう。

 と、なると重要なのは自分が惹かれるかどうかが一番なのである。

 なんでも構わない。

 デジタルとメーカーを揃えたい。
 自分の好きな有名人が使っている。
 調べたらデザインがくっそかっこよかった。

 例えば、この辺りのカメラは私のある好みが反映されている。


 わかるだろうか。

 銘のフォントが好き。


 特にレンズ交換が出来るカメラだと「ボディはただの箱」と言われるが、ただの箱だからこそ好みに合わせておきたいんじゃないか。

 なんとなくかっこいい、なんとなく良さそう、なんとなく作例が良かったから。フィルムカメラを選ぶ最初の一歩はまずそこでいいのだ。

 なんなら、予算だって考えなくていい。


 私がフィルムカメラを調べ始めて最初に惚れたのがこのContax Iだ。
 別名をブラック・コンタックス。

 いずれ紹介しようとは思うが、戦前のカメラでそこそこの値段が張る。

 私は始めたばかりの趣味に大金を注ぎ込む勇気がなかったのでContaxクローンと言われる安価なKIEVから買った。


 これにドハマりした結果、凄まじい遠回りとお金を使って、ブラック・コンタックスを3台集めて黒い三連星ごっこが出来るくらいの余計な出費をしている。その遠回りのおかげで色々な無駄な知識を得ることが出来たので後悔はしていないが。

 どうせ使うのは自分一人しかいないのだから、余程奇特な趣味がなければ目標一直線最短コースもいいだろう。
 なぜなら、仮に貴方がデジタルミラーレス一眼が欲しい!と思ったとして。

 最初に安いコンデジから買って練習するか?

なんか触れるものを選ぼう


 最初にフィルムカメラを選ぶ時は、可能な限りお店などで触れるものを買おう。ヤフオクやメルカリだと状態云々、という話ではない。


 これは西ドイツのEdixa Reflex mod:Dというカメラだ。
 ウエストレベルファインダー機が好きな私はこのカメラをebayで買ってみた。状態は決して悪くなく、性能だってそこそこだ。
 しかし、このカメラは数回使ったらあまり使わなくなってしまった。何故か。

 フィーリング的なあれがしっくりこないのだ。フィーリング的なあれが。

 確かに大柄でちょっと重たいのだが、これくらいのカメラは他にも一杯持っている。

 どうも使用時のフィーリングがイマイチ合わないのだ。こいつ。

 逆のパターンを紹介する。


 Konica IIBmだ。
 Konica IIシリーズの廉価機。

 このカメラは中古市の動作未確認コーナーに置いてあり、
「ほーん」と思いながら数回触った途端、
「このカメラは自分のものだ!」と思う程手に馴染んだ。
 即座に購入して、幸いにも完動品だったため今でもサブカメラで使うことがある。

 要するに、実際に手に取らないとフィーリングの合う合わないが出てくることがあるので、気になるカメラを見つけたら売ってるお店に触りに行く、目標外のカメラも触ってみる、というのは個人的に大事なプロセスだと感じる。


なんか整備されてるのを選ぼう


 なんせフィルムカメラの殆どは中古品だ。値付けも千差万別、状態も千差万別。
 チェックするべきポイントを押さえればまあこれはイケるだろう、これはアカンだろう、という目利きも出来るかもしれないが、最初にカメラを選ぶ段階ではそこまでは無理だ。

 多少安い未整備品を買うくらいならたっかい整備品を買うべきだ。

 ……いやいや、私は別にショップの回しもんじゃない。

 安く買っても不調になったらオーバーホール代が3~5万円追加で掛かるという話をしている。

 また、安いが状態の良くないカメラやレンズの描写を真に受け、この機材の性能はこれくらいか……と思い込むのも勿体ない話だと思うし。
 これは!というカメラを見掛けたら可能な限り整備済み、状態の良い(≒価格の高い)ものを選んだ方が後々楽だ。

 ヤフオクやメルカリ、ハードオフで買うのも悪くはないが、それは当たりを引けば良いが外れを引いたら痛い目を見る一種の博打だということは理解頂きたい。
 どちらかと言うと意外と街の小さなカメラ屋さんみたいなところに当たりが多いぞ。


なんか西側のカメラを選ぼう


 これは東側カメラ好きの私が断言する。

 絶対に最初は西側のカメラから選んだ方がいい。

 私は東側のカメラばかり集めているが、はっきり言って出来に関してはかなり古い時代(1960年以前)ならまだしも1970年代以降のカメラでは大きな差がある。

 たまに日本製のカメラを使うと、普及品レベルのものでも
「こいつマジでよく出来てるな」と感心してしまうレベルだ。

 そもそも前にも書いたが、東側のカメラは不調になっても診てくれるお店を開拓するところから始まるし、特にソ連製に関しては多くの修理屋さんで出禁を食らう。
 ある程度馴染んで来てからのお遊びで買うか、いっそ毒を喰らわば皿まで精神で買うかにしよう。

 ……それでも東側のカメラが欲しいというなら歓迎してしまうが。


なんかおすすめを教えよう


 そうは言っても抽象的な話ばかりで具体的にはどういうのを選べばいいんだよ、と憤りの皆さんに比較的お勧め出来るカメラの基準を教えよう。


 PENTAXが誇る大ベストセラーカメラ。
 PENTAX SP。

 このカメラは当時としてはかなり画期的なカメラで、

・シャッタースピード最速1/1000
・TTL露出計(ファインダー内で確認できる)
・絞り込み測光機能

 の3つの機能が付いている。

 私はこの基準を「SPライン」と勝手に呼んでいる。

 このボーダーを越えるか、近しいところにある(SS最速1/500など)のフィルムカメラなら、どこのメーカーのものであっても使い方さえ分かれば初めての人でも難なく使うことが出来るはずだ。

 出来れば機械式の方がよい。万が一の時に電子シャッター機は直せないと言われることがある。

 露出計に関してはTTLだと分かりやすい、というレベルであり、別に貴方がスマートフォンのアプリを使ったりセコニックなどの単体露出計を買う、というのなら全く気にする必要はない。

 私は2台目から東ドイツの露出計なし機種を買ったので合わせて買ったセコニックのツインメイトを未だに愛用している。


 まあ秋には限定スタジオデラックス来るけど。

 これもあくまで目安に過ぎないし、最初に書いたとおり使用者側が工夫すればこれ以下のカメラでもバリバリ使うことは出来る。


 皆様にはどうか色々フィルムカメラに触れて、お店の人と話をして、バシバシ楽しみながらフィルムを溶かして、一緒にフィルム需要を支えてみて頂きたい

 フィルムカメラ、楽しいぞ?



kaz

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