第123回フィルムさんぽ(ハーフカメラ回)に参加してきた件
フィルムの値段が割と冗談抜きで高騰して来ている今、ライカ判の2倍の量撮影出来るハーフサイズカメラは結構重宝するものである。
PENTAX 17の販売などもあり、現在俄にハーフカメラ人気が若干盛り上がり始めている。
私もハーフサイズカメラはいくつか所有しているが、中でもハーフサイズ人気の火付け役にもなったオリンパス・ペンに関しては映りも良く扱いやすくかなりのお気に入りである。
従ってフィルムさんぽのハーフカメラ使用回も前々から参加を表明しており……
しており……
あれ?もしかして私ハーフカメラ回参加するの初めてじゃん。
と、いうのもさんぽのハーフカメラ回はフォーマットが半分であることを活かし、L判プリントに2コマ現像して簡易な組写真を組める作りになっているのだが、良く考えたら私はそもそも2コマスキャンをしたことがない。
ハーフカメラを購入したのも3年くらい前に子供の頃触っていたのと同じサムライを買ったのが初めてなのであまり日も経っていないしな。意外なところで初体験となるわけだ。
大空羽ばたく紅の翼
さてまずは持ち込むカメラからだ。
「え?そんなのペンでいいじゃん」と普通は考えるところである。
しかしちょっと考えてみて欲しい。
ハーフカメラ最新機種のPENTAX17はレンタル含め数台登場する事となっている。次にネームバリューのあるハーフカメラと言えば普通に考えればオリンパス・ペンシリーズだろう。
それではこのkazさんの芸人魂は燻ったままになってしまう。そういう訳で別のアプローチを考えておいた。
たまたま少し前にカメスズで見かけたハーフカメラ、旧ソ連製の初代チャイカがそういえばいいよなあ、と気になっていたため、ebayで元箱・ケース・ストラップ付きのものを購入しておいた。
東側のカメラを未テストでフィルムさんぽに持ち込むのはリスキーが過ぎる上、主宰のurbanさんにもしっかりと躾けられているため、前回のフィルムさんぽでサブ機として持ち込んでしっかりとフィルムテストを行っている。
結果は上々。20年くらい前のコダックのフィルムで試したにしては真っ当に映っている。
ちなみにカメスズの中の人には
「実戦投入の前にきちんとテストするの偉い」
「kazさんにしては面白くない写真撮りましたね〜」
とコメントを頂いた。
テストだから仕方ない。それに東側のカメラなんざテストしてたって本番コケることもよくあるんだし。
赤と青の戦い
フィルムさんぽ開催前には事前に自己紹介とどのカメラを使う予定か伝えあうコーナーがある。
(あくまで予定なので実際変更があっても構わない)
そのうち、参加者の1名がアメリカのMercury IIを持ってくる、と聞いた私のリアクションがこちら。
そしてこちらが当日の米ソ開戦の様子である。
果たしてこの戦いの行く末は……?
ちなみにハーフカメラ回と言えばやはりペン勢が多くなりそうだから使用カメラは敢えて被りを避けるためにチャイカを選んだわけだが、まさかの初代ペン0人でコニカオートレックスが3人という、なにかこうおかしい割合となっていた。
グレートウォール3台の次にあたまおかしい絵面だと思う。
赤い衝撃
実は今回のハーフカメラ回、開催前にモデルさんを招いてポートレート撮影もできる!という告知があった。
これには少し頭を抱えてしまった。私は今回レッドスケールのフィルムをソ連の目測機で使うのでポートレートに対して絶望的に向いていない。
最近「人が……撮りたい……」と妖刀に魅入られた浪人みたいな事を口にしている私にとってまたとない機会であるのだが……
勿論サブ機を持ち込めばいいだけの話なのだが、ただでさえ36枚のレッドスケールをハーフカメラで使うと目算で72〜76枚くらい撮れてしまう見込みとなり、ポートレートをしている時間がない。
苦渋ながらもポートレートは組写真の要素程度に撮らせていただく形となった。
え?デジ……タル……?
真っ赤な秋
この日の横浜はあちこちでコンサートやマラソンや日本シリーズなどの複数イベントが行われており、もし私が刑事ドラマの脚本を書くとしたらこの状況下でテロリストが事件を起こして横浜市が丸ごと人質となるパニックをテーマにするだろうな、というくらいの人集りが予想されていた。
折しも日にちが丁度ハロウィン前ということがあり、撮影コースも横浜洋館ハロウィンコースとなった。
私「今度のハーフカメラ回はハロウィン回と聞きましたが、ドレスコードとして何かの仮装は必要ですか?」
urbanさん「したければ勝手にしてください」
との事で、直前の準備となることや横浜の街中を歩くことなど所々の事情を含めて本当に手慰み程度のハロウィンっぽい帽子とお菓子だけ用意しておくに留めた。
※前日にドンキまで行ってそれっぽく荷物にならないものを探した
ツノは別に買う予定は無かったのだが、一緒に買い物をした妹に
「ツノはボアザン貴族の嗜み。ツノが無いと横浜で労奴にされるぞ」
と、言われたのでダブルで装着することにした。
お菓子は食べたかったらご自由に食べれるフリーお菓子制。
「仮装してる側がお菓子配ってるよ!」
と真っ当すぎるツッコミを頂いたが、まあほら、折角ハロウィンだしさ。
赤い絆(レッド・センセーション)
普段、フィルムさんぽの撮影後の昼食はカメラはスズキさんに現像をお願いした後に有志が集まり、横浜駅近くの中華料理屋で食べることが殆どである。
一応解散となるので、個別で行動しても構わないのだが私は基本的に中華屋の募集があった時は必ず行くようにはしている。
しかし今回ばかりはそうはいかない理由があった。
デビュー戦からずっと応援してきた馬、マテンロウスカイ号がこの日開催される天皇賞・秋に初のGⅠ出走することとなっており、何としてもせめてWINSで応援しなければならなかった為である。
相手関係が物凄く強いレースになるが、ここは応援に行くしかなかった。
幸い横浜駅からWINS横浜まではそう遠くはない。私は恐らく初めて中華料理屋さんの募集を蹴ってまで一路応援に向かうことにした。
「kazさん、推しを推しに行くんですよね」
「はい」
「これ、貸すんでよかったらどうぞ」
なんとテストネガを現像に出そうと思っていたのだが、少しでも時短になるように、と事情を知る参加者の方からお借りする形でカメスズの現像無料券を1枚頂いた。
(当日に配布される無料券をその日のうちに使いたい場合、一度電車で一駅隣の現像ラボまで足運ばなければならないため)
WINS横浜の向かいにあるカメラ屋を冷やかしながら昼食を取ることに。
WINS横浜向かいの中華屋。
チャーシューメン半チャーハンセット1000円な上(他に小籠包が2つ付く)このチャーハンがやたら美味かった。オススメ。
昼食後、カメラ屋散策に来た方と別れ単身WINS横浜に。出走30分ほど前に間に合った。
がんばれー!と応援してみた結果は……!!
惜しくも5着!!!!
しかし、3冠牝馬やダービー馬2頭、皐月賞馬などがわんさか出てくる超豪華メンバーの天皇賞・秋で、ダンシングブレーヴかよおめえは、と思わず口走ってしまった化け物じみた末脚の勝ち馬はまあ置いとくとして12番人気の低評価を覆しこれだけやってくれた事に感動した。
これからも相変わらず応援していく所存である。
紅だぁーーーーっ!!
24時間テレビ、たまたま夕飯時にチャンネルが合っていたんだけど折角の紅シャウトのところでマイクが入って無かったのは担当者はシベリア送りだと思った。
赤いケースに、赤いストラップに、レッドスケールのフィルムの、ソ連のカメラ。
うん、全てが赤いな。
かくしてネガが返ってくる。
うむ!!特記事項なし!!
特に東側のカメラではこれが最も嬉しい。
念の為パーマセルテープを貼っておまじないをしておいた甲斐があった。
最近のフィルムさんぽでは割と少なくなった組写真講評としての意味合いもあるため、割と意識して撮影してみたが……
なにせ2コマスキャンは初めての挑戦で、組写真を意識して撮影していたのだが途中でコマのカウントがズレるのを危惧していた。実際はコマズレは発生しなかったので組としては想定通りとなり助かった。
それにしてもレッドスケールはそんなに使わないんだけどまあ名前通り赤い。一応好みの色合いを求めてISO感度は80〜100くらいかなーと意識して使ってみたのだが、妙に色合いがパッと出ない。
変わり種フィルムと言えばこの人、参加者のりょえよさんに伺ったところ、
「レッドスケールはISO25〜50くらいで使うと一番いいよ」との事。
これが一番理想的な色味が出ていた。逆光だったので光がかなり入ったのが効果的だったのだと思う。
「レッドスケールはISO25を意識」
うーむ、格言だなこれは。
それにしてもこのチャイカの映りは素晴らしいものがある。そう思わないだろうか。チャイカIIは割と国内でも見かけることがあるので、もし見かけることがあれば是非手に取ってもらいたい。
ただし、東側のカメラ故に動作などは自己責任となる。
いつも心にフレイザード様を。
kaz
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?