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kazのこんなカメラ ⑲ 京セラ SAMURAI X3.0


 先日、東京上野でクラシックカメラ博が開催されていた。


 この手の大規模な中古カメラ市は随分久しぶりのような気がするが、たまたま秋葉原方面に用事があったので上野→御徒町→秋葉原→神田→お茶の水とぐるっと歩くことにした。

 クラカメ博の沢山の出品を見ると、結構欲しいものが転がっていたりした。
 CONTAX用の300mmテッサーやテレコンのムター、PENTAXカメラでAFの利く望遠ズームなど。
 どれだけ競馬撮りたいんだお前、という話だ。

 一通りブースを見て回った時、気になったカメラがあった。
 しかし時間的余裕と財布の余裕を考え、一度会場を離れ先に用事を済ませることに。

 まあウバ茶のクオリティシーズンなのでお茶飲みたかっただけなのだが。

 そして、神田からお茶の水を通り、もう一度クラカメ博に戻る。
 時間は夕方だ。
 またタイムセールでもやってねえかな、という薄汚い魂胆があったことは否定しない。

 流石にそうそう都合良くはいかなかったが、目を付けていたカメラを動作確認、無事購入に至ることとなる。

 そのカメラがこれだ。

 京セラ SAMURAI X3.0である。




 一之太刀 侍とは何者ぞ

 老舗・ヤシカを買収した京セラが1987年に発売したカメラがこのサムライである。
 ハーフサイズフォーマットにAFとズームを組み込み、一見するとビデオカメラのような形に纏めた一眼レフ機。
 そう、一眼レフなのだこいつ。
 この独特の外観と操作性が意外と扱いやすく、京セラのカメラの中ではかなりのヒット作となった。

 日本の産業技術史として認定がされており、日本カメラ博物館にはこいつのカットモデルなんかが陳列されている。見た。

 換算35mm~105mmでF3.5~F4.3、シャッターは最速1/500と実は結構立派なスペックを持ち合わせていたりする。
 この時期の京セラ・ヤシカはCONTAXシリーズを展開していたこともあるし、レンズは結構いい映りをしてくれるのだ。


 二之太刀 侍との出逢い

「え?なんで普段ソ連だチェコだ言ってる人が突然サムライなの?」
 そう思われる方もいるかもしれない。

 こちらを見ていただこう。


 ペンギンである。

 この写真、実は私が生まれて初めて撮影した写真群の一つだ。
 当時自宅には父が使うニコン機と、主に母が使うこのサムライがあった。
 私と妹の幼少期の写真の殆どはサムライによって撮影されたものである。

 上野動物園で私がそのサムライを使って初めて撮った(中でちゃんと写っているもの)がこのペンギンの写真なのだ。

 他にも色々な動物を撮っていた。
 フラミンゴとか、トラとか、オランウータンとか、あとアメンボとか。

 壊れたのか売られてしまったのかは不明だが、いつの間にか家からそのサムライは姿を消している。
少なくとも97年ぐらいまではあったはずだが。

 そういった縁があるため、実はちゃんと動くサムライはずっと探していたカメラなのだ。


 三之太刀 いざ、出陣!

 そういった経緯を経て購入したサムライ。
 先日のフィルムさんぽに早速サブ機として持ち出した。
 このカメラを知る人からは「おお」と言われ、知らない人からは「それフィルムカメラなんですか!?」と驚かれる。

 私もかれこれ20何年ぶりの再会だ。
 操作方法は手が覚えているとは言え、何せ当時とは経年年数が全く違う。
 ちゃんと動いてくれるのか、映りはどうなのか。
 わりとドキドキしながらあちこちを撮影していた。

 メインがモノクロだった為、カラーフィルム、もう大分前にディスコンと化してしまった業務用400の24枚撮りの生き残りを使う。

 フルサイズでは割高感は否めないが、ハーフで使うとなると、24枚の枚数がちょうどいい。
 72ショットは少し胃がもたれる。
 しかし今や不採算事業でもあるし、仕方のないことなのかもしれない。



 四之太刀 一刀両断!令和に生きる侍

 たまたまフィルムさんぽの撮影パート自体が少し時間的に余裕があったこともあり、当日中に撮了したフィルムのデータとネガが上がってきた。
(枚数が多く、またテストのためプリントは省略)

 侍の意地を見るといい。









 とんでもなく良く写っている。
 まさしく一刀両断の切れ味だ。

 え?ハーフだよね?


 一合取っても武士は武士、と言ったところだろうか。

 これでフィルムさんぽのハーフカメラ回に参加することも出来るようになった。

 懐かしのサムライとkazの次回作にご期待ください。





kaz





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