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【平等な教育について考えてみた】 日本とスウェーデンの違い。

学期末は先生方にとって非常に忙しい時期ですよね。
試験問題作成、試験、採点、評価と授業以外にやることがたくさんあります。
昨日、授業で出した課題について添削を行なっていて、ふと思い出したスウェーデンと日本の教育の違いについてお話しします。

スウェーデンの教育は、個々の成長と幸福度を重視しています。
例えば、スウェーデンでは義務教育が9年間で、授業料は無償です。
また、進学時の入試がなく、生徒の興味や将来の職業に合わせたコース選択が可能です。

一方、日本の教育は学力向上に焦点を当てています。
義務教育は6歳から15歳までの9年間で、進学時には厳しい入試が行われます。

このように、教育のアプローチや制度には大きな違いがあります。
どちらもそれぞれの文化や社会に根ざした価値観を反映していると言えます。

特に、スウェーデンと日本では【平等】の考え方に大きな違いがあると感じます。

例えば、【平等に教育する】ことを考えてみましょう。
  *Aさんは国語が得意だけど理科が苦手。
  *Bさんは逆に国語が苦手だけど理科が得意。
この二人に平等に教育するためにはどうすべきでしょうか?

日本の場合は、
  *Aさんは理科が苦手だから、理科をに力を入れる。
  *Bさんは国語が苦手だから、国語に力を入れる。
と考えるのではないでしょうか。
つまり、教育を行なった結果が等しくなるようにすることが平等だと
捉えていると思います。

一方、スウェーデンの場合は、
  *Aさんは国語が得意だから、国語を伸ばす。
  *Bさんは理科が得意だから、理科を伸ばす。
と考えます。
それぞれの得意分野を伸ばすことが、平等だと考えています。

子供たちがそれぞれの強みを活かし、個々の才能を伸ばすことができる環境を提供することは、全ての子供が自分の可能性を最大限に発揮できるようになるためにとても重要だと思います。

日本では、すべての分野で70点の平均点を取れる人が多いですが、何人集まっても100点にはなりません。
一方、スウェーデンでは平均点が50点かもしれませんが、特定の分野で100点を取れる人がいるため、何人か集まると100点になります。

高度成長期の日本の教育システムは、底辺層のレベルアップに大きく貢献し、製造業を中心とした「ものづくり日本」を支えてきました。
しかし、現在のようなVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代には、それが通用しなくなってきています。
教育環境の再考は、未来を生き抜く力を育むために不可欠です。
そのためには、まず【平等】の概念を再評価する必要があると思います。


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