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【勉強しろと人はいうけれど】#9 5月の読書記録

先月読んだ本の振り返り。ネタ切れなのでこういうのもたまにはいいよね。

5月の読書記録
読書冊数 12冊(22年累計64冊 12.8冊/月)

前半は読んだ本の紹介、後半は世間の読書術に対して思うことを書いてますよ。

1)生まれた時からアルデンテ/平野 紗季子 

食べ物エッセイ集 小学生時代から食日記を付けている食べ物に取り憑かれた一人の女性の日常。本当に食べ物が好きなんだと感じるのと、美味しそうに感じるかどうか人を選ぶ文体。「一口齧った瞬間に、濃厚な肉汁が口の中にジュワーっと広がる」みたいな文章を期待していると裏切られる。「フルーツサンドに狂気が宿る」とかそんな文章。たまらなく大好き。
そういえば、深井龍之介さんが「エッセイ書く人って、エッセイの才能あるよね」ってバグった事言ってて噴き出した。

2)コミュ障の社会学/貴戸 理恵

最近流行りのHSPとか繊細な人が生き抜くためのマニュアル本ではなく、不登校を取り巻く環境と世間を自身の経験を元に調査した結果をまとめた一冊。「学校なんて行かなくてもいい、自分自身が一番大切」の一歩先に何が待ち受けているのか、セーフティネットはどうなっているかなど。

最初「コミュ障」というタイトルには違和感があったけど、人対人でのコミュ障ではなく、世間の枠組みとのコミュ障ってことで腹落ち。ちなみに、人対人でコミュ障とは、言った方がコミュニケーションを遮断していることになるので、無意識に差別しているように感じる。

かくいう私も半不登校を中学時代に経験していて「学校に行かなくても何とかなる」と「このままじゃダメだ」の間を何度も往復していた記憶があった。結果この時の内省が今に生きていると思う。いや、思わなきゃやってられん。

3)オーウェル1984年ディストピアを生き抜くために/川端 康雄

みんな大好きディストピア小説の金字塔「1984年」の解説本。100分de名著のヘビー版。書かれた時代背景やオーウェルの人生や思想などを織り交ぜながら1984年を解説してくれます。難解だったので、1984年をより深く理解できるようになった気がします(気がするだけ・・・)。後でもう一度読もう。

4)変身/カフカ

タイトルは知っているけど読んだことないシリーズ。ご存知の通り虫に変身してしまった主人公の物語。どんな虫か細かく書かれていないので想像が広がりまくり。想像力が豊かな人だったら怖くて眠れなくなるまである。ただ、なぜ変身したのかは全く触れられないし、変身したことを家族が気持ち悪がりこそするが、不思議がることはない。なんなんだろう、この世界は。さっきのコミュ障の社会学に繋がるけど、ひこもりニートとその家族という対比で見ると心情投影できる。

5)トロッコ/芥川 龍之介

青空文庫で無料で読める。これも知っているけど読んだことないやつ。10分もあればじっくりと読めるほどの短編だが、主人公の少年の心境の変化への自身の投影や最後の一節が胸にぐさりとくる感じなど良質な読書経験を与えてくれる。ふと我に帰った時に、主人公の少年は泣き喚き元の場所に帰ることができたけど、自分は泣き喚いても前に進むしかないんだって絶望と覚悟を決めることができた、、、ような気がする。

6)藪の中/芥川 龍之介

芥川繋がりで藪の中もついでに読む。何回か読んだけど、芥川龍之介の書く文章はものすごくテンポが良く、物語の中に引き込んでくれる。

7)マイクロスパイアンサンブル/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎が本当に大好き。俺の好きな作家ランキングをやったら間違いなく1位。登場人物の小粋な掛け合いや、異常な世界を正常と認識している人たちの異常な状態に巻き込まれる物語というラーメンズにどこか通ずる世界観が大好き。この一冊もそんな感じ。
ちなみに、「伊坂幸太郎」を「伊坂 幸太郎」とスペースを開けると違和感がある、俺の中で。同じ5文字でも「芥川龍之介」と「芥川 龍之介」はそんなに違いがないのに。

8)水と礫/藤原 無雨

「みずとれき」と読みます。東京という都会で傷ついた若者がラクダと一緒に砂漠を死にそうになりながら旅して新しい人生を歩み、主人公を中心に子供や孫、父や祖父に同心円状に広がる物語。内容は分かりそうで良くわからないけど、世界観は好き。

9)ニュータイプの時代/山口 周

山口さんの考えが好き。気持ちはいつだってニュータイプ。変化についていくのではなく、価値観を固めないことが肝要だと思っています。

10)世界倒産図鑑/荒木 博行

11)世界失敗製品図鑑/荒木 博行

この2冊は兄弟本
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と良く言われるが、ビジネスの舞台でも全く同じ。倒産図鑑は文字通り倒産しているので悲しい終わり方をしているが、製品図鑑の方は半分以上が失敗した経験をバネに成功に繋げているので好き。

12)自分の頭で考える読書/荒木 博行

まさかの荒木さん3冊目。読書とは何か、何のために読書をするのかなど書いてあるが、肩肘張らずに自分の興味があるものを読もうという趣旨。そこに「問い」を持つことができたらそれだけで価値がある。あと、「誤読と誤配」が幅広い読書をしていると発生してイノベーションが起こるのではと。

▶︎世間にはいろんな読書術が溢れているが意味があるのか

しかし、1日1冊とかいうペースで読んでいる人はどれだけ時間を確保しているんだろうか。自分はそこまで時間を確保できないのと、集中力が続かない。地味に本の購入代金だって馬鹿にならないだろうに。

お金のことは無視して、読書術でググってみるとたった3つのステップで1日1冊が読めるようになるらしい。
<1日1冊読むための 3ステップ>
1:まえがき、はじめにを読んで著者が伝えたいことを
2:目次をしっかり読む
3:気になる箇所だけ読む
ん?ほんとに?それで読める本って自己啓発本やビジネス本の中でも薄っぺらい内容のものだけじゃないのか・・そんな本ならこんなステップに乗っ取らなくても1日1冊読めるじゃん。

<オーディオブック>
オーディオブック推しも世間に溢れてますね。オーディオブックが悪いとは言わないけれど、同じ時間を音声コンテンツに使うのであればpodcastやラジオがおすすめなのでは。複数人で討論しているような番組だと自分自身も聞くことができると思いますよ。あと、オーディオブックは聞き返しがめちゃくちゃ面倒臭い。紙の本なら目的の場所までパッとリーチできる。

<本を読まない読書会>
しつもん読書会など何やら胡散臭いアレ。個人的にはマルチ商法との相性が林家ペーパーの夫婦愛より良いのではないかと思っちゃう。鳥肌立っちゃうよ。

1冊の本を「しつもん」を通して読み解く、まったく新しい読書のしかたです。このメソッドを使うことで短い時間で、深く本のエッセンスを吸収することができます。
本を読む前に4つのしつもんに答え、
本を読んだあとに4つのしつもんに答え、
その答えをシェアする読書会です。
本を事前に読まなくても、参加できるので
気軽に参加できるのも特徴です。

しつもん読書会HPより抜粋

本の読み方として当日パラパラと読んで心に残ったフレーズをピックアップしてとか言い出してる。それって知ったつもりになってるだけでは?バカの山に登って喜んでだけではないか。

読書会で使われている書籍が「一瞬で人生を変えるお金の法則」だの「最速で夢を叶える!すごろくノート術」だの「コミュニティを作って自由に生きるという提案」と、ものすごく素敵なものばかり(笑)この読書会を5人でやったとして1人をターゲットにして素敵な人生の送り方とか不労所得とかを残り4人で洗脳し続けたらハマっちゃうでしょ。だって、こんな胡散臭い読書会にホイホイついていくよう教養の無さなんだもん。

あ、気づけばいつの間にかマルチ商法批判になってた。すまん。

それじゃ、今日はこの辺。またね。

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