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「最高の人生のつくり方」を見た(ネタバレあり)


・ Amazonプライムで見ました。

・ 妻を亡くした初老の男性が、ある日疎遠になっていた息子の子供を預かることになり、奮闘していくことで、これまでの考え方が少し変わり、新しい人生の歩み方を見つけるというお話だ(と思う)。

・ 主人公は、マイケル・ダグラス。最初に見た時はあまりにも歳をとっていたので、マイケル・ダグラスと思えなかった。

・ 彼は長年不動産販売員をやっていたが、最後に、妻や息子の想い出が詰まった自宅を売却して、別の町に引っ越しそこで余生を過ごそうと考えている。非常に頑固なところがあり、近所の人ともあまりうまくいっていなかったりする、面倒な初老の男性を非常にうまく演じている。マイケル・ダグラスは同じようなクセのあるキャラクターをこれまでも数多く演じてきているので、今回も十二分に怪演ぶりが発揮されている。

・ また、隣のマンションのユニットに住んでいる、歌手役のダイアン・キートンも非常にチャーミングな女性を好演している。

・ ただ、残念ながら映画全体としてはとても冗長で、展開もリズムが悪かったように感じた。最終的なクライマックスに向けて、孫を預かることになるというイベントをはじめ、いろいろなことが起こるのだが、これらがあまり本筋に効いていないように思え、退屈なように感じた。

・ それこそ、初期の段階で一旦結果に結びつけておき、途中はまたそれを壊すような障害が手を替え品を替え発生するような流れの方が、見ていてわかりやすく、かつテンポがよくなったのではないだろうか。

・ 気になったところが、もう一つあった。それは、最終的な結果に至った理由だ。

・ 何がきっかけでそうなったのかが、どういう理由で結果に結びついたのかが、見ていて全くわからなかった。

・ 前段で、性格が全く合わないというシーンはいくつか差し込まれていたが、その逆は特段なかった。意外性を演出するという意図はわからなくはないが、伏線を全く無視した展開は意外性の演出としては機能せず、見ている元に対しては、不自然としか映らないのではないか。

・ あとは登場人物。さまざまな登場人物が主人公の周りを固めるが、彼らが主人公にかかわることで、主人公に与える影響が最後の結果にどのような影響を与えるのかが今ひとつ明確にならない。

・ 中には、あまり重要でない人もいていいのだが、ただのいい人とか、無害な人というのは尺の埋め合わせにしかすぎず、見ている人に退屈さを感じさせるだけにしかならないのではないだろうか。


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